中医婦人科



中医婦人科の成り立ちと分類

専門分野としての分科

司馬遷
写真出典元: 「司馬遷」(2022年12月20日 (火) 02:37 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

中医学とは、数千年以上の歴史の中で積み重ねられてきた臨床経験と、陰陽五行論とよばれる哲学理論に基づき発展してきた中国伝統医学のことです。
前漢時代の歴史家である司馬遷しばせんが著した「史記しき」には、婦人科医である「帯下医たいげい」の記述があり、当時から婦人科の専門分野があったことがわかります。

中医婦人科では、女性の解剖学・生理学・病因病機が研究され、女性特有の疾患のメカニズム・診断方法・治療方法が確立されてきました。

春秋時代から戦国時代までの臨床経験と学術をまとめ、前漢時代に書き上げられた、中国最古の医学書である「黄帝内経こうていだいけい」には、女性の解剖・生理・診断・婦人科疾患に関する記述が含まれています。

後漢の時代には、「神農本草経しんのうほんそうきょう」が著され、婦人科疾患の治療に使用する88種類の医薬品が記載されました。また同時代に書かれた張仲景ちょうちゅうけいによる「金匱要略きんきようりゃく」では、婦人科疾患、妊娠病、産後病などの用いる30以上の漢方薬を掲載しています。温経湯や桂枝茯苓丸など現在でも常用されている漢方薬であり、後世の婦人科治療の重要な基礎となっています。

晋の時代には、初めて「月経」の名が提唱されました。また、王叔和おうしゅくかが「脈経みゃくきょう」を著し、妊娠・流産・出産・産後の脈の変化についての記載をしています。

唐の時代には、昝殷さんいんが「経効産宝けいこうさんぼう」という中国最古の産科専門書を著し、妊娠・産前・産中・産後の疾患とその治療方法、処方を記載しました。

明清の時代には、傳青主ふせいしゅが「傳青主女科ふせいしゅじょか」を著し、月経・帯下・胎児・出産の4方面の病症を詳しく記載しました。この著書は現在でも婦人科医師の必読書となっています。
その後も時代の流れとともに、理論の発展と医学の実践が行われ補完され、現代の中医婦人科として形成されました。


症状の分類

中医婦人科は、月経病・帯下病・妊娠病・産後病・婦人科雑病の5つに分類され、治療にあたっています。

  • 月経病:月経の周期、月経期間、経血量、経血色、経血の質などの症状、月経周期に伴って起こる症状のこと
  • 帯下病:おりものの量、色、質、臭いの症状、おりものの変化に伴い身体や局部にでる症状のこと
  • 妊娠病:妊娠期間中に発症し、妊娠と関係する症状のこと
  • 産後病:出産後から産褥期までの間に起こる症状や分娩と産褥に関連する症状のこと
  • 婦人科雑病:女性の生理や病理と密接な関係のある症状のことで、月経病、帯下病、妊娠病、産後病に属さないもの。
  • 月経病 月経の周期、月経期間、経血量、経血色、経血の質などの症状、月経周期に伴って起こる症状のこと
    月経周期が早くなる・月経周期が遅くなる・月経不順・月経過多・月経過少・不正出血・無月経・月経痛などや、月経に伴って起こる頭痛・感冒・発熱・下痢・嘔吐・浮腫・頻尿・口内炎・精神失調・胸張りなど。
    帯下病 おりものの量、色、質、臭いの症状、おりものの変化に伴い身体や局部にでる症状のこと
    帯下過多、帯下過少、帯下に血が混じる、帯下が匂うなど。
    妊娠病 妊娠期間中に発症し、妊娠と関係する症状のこと
    切迫流産・稽留流産・習慣性流産・子宮外妊娠・不正子宮出血・胎児発育不全や、妊娠時のつわり腹痛・腰痛・貧血・皮膚のかゆみ・頻尿・尿閉・下痢・下肢静脈瘤など。
    産後病 出産後から産褥期までの間に起こる症状や分娩と産褥に関連する症状のこと
    乳汁分泌不足や乳汁分泌過多、悪露が止まらない、産後の鬱・発熱・腹痛・不眠・身体の痛み・汗・浮腫・手足のしびれ・便秘など。
    婦人科雑病 女性の生理や病理と密接な関係のある症状のことで、月経病、帯下病、妊娠病、産後病に属さないもの
    不妊症・子宮筋腫・子宮内膜症・骨盤内炎症性疾患・膀胱炎・子宮脱・外陰部のかゆみ・膣の乾燥や痛みなど。


    中医婦人科学の治療の特徴

    1.月経・帯下・妊娠・出産・その他女性特有の疾患を治療するにあたって以下を重視する

    1.月経・帯下・妊娠・出産・その他女性特有の疾患を治療するにあたって以下を重視する

    ① 腎・肝・脾の内臓機能を重視し、性腺軸を調整する
    ② 気・血を調整する
    ③ 任脈督脈を調整する
    ④ 子宮を調整する
    ⑤ 病気の予防のための養生をする


    2.四診では女性特有の情報を収集する

    2.四診では女性特有の情報を収集する

    ① 問診では年齢・主訴・現病歴・月経の様子・帯下の様子・結婚および妊娠出産歴・産後の様子・全身症状を確認する
    ② 望診では体形・顔色・舌・月経・帯下・悪露・膣を確認する
    ③ 聞診では声の大きさや質・呼吸の状態・臭いを確認する
    ④ 切診では肌や腹部を触診、脈(月経脈・妊娠脈・分娩脈・分娩後脈)を確認する


    3.四診から得た情報から、原因を正確に特定し治療方法を決定する

    3.四診から得た情報から、原因を正確に特定し治療方法を決定する

    ① 月経病に関しては、月経周期・量・色・質の変化、全身症状、舌および脈診を組み合わせて鑑別する
    ② 帯下病に関しては、帯下の量・色・質・匂いの変化、全身症状、舌および脈診を組み合わせて鑑別する
    ③ 妊娠病に関しては、母体の病気か胎児の病気かを鑑別し、同時に胎児の状態を確認する
    ④ 産後病に関しては、悪露の量・色・質・匂い、乳汁の量・色・質、食生活、産後の便通、腹痛、全身症状、舌および脈診を組み合わせて鑑別する




    中医婦人科学でよく見られる体質


    ◆ 腎気不固じんきふこ

    腎気の固摂こせつ作用が低下している状態。
    固摂こせつ作用とは、体液や血液など身体にとって必要なものを一定量、あるべき場所に留めておく機能、また内臓をあるべき場所に保持する機能のことです。

    症状

    月経量が多い、不正出血、おりものの量が多い、子宮下垂、切迫流産、習慣性流産、産後悪露が止まらない、不妊など

    治療法

    補益腎気ほえきじんき

    生薬

    菟絲子・続断・杜仲・補骨脂・益智仁・狗脊など

    漢方方剤

    八味地黄丸・牛車腎気丸・寿胎丸・補腎安胎丸など

    ツボ

    腎兪・太谿など


    ◆ 腎陽虚じんようきょ

    腎陽が不足している状態。
    腎陽とは、元陽・真陽ともいわれ、全身を温め、代謝を促進するエネルギーのことです。

    症状

    月経周期が長くなる、不正出血、習慣性流産、水っぽいおりもの、性欲低下、月経に伴う下痢、妊娠時浮腫、不妊など

    治療法

    温補腎陽おんぽじんよう

    生薬

    淫羊藿・巴戟天・鹿茸・鹿角膠・肉桂・附子など

    漢方方剤

    八味地黄丸・牛車腎気丸・真武湯・右帰丸・亀鹿二仙など

    ツボ

    太谿・関元など


    ◆ 腎陰虚じんいんきょ

    腎陰が不足している状態。
    腎陰とは全身を滋養する物質で、身体を潤すものです。

    症状

    月経周期が短くなる、無月経、月経量が少ない、おりものが少ない、膣の乾燥、月経に伴う発熱・口内炎・膀胱炎・不眠、妊娠時動悸、不妊、更年期症状など

    治療法

    滋補腎陰じほじんいん

    生薬

    山茱萸・山薬・女貞子・旱蓮草・枸杞子など

    漢方方剤

    六味地黄丸・麦味地黄丸・知柏地黄丸・二至丸・左帰丸など

    ツボ

    復溜・腎兪など


    ◆ 肝鬱気滞かんうつきたい

    肝の疏泄そせつ機能が失調し気(エネルギー)が滞っている状態。
    疏泄機能とは、全身の気の流れを調整し、精神活動や臓腑活動をのびやかに円滑にする働きのことです。

    症状

    月経不順、無月経、月経痛、月経に伴う頭痛・胸張り・嘔吐・精神症状、妊娠時腹痛、産後乳汁分泌不足、不妊など

    治療法

    疏肝解鬱そかんげうつ

    生薬

    柴胡・薄荷・香附子・川楝子・木香・青皮など

    漢方方剤

    逍遥散・柴胡疏肝散・四逆散など

    ツボ

    太衝・間使・陽陵泉など


    ◆ 肝鬱化火かんうつかか

    肝の疏泄そせつ機能が失調し気(エネルギー)が滞り、過剰な熱が生じている状態。
    疏泄機能とは、全身の気の流れを調整し、精神活動や臓腑活動をのびやかに円滑にする働きのことです。

    症状

    月経周期が短くなる、不正出血、月経量が多い、月経に伴う頭痛、乳汁分泌過多など

    治療法

    疏肝解鬱瀉火そかんげうつしゃか

    生薬

    柴胡・薄荷・川楝子など

    漢方方剤

    加味逍遥散・金鈴子散など

    ツボ

    行間・陽陵泉・期門など


    ◆ 肝血虚かんけっきょ

    肝に供給される血や蓄えられている血が不足し、肝の働きが弱くなっている状態。
    肝は血を蔵するため肝血不足により全身の血も不足します。

    症状

    月経周期が遅くなる、月経量が少ない、無月経、経血の色が薄い、月経終わりの腹痛、月経に伴うめまい、切迫流産、妊娠時貧血・めまい、胎児発育不全、産後腹痛・体の痛み、乳汁分泌不全など

    治療法

    養血柔肝ようけつじゅうかん

    生薬

    芍薬・当帰・熟地黄・枸杞子など

    漢方方剤

    四物湯・芍薬甘草湯・枸菊地黄丸・一貫煎など

    ツボ

    肝兪・三陰交・膈兪など


    ◆ 肝胆湿熱下注かんたんしつねつかちゅう

    湿熱が肝胆に停滞して下半身に症状が現れた状態。
    肝の疏泄機能の低下を湿熱による炎症症状が現れます。

    症状

    骨盤内炎症性疾患、おりものが多い・臭いが気になる・色が黄色、陰部掻痒感、乳汁分泌過多など

    治療法

    疏肝清熱利湿そかんせいねつりしつ

    生薬

    竜胆草・山梔子・赤芍・夏枯草・薏苡仁・蒼朮など

    漢方方剤

    竜胆瀉肝湯・四妙散・柴胡清肝湯など

    ツボ

    陰陵泉・三陰交・水道など


    ◆ 脾不統血ひふとうけつ

    脾気の統血とうけつ作用が低下している状態。
    統血とうけつ作用とは、血を脈管内にとどめて漏れ出ないようにする働きのことです。

    症状

    月経周期が早くなる、月経量が多い、不正出血、妊娠時不正出血、切迫流産、習慣性流産、産後悪露が止まらない、乳汁が自然と出るなど

    治療法

    補気摂血ほきせっけつ

    生薬

    人参・白朮・黄耆・炙甘草・党参など

    漢方方剤

    補中益気湯・帰脾湯・独参湯など

    ツボ

    足三里・脾兪など


    ◆ 脾虚湿盛ひきょしつせい

    胃腸の働きが弱く、身体に水分や老廃物が溜まっている状態。
    脾の運化水湿作用が特に低下した場合にあわられます。

    症状

    無月経、おりものが多い、月経に伴うむくみ・下痢・嘔吐、妊娠つわり・むくみ、不妊など

    治療法

    健脾利水けんぴりすい

    生薬

    人参・白朮・蒼朮・茯苓・縮砂・木香など

    漢方方剤

    参苓白朮散・啓脾湯・完帯湯・白朮散など

    ツボ

    足三里・陰陵泉・脾兪など


    ◆ 脾気虚ひききょ血虚けっきょ

    胃腸の働きが弱く、血を生み出せない状態。
    脾気が不足し、運化機能が低下している状態です。

    症状

    無月経、月経周期が長くなる、月経量が少ない、月経終わりの腹痛、切迫流産、妊娠時貧血、胎児発育不全、乳汁分泌不全など

    治療法

    補気健脾ほきけんぴ養血ようけつ

    生薬

    人参・黄耆・白朮・当帰・芍薬・熟地黄など

    漢方方剤

    十全大補湯・人参養栄湯・八珍湯など

    ツボ

    足三里・三陰交・脾兪・肝兪など


    ◆ 胃気上逆いきじょうぎゃく

    胃の和降作用の働きがうまくいかなくなった状態。
    全身の気(エネルギー)には流れるべき方向があり、胃の気は下降すべきですが、失調して上昇していています。

    症状

    月経に伴う嘔吐・妊娠悪阻など

    治療法

    調気和中降逆ちょうきわちゅうこうぎゃく

    生薬

    厚朴・半夏・沈香・柿蔕など

    漢方方剤

    香砂六君子湯・半夏厚朴湯・橘皮竹筎湯・小半夏湯など

    ツボ

    内庭・足三里など


    ◆ 血瘀けつお

    血の巡りが滞っている状態。
    月経期の不摂生、ストレス、冷え、疲労など様々な要因があります。

    症状

    月経痛、月経血の色が暗く・血塊がまじる、無月経、不正出血、子宮外妊娠、産後腹痛、産後悪露が止まらない、不妊、子宮筋腫、子宮内膜症など

    治療法

    活血化瘀かっけつかお

    生薬

    当帰・丹参・紅花・桃仁・延胡索・莪朮など

    漢方方剤

    桂枝茯苓丸・血府逐瘀湯・桃紅四物湯など

    ツボ

    血海・三陰交など


    ◆ 血熱けつねつ

    血に熱がこもり巡りが悪くなった状態。
    外的環境、ストレスなどの要因でおこります。

    症状

    月経周期が早くなる、月経量が多い、不正出血、月経に伴う鼻血・頭痛、切迫流産など

    治療法

    清熱涼血せいねつりょうけつ

    生薬

    生地黄・牡丹皮・赤芍など

    漢方方剤

    温清飲・犀角地黄湯など

    ツボ

    中極・水道・腎兪・三陰交など


    ◆ 血寒けっかん

    血が冷えて凝集して巡りが悪くなった状態。
    寒い環境や冷たい飲食物などによって起こります。

    症状

    月経周期が遅くなる、月経量が少ない、月経痛、無月経、不妊、胎児発育不全、産後腹痛など

    治療法

    温経散寒おんけいさんかん

    生薬

    肉桂・附子・艾葉・呉茱萸・乾姜・小茴香など

    漢方方剤

    当帰四逆加呉茱萸生姜湯・温経湯など

    ツボ

    血海・三陰交(ともにお灸)など

    これらの治療方法は、弁証論治をもとに単独で用いたり相互に配合して用いたりしながら、個々の病状に対処していくことになります。
    誠心堂では、中医師(中国で中医学を専門とする医師)、国際中医専門員が多数在籍しており、国内でもトップクラスの中医治療をうけることが出来ます。

    中医婦人科の養生

    月経期の養生

    月経期の養生

    月経期間中は出血しているため邪気(外的環境の悪影響や感染症)の侵入をゆるしやすく、この期間の養生を大事にしましょう。
    1)清潔に保つ
    外陰部を清潔にします。月経量が多くなくてもナプキンはこまめに変えましょう。月経中は、寒い場所での入浴や水泳、性交渉を避けます。
    2)無理はしない
    月経中は体力が低下しています。激しく動くと気を消耗するため、肉体労働や激しい運動は控えましょう。
    3)外邪を防ぐ
    月経中は抵抗力が低下しています。特に寒邪により血行不良になりやすく、月経不順や月経痛が起こりやすくなります。月経中は保温し、雨に濡れる・冷水を使う・低温浴をするのはやめましょう。
    4)バランスの良い食事
    辛味、熱性、香りの強い食材を食べ過ぎると月経中に体液を消耗して血熱の体質になります。また寒涼性の食材や生ものを食べ過ぎると血寒の体質になります。
    5)穏やかに過ごす
    過敏な時期のため緊張感、イライラ、恐怖などを感じることは避け、リラックスして過ごすようにしましょう。


    妊娠期の養生

    妊娠期の養生

    妊娠中は体に独特の変化が現れるため、特に生活に気を付けて過ごしましょう。
    1)適度な運動と休息
    気血の巡りをよくするために大切です。十分な睡眠をとらなければなりませんが、安静にしすぎると気が滞り出産の際に負担がかかります。規則正しい生活を心掛け、過度の労働・重いものをもつ・高いところに登る・危険なことなどは避けましょう。
    2)適度な食事
    あっさりとした味で消化しやすく栄養豊富なものが適しています。少食・過食は脾胃を傷つけるため注意しましょう。妊娠7か月からはむくみや羊水過多症を予防するために塩辛い味は控えましょう。
    3)胎教を意識する
    生活や思想、言動に注意しましょう。いい悪いを比較することは気の損傷につながります。損得を争うと神(精神活動)が疲れます。嫉妬すると血が充足せず、みだらな感情は精が充足しないとされています。
    4)性交渉を控える
    妊娠3か月以内、および妊娠7ヶ月以後は流産、早産、感染症などを予防するため控えてください。
    5)定期検査
    定期的に産院で検査を受けましょう。


    産褥期の養生

    産褥期の養生

    産後6~8週間は妊娠前に状態に体を回復させるための期間として産褥期と言います。産後は、出産時の発汗や出血、体力を消耗するため、抵抗力が最も低下している時期です。
    1)日常生活を慎む
    充分な休息と睡眠をとりましょう。早くから仕事を始めたり疲れすぎたりするのはよくありません。産婦が過ごす部屋は保温や換気に注意して、衣服を調節して過ごしましょう。食事は栄養価が高く消化しやすいものを選び、生もの・冷たいもの・脂っこいもの・甘いもの・辛いものを避けて胃腸の負担を防ぎましょう。この時期の性交渉はやめましょう。
    2)清潔に保つ
    悪露が続く間、外陰部を清潔に保ちましょう。産後は汗をかきやすくなるため、こまめに濡れタオルでふき取り、下着を交換して、寝具は日光消毒しましょう。


    授乳中の養生

    授乳中の養生

    母乳には消化しやすい各栄養素が豊富であり、病気に対する免疫も含まれており、赤ちゃんにとって大切な栄養源です。
    1)乳房を清潔に保つ
    授乳前など乳首などをお湯で洗うとよいでしょう。乳腺症を防ぐため乳汁が詰まらないように必要に応じて搾乳機を使います。乳頭に傷が生じた場合は適宜治療します。
    2)哺乳期間
    乳汁分泌のため精神状態をリラックスし、適度な運動と休息をとりましょう。また避妊措置をとり、次の妊娠まで期間をあけましょう。


    更年期の養生

    更年期の養生

    閉経前5年間と閉経後5年間の合わせて10年間の時期を更年期と言います。この時期は腎気が次第に衰えてくる時期です。めまい、耳鳴り、動悸、不眠、イライラ、怒りっぽい、ホットフラッシュ、発汗などといった不調が起こりやすくなります。症状の程度は人によって異なります。感情の緊張を取り除き、精神状態をリラックスして日常生活を送りましょう。胃腸から「後天の精」という生命エネルギーを補うことができるため、食事を節制して胃腸の負担を減らしましょう。
    更年期には月経の乱れがみられるとともに、婦人科癌などの疾患の好発年齢でもあるため、定期的に婦人科検査にいきましょう。特に不正出血がみられる場合には早期に受診しましょう。