中医学について

中医学は、中国で育まれた深い知恵と実績のある伝統医学

中医学の歴史

中医学とは2,000年以上の歴史を持つ中国伝統医学のことです。

中医学とは2,000年以上の歴史を持つ中国伝統医学のことです。

日本で一般的に馴染みがある「東洋医学」という言葉は、東洋起源の伝統医学のことを指し、中国医学(中国)、漢方医学(日本)、韓医学(朝鮮半島)など東アジアの伝統医学をすべて示します。これらの医学はいずれも起源は中国です。中国から伝わった後、その土地の風土や気候に合わせて独自に発展を遂げていったのです。
それでは基となった中国医学はどのような医学なのでしょうか。それは、有史以前より当時の為政者(皇帝)により守られ、時代の医学者たちによって深められながら、長い年月をかけ体系が整えられた歴史ある医学です。
現存する中国最古の医学書である『黄帝内経(こうていだいけい)』は、2,000年以上前の前漢の時代に書かれたものです。黄帝内経には、基礎理論から技術・実践までがまとめられ、未病や陰陽五行説、腎の考え方など、現代の中医学でも黄帝内経でまとめられた考え方が活用されています。
現存する中国最古の生薬の専門書としては『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』が有名です。それまでの生薬の経験を集大成したものであり、薬物365種類が掲載され、上品・中品・下品に分けられているほか、現代につながる基本理論が定められており、中薬学の基礎を築いたものとなっています。さらに、約2,000年前の後漢の時代に『傷寒雑病論(傷寒論・金匱要略)』がまとめられ、生薬を組み合わせた漢方薬(方剤)の基礎が成立しました。
これら3つの書が中国医学と中薬学と漢方薬(方剤)の原典とされており、現代まで研鑽され、体系が整えられ、現代の「中医学」に繋がっています。

中医学の大きな3つの特徴

  • 中医学の大きな3つの特徴

    人の内側のバランスと、更にその人を包む自然や環境全体のバランスを診る
    整体観
    「バランス医学」

  • 中医学の大きな3つの特徴

    現れた症状と原因を調べ、
    体質に合った適切な治療をする
    弁証論治
    「オーダーメイド医学」

  • 中医学の大きな3つの特徴

    体質にあった養生法によって病を未然に防ぐ
    未病先防
    「予防医学」

  • 中医学では、人体の内部ではさまざまな要素が関連しあっており、更に人は自然界や環境とも相互に関連しあっているという「整体観」を思想の礎として、オーダーメイド医学と言える「弁証論治」の考えと、現代の予防医学にあたる「未病先防」の考えが根幹にあります。
    「弁証論治」とは、観察や確認により身体や心についてのさまざまな情報を入手して分析し、論理的に体質を明らかにして、それに合わせた治療方法を選択するという考え方です。
    また、「未病先防」とは、未だ病気までに至らない、さまざまな不調や症状が見られる未病の状態を的確に把握し、本格的な病になる前に対策をとることを言います。
    「整体観」、「弁証論治」、そして「未病先防」は、まさに一人ひとりを全体的に診る医学であり、現代で言われる「ホリスティック医療」の原点がここにあります。

    中医学の活用

    中医学の理論に基づいた分野には、漢方以外にも、鍼灸、推拿(すいな)、気功、薬膳があります。中国では、漢方薬の診療は中医師という中国国家資格を有する医師が行うのです。日本では中医学の資格は認められておらず、中国政府が認定している「国際中医専門員」という中医師と同等の知識を有する認定資格があります。また、現代中国の中医学は西洋医学の影響を受け、中医内科、中医外科、中医婦人科、中医小児科などに細かく分類され、専門が分かれていることが特徴です。
    さらに、中国には西洋医の資格もあり、西洋医学の学部を卒業したのち中医学の研修を受け、西洋医学と中医学に精通した医師が増えており、西洋医学と中医学のそれぞれのメリットを融合させた「中西結合医療」が一般的になってきています。

    漢方のはなし 鍼灸のはなし

    中医学の基本概念

    人体を構成する必須要素「気・血・津液」

    中医学の基本概念

    中医学の基本概念

    人体を構成する必須要素「気・血・津液」

    生命活動を維持するために必要な基本の3つの要素が「気」「血(けつ)」「津液(しんえき)」であり、これらが十分に満たされていて、体内をスムーズに巡ることで体のバランスが保たれています。
    「気」は生命活動のエネルギー源であり、臓腑や組織の新陳代謝にかかわっています。「血」は臓腑や組織の栄養であり、全身を巡ることで、栄養を供給。「津液」は、体内に含まれる血以外の水分のことで、臓腑や組織を潤し滋養しています。これら3つの要素はお互いに協調し合って生命活動を維持していますので、どれか1つのバランスが乱れると複合的に全体のバランスが崩れることも。
    これら3つの要素が不足する、もしくは巡りが悪くなることで症状が起こります。不足する場合を「虚(きょ)」といい、それぞれ「気虚(ききょ)」「血虚(けっきょ)」「津液不足(しんえきぶそく)」と判断します。一方、巡りが悪くなる場合「実(じつ)」といい、それぞれ「気滞(きたい)」「瘀血(おけつ)」「痰湿(たんしつ)」と判断します。3つの要素が不足することと巡りが悪くなることは同時に起こる可能性もあります。実際に、体質は複合的に現れることが多いため、気になる方は専門家へのご相談をおすすめします。

    人体の内臓器官「五臓六腑」

    中医学の基本概念

    人体の内臓器官「五臓六腑」

    中医学で考える内臓を「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」といい、「五臓」は「肝」「心」「脾(ひ)」「肺」「腎」、「六腑」は「小腸」「大腸」「胃」「胆」「膀胱」「三焦(さんしょう)」です。西洋医学の臓器名と似ていますが、もっと広い意味を示し、単なる臓器の名前ではなく、臓器の働きによって生じるさまざまな現象も含んでいます。五臓は気・血・津液をつくって貯蔵し、六腑は飲食物から栄養を取りだします。五臓と六腑は密接に関連し、バランスを取り合っているのです。

    *肝:血を貯蔵し、全身へのバランスを決定する。全身の気の動きを調整する。
    *心:全身に血を送る。意識や精神を司る。
    *脾:消化・吸収をする。栄養分と水分を全身に送る。
    *肺:呼吸をする。全身の水分の巡りを調整する。
    *腎:精(気や臓腑の力の源)を貯蔵し、必要に応じて配分する。水分代謝を調節する。

    現代の病に中医学という光

    世界トップクラスの長寿国でありながら、平均寿命と健康寿命に10年近くの差が生じており、がんをはじめ成人病、寝たきりや慢性疾患、病や不調が蔓延しているのが現代の日本社会です。近年これではいけないと国をあげて「セルフメディケーション」が声高らかに謳われるようになりました。
    セルフメディケーションとは、病にならないように自分で自分の身体を管理すること。
    これからの時代は、意識して自分で健康管理をすることが必要となってきます。
    では、そのために必要なことはなんでしょうか。
    自分で自分の健康を守るには?まさしく、それが現代社会で中医学が注目されている所以です。
    中医学の素晴らしさは「人を診て病を診る」ところにあり、病気の人の身体と心の状態を診てそれに治療を合わせていくというオーダーメイド治療が神髄です。人は、一人ひとり性格が違うように、体質が異なります。同じ病名でも体質が違うため、当然漢方薬も違うものとなります。
    中医学は、これからの時代にますます必要とされる医療となるでしょう。そして、それは中医学のみならず、中医学と西洋医学の両輪こそが新しい時代の健康社会を創る礎となるはずです。誠心堂グループは未来の健康社会のために、東洋医学と西洋医学に希望の橋を架けてゆきます。

    最新の中西結合医療

    中西結合医療とは

    中国ではすでに中西結合医療が一般的になっており、お互いの得意分野を生かした最新の治療が行われています。不妊治療においても、高度生殖医療と漢方薬や鍼灸を併用した治療が活用されています。2008年には中西医結合医学に従事する医学関係者は48,000人に達し、中西医結合の病院は47カ所にまで発展してきました。日本でも最先端医療(高度生殖医療やがん治療など)において、この試みが広がってきています。

    真のホリスティック医学に向かって

    健康な状態で長生きしたいという想いは、私たち人間にとって共通の願いでしょう。それは昔も今も、この先も変わることがありません。中医学は「扶正祛邪(ふせいきょじゃ)※」の治療原則をもとに運用されている優れた医学ですが、すべての病気がこの医学で解決できるわけではありません。
    現代(西洋)医学は組織や細胞、遺伝子のレベルにまでかかわっており、病気の多くは現代医学の発展によって克服してきたとも言えます。ただ、現在蔓延する生活習慣病や加齢に伴う疾患は現代医学が得意な分野とは言えません。中医学では老化を病気として捉え2,000年以上前から今もなお漢方薬や鍼灸で臨床経験を重ねています。
    中医学と西洋医学のどちらか一方だけでなく、この両輪が互いに補い合い相乗効果を生み出しながら、 一人ひとりに最適な医療を提供していく。そんな未来の医療の在り方が今、注目されているのです。

    ※扶正祛邪:抵抗力を高め、病気の原因となる邪を取り去るという考え方

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