多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは?

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

PCOSとは多嚢胞性卵巣症候群のことをいいますが、症候群=syndrome(S)を抜かしてPCO、あるいは多嚢胞性卵巣と呼ばれることもあります。厳密にはPCOSはPCOよりも生理の異常(無月経、無排卵周期症、稀発月経)や多毛、肥満、不妊などの症状をともなうため、より重症とされています。女性の排卵障害で多く見られる病気で、卵胞の発育に時間がかかり、なかなか排卵しないのが特徴です。

原因と治療

血液中の男性ホルモン値が高かったり、女性ホルモンである黄体化ホルモン(LH)が過剰分泌されているためと考えられています。卵巣内に1cm未満の小さい卵胞が10個以上見られ、超音波検査ではこれが真珠のネックレスのようにみえるので、ネックレスサインと呼ぶこともあります。また、コラーゲン線維の沈着によって白膜(卵巣を覆う皮)が厚くなり硬くなっています。

 

治療は妊娠を希望するか否かで異なります。妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤、ステロイド、糖代謝改善薬、抗プロラクチン薬などの内服のほか、外科的手術が行われることがあります。妊娠を希望しない場合は、ホルモン療法で生理周期を整えます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

中医学で考える多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣では、複数の卵胞がたくさんできるわりに、1個1個が十分な成長ができず、排卵まで至ることができません。中医学では、生殖を司る臓腑は“腎(じん)”であり、卵胞の質や排卵と深い関わりがあるとされています。そのため、体質虚弱などで腎の機能が低下すると、卵胞の成長が悪く、排卵を促す力が弱くなり生理周期が乱れる原因となるのです。また、卵巣の周りに血(けつ)の滞りである“瘀血(おけつ)”や、ネバネバした老廃物である“痰湿(たんしつ)”がこびりつき、卵巣の膜が硬くなるため排卵しにくくなります。

 

中医学タイプ別治療法

① 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ
女性ホルモンの働きが低下して卵巣に栄養が行き届かず、排卵が滞る。
随伴症状:生理周期が不安定、無月経、生理の量が少ない、足腰のだるさ、倦怠感など。
身体に必要な血(けつ)や人体のエネルギー源である精(せい)を消耗しているため、心身を栄養することができなくなります。

 

漢方

杞菊地黄丸、二至丸合六味丸など

ツボ

太谿、三陰交など

食材

黒ごま、黒きくらげ、アスパラガス、山芋、卵、人参、ほうれん草など

 

 

② 気滞血瘀(きたいけつお)タイプ
ストレスなどの精神刺激により、気の巡りが停滞して排卵が滞る。
随伴症状:生理周期が不安定、生理に塊がある、お腹や胸の張り、イライラ、憂うつ感など。
気は血を押し流す働きをしており、ストレスなどにより気の流れがスムーズでなくなると、血までも滞るようになります。

 

漢方

血府逐瘀湯、加味逍遙散など

ツボ

太衝、三陰交など

食材

ミント、ジャスミン、春菊、三つ葉、みかんの皮、バラの花、玉ねぎなど

 

 

③ 痰湿阻滞(たんしつそたい)タイプ
余分な水分が体内に停滞することで、気血の流れが悪くなり排卵が滞る。
随伴症状:おりものが多い、身体が重だるい、頭重、むくみ、めまい、食欲不振など。
胃腸の働きが悪く水分代謝の働きが低下するため、食べたものが栄養物質にならずネバネバとした老廃物となり停滞します。

 

漢方

温胆湯、六君子湯など

ツボ

豊隆、陰陵泉など

食材

緑豆などの豆類、冬瓜、とうもろこし、ハトムギなど

 

 

鍼灸治療

鍼灸治療では、卵巣周辺の血流をよくするため、腰や背中、お腹に鍼とお灸をします。特に背中と腰にあるツボは、副交感神経を刺激して骨盤内に栄養と酸素を集めることができます。お腹に鍼灸をすることで胃腸の調子を整えて水分代謝を助け、老廃物がたまるのを防ぎます。妊娠を希望する方には、妊活鍼灸 誠心堂式三焦調整法(さんしょうちょうせいほう)を使い妊娠しやすい身体作りをサポートします。

多嚢胞性卵巣症候群で使う代表的なツボ
関元(かんげん)、血海(けっかい)、三陰交(さんいんこう)、次髎(じりょう)、腎兪(じんゆ)など。

暮らしのアドバイス

・胃腸に負担をかけない食生活を心がけましょう
・脂っこいものや甘いもののとりすぎに気をつけましょう
・肥満気味の方(BMI≧30)は、25以下になるようにしましょう
・ストレスをうまく発散しましょう
・ウォーキングや軽いジョギングをしましょう