店舗お知らせ

鍼灸 船橋
2025/09/23

耳鳴りと鍼灸治療

耳鳴りでお悩みのあなたへ~鍼灸で心と体のバランスを整えましょう~

 

「キーン」「ジー」「ボー」といった音が、周囲には何もないのに聞こえてしまう耳鳴り。

静かな場所で音が気になり、集中できなかったり、夜眠れなかったり、つらい症状で悩んでいる方は多くいらっしゃいます。

耳鳴りは目に見えない症状だからこそ、周囲に理解されにくく、不安やストレスが重なることも少なくありません。

また、耳鳴りそのものがストレスとなり耳鳴りが悪化するという悪循環に陥っている方も少なくなりません。

 

 

 

1.耳鳴りとは

 

耳鳴りとは、実際には音がないのに、本人だけが聞こえる異常な音のことを言います。音の種類や感じ方は人それぞれで、「キーンという高音」や「ザーッとした雑音」「ボーッという低い音」など多様です。耳鳴りは症状の一つであり、病名ではありませんが、日常生活の質に大きな影響を及ぼすことがあります。

 

 

 

2.耳鳴りの原因

 

西洋医学では、耳鳴りは聴覚の異常として扱われ、いくつかの疾患が関係していると考えられています。主な原因疾患には次のようなものがあります。

 

加齢性難聴(老人性難聴)

加齢によって内耳の有毛細胞が減少し、聴力が低下する過程で耳鳴りを伴うことがあります。

 

突発性難聴

突然、片側の耳が聞こえにくくなる病気で、耳鳴りやめまいを同時に感じることが多いです。

 

メニエール病

内耳にあるリンパ液の異常が原因とされ、耳鳴り・難聴・回転性めまいを繰り返す特徴があります。

 

耳管開放症

耳管が開きっぱなしになり、自分の声や呼吸音が大きく響くとともに、耳鳴りが起こることがあります。

 

聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)

聴神経にできる良性腫瘍で、片側性の耳鳴りや難聴を引き起こす場合があります。

 

また、以下のような身体全体の状態も耳鳴りに影響することがあります。

 

高血圧、低血圧:血流の変動により耳周辺の血管に影響が及ぶ

糖尿病:末梢神経や血管障害による聴覚系への影響

ストレス・自律神経失調症:脳内の感覚処理に関わるバランスの乱れ

 

このように耳鳴りの背景には複数の要因があり、原因がはっきりしない「特発性耳鳴り」として扱われることもあります。鍼灸での治療対象となるものとならないものがあります。

 

 

 

3.西洋医学での治療

 

耳鼻科では聴力検査やMRI、血液検査などを用いて原因を特定します。原因疾患が判明した場合はその治療が優先され、並行して耳鳴りへの対処が行われます。

 

主な治療方法は以下のとおりです:

 

薬物療法:血流改善薬(イソソルビドなど)、抗不安薬、ビタミンB12などの投与

音響療法:補聴器やホワイトノイズを用い、耳鳴りを目立たなくする治療法

カウンセリング:不安やストレスに対する心理的サポートやTinnitus Retraining TherapyTRT

 

ただし、これらの治療を行っても耳鳴りの完全な解消に至らないことも多く、補完療法として鍼灸が注目されています。血流改善薬とビタミンB12を処方されている方はよくみます。

 

 

 

4.耳鳴りに対する鍼灸治療

 

中医学では、耳鳴りを「腎(じん)・肝(かん)・脾(ひ)」の機能失調や気血の乱れととらえ、体質を「虚証」と「実証」に分けて治療を行います。

 

・虚証タイプ

疲れやすい、冷えやすい、耳鳴りが断続的に続くタイプ。「ジー」という低い耳鳴が起こりやすい。

原因は「腎虚(じんきょ)」による聴覚の弱りとされ、補腎・補気の治療が行われます。

足三里(あしさんり)、腎兪(じんゆ)、太渓(たいけい)、三陰交(さんいんこう)などのツボを使います。

 

・実証タイプ

ストレス過多、怒りっぽい、頭痛や肩こりを伴う耳鳴り。これは「肝火上炎(かんかじょうえん)」や「痰濁上擾(たんだくじょうじょう)」といった気滞・熱・水毒によるものです。

ストレスの場合は「キーン」という高音の耳鳴りがおこりやすい。

瀉法により気の流れを整えます。

太衝(たいしょう)、風池(ふうち)、百会(ひゃくえ)、合谷(ごうこく)などのツボを使います。

 

鍼灸治療では自律神経を整える効果もあるため耳鳴りの背景にあるストレスの緩和にもつながります。

 

 

 

耳鳴りは「病気」であると同時に「不調のサイン」です。耳鳴りは、からだからの「助けて」という小さなサインかもしれません。

また、耳鳴りは西洋医学でも劇的な効果のある薬はなく、鍼灸でも難しい疾患の一つではありますが、焦らずにしっかりと体を整えていくことで音が小さくなったり音を受け入れられるようになることも多いです。

 

「この音がなければ、もっと眠れるのに」

「誰にもわかってもらえないつらさがある」

そんな想いを、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。

鍼灸 船橋
2025/09/16

めまいと鍼灸治療

突然ふわっと目の前が揺れるような感覚――めまいは、周囲にはなかなか理解されにくいけれど、ご本人にとってはとてもつらく、不安を伴う症状です。

「また起きたらどうしよう…」そんな不安を抱えながら日々を過ごしていませんか?

 

1.めまいとは

 

自分やまわりがぐるぐる回る、ふわふわしている、気が遠くなりそうな感じなどです。

回転性めまい(ぐるぐる目の回る感じ)

浮動性めまい(ふわふわ宙に浮いたような感じ)

平衡障害(不安定な感じ、歩くところびそうな感じ)

などの症状があります。

 

 

 

2.めまいの原因

 

めまいの原因として内耳性めまい(三半規管の障害によるめまい)が多くみられますが、中には脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血ほか)や心臓疾患などによる命にかかわる場合もありますので、めまいが起きたら一度病院を受診しておくことが大切です。

 また薬剤性、高血圧症、脱水症、不整脈、起立性低血圧症、熱中症、低血糖、貧血、頸性めまい、鼻性めまい、心身のストレスなどでもめまいが起こることがあります。

 

病名としてはメニエール病、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、前庭神経炎、めまいをともなう突発性難聴、遅発性内リンパ水腫などの内耳性のめまいのほか、椎骨脳底動脈循環不全、 起立性調節障害、心因性めまいなどもあります。

 

 

 

3.病院での治療

 

生活指導、平衡機能訓練、薬物療法、理学療法、外科的治療などがありますが、鍼灸での治療対象となる疾患や症状にたいしてはお薬の処方や生活指導が行われることが多いと思います。

 

 

 

4.めまいに対しての鍼灸治療はどのようなアプローチをするか。

 

中医学ではめまいは「肝・腎・脾」の虚弱や、「気・血・水」の巡りの悪さが関係すると考えており、それらの体質・臓腑のバランスを整えることで症状を改善し症状の起きにくい体を作っていきます。

 

以下のタイプがよく見られます。

 

・肝陽上亢(かんようじょうこう)タイプ

ストレスや怒り、緊張が引き金となって「肝の気」が上昇し、頭にのぼってはげしいめまいを起こします。

治療は上昇した肝の気を降ろします。

主なツボ:太衝(たいしょう)、百会(ひゃくえ)、肝兪(かんゆ)

 

・腎精不足(じんせいぶそく)タイプ

加齢や慢性的な疲労などで腎の精が消耗し、脳を十分に養えず、ふらつきや記憶力の低下を伴うめまいが出やすくなります。

治療は腎の気を補い元気を整えます。

主なツボ:腎兪(じんゆ)、太渓(たいけい)、命門(めいもん)

 

・脾虚痰濁(ひきょたんだく)タイプ

消化機能の低下で体内に「痰湿(たんしつ)」が溜まり、これが上に昇ることでめまいが生じます。特に浮動感が強く、重だるさを伴うことが多い。

治療は上に昇った痰濁を取り除くとともに消化機能の力を元気にしていく。

主なツボ:中脘(ちゅうかん)、足三里(あしさんり)、豊隆(ほうりゅう)

 

 

 

ふいに訪れるめまい。ぐるぐると世界が回ったり、ふわふわと足元が頼りなかったり。そんな不安定な感覚が続くと日常の何気ない動作さえ怖く感じてしまいますよね。

 

「どこも異常はないと言われたけど、めまいは起こる」

「まためまいがおこるかもしれないという不安」

そんなお悩みを抱えている方は、あなただけではありません。

 

鍼灸では乱れた自律神経や気血の流れを整えてあなた本来のリズムを取り戻すことで不調の波が穏やかになっていくことをサポートします。

めまいは一瞬では治りませんが、きっと落ちつかせていくことができます。

一緒にめまいのない元気な日常を取り戻していきましょう。

鍼灸 船橋
2025/09/10

9月薬膳レシピ 秋の乾燥対策「潤い薬膳バターチキンカレー」と「れんこんのパリパリガレット」

乾燥が気になり始める9月。夏の暑さを引きずった体に、潤いを与えながら秋に向けてやさしく整えていくことが大切です。

秋に関係する五臓六腑の「肺」は乾燥に弱く、潤い不足により空咳や肌の乾燥、便秘になることも。今月は、辛さを抑えたやさしい薬膳カレーなど、日々の食卓に取り入れやすい「潤いレシピ」をご紹介します。

 

 

 

 

潤い薬膳バターチキンカレー

ココナッツミルク、山芋、アーモンドで、体の中から潤いをチャージ

材料(つくりやすい分量)

鶏もも肉 … 350g(1口大に切り、塩ひとつまみをふっておく) 玉ねぎ1個(約240g・みじん切り) 山芋(または長芋)70g(皮をむき、ポリ袋に入れて叩いて潰す) にんにく … 1かけ(すりおろし) 生姜 … 1/2かけ(すりおろし) カットトマト缶 … 1缶(400ml) ココナッツミルク … 400ml … 100ml オリーブオイル大さじ1 バター … 10g

調味料

カレー粉小さじ2 アーモンドプードル大さじ2 きび砂糖大さじ1.5(お好みで調整) A:味噌(米味噌など)大さじ1 A:塩小さじ1.52(味を見ながら調整)

【お好みで】パプリカパウダー・コリアンダーパウダー(香りづけに少々)、黒コショウ・シナモン(各少々)

作り方

鍋にオリーブオイルを熱し、鶏肉を皮目から中火で焼く。半分ほど色が変わったらひっくり返し、さらに2分焼いて取り出す。 同じ鍋に玉ねぎと水大さじ3(分量外)を入れ、フタをして中火で約4分蒸し焼き。フタを外してさらに5分炒めて甘みを引き出す。 ににんにく・生姜を加えて炒め、香りが立ったらの鶏肉を戻す。 に潰した山芋・トマト缶・水を加え、混ぜながら弱火で5分煮る。 Aを加えてさらに5分煮る。(お好みでパプリカやコリアンダーを加えると香りと甘みがやさしく広がります) にココナッツミルクを加え、弱火で10分ほど煮込む。最後にバターを加えて全体をなじませ、味を調える。仕上げに黒コショウやシナモンを少々ふってもよい。

 

 

 

 

 

れんこんのパリパリガレット

肺を潤すれんこんと、白ごまとチーズで乾燥対策!

材料(2人分)

れんこん … 180g(薄切り) 粉チーズ(パルメザン)大さじ2 片栗粉大さじ2 白すりごま小さじ2ひとつまみ 黒コショウ少々(粗挽きがおすすめ) オリーブオイル大さじ1

【お好みで】粉チーズ・すりごま・黒コショウ

作り方

ビニール袋にれんこん、粉チーズ、片栗粉、すりごま、塩、黒コショウを入れてシャカシャカ混ぜる。 フライパンにオリーブオイルを熱し、の半量を重ねるように広げて中火で焼く。 カリっと焼き色がついたらひっくり返し、フタをせず23分焼く。 両面焼き上がったら取り出し、もう1枚も同様に焼く。お好みで追加のチーズ・すりごま・黒コショウをふる。

 

 

 

 

カラダを潤す食材

温性あんず / ふきのとう / / 松の実
平性山芋 / 黒キクラゲ / 白キクラゲ / 春菊 / れんこん(加熱) / アーモンド / ぎんなん / 落花生 / 牛乳 / りんご / 白ゴマ
涼性いちじく / ゆりね / / びわ / 大根 / チンゲンサイ / 冬瓜 / ココナッツウォーター / ココナッツミルク / ヨーグルト / チーズ / 抹茶
微寒性クレソン
寒性ズッキーニ / れんこん() / / かに / はまぐり / きゅうり / 桑の実

食薬には「五気」というカラダを温めたり、冷やしたりするものがあります。
温める熱性 > 温性 > 平性 > 涼性 > 寒性冷やす

 

 

 

 

薬膳と聞くと特別な材料が必要だと思われがちですが、今回のレシピはスーパーで手に入る食材ばかりです。大切なのは「旬の食材を取り入れること」と「体に必要な作用を知ること」。

秋は乾燥しやすいので、れんこん、梨、白ごま、豆乳など潤いを与える食材を意識するといいですね。

潤い薬膳カレーはメイン料理に、れんこんガレットは副菜やおつまみに。普段の食卓に無理なく加えるだけで、体の調子を整える手助けになります。

美味しく食べて健康になりましょう!

鍼灸 船橋
2025/09/09

過敏性腸症候群と鍼灸

便秘と下痢を繰り返す症状は過敏性腸症候群と呼ばれています。

 

1.過敏性腸症候群(IBS)とは

特に消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛と便秘、または下痢を慢性的に繰り返す病気です。腸管の運動が異常に亢進し、刺激への反応が過敏になることで引き起こされると考えられています。

 

病院でしっかりと検査をして器質的な問題が無い事を確認することは大切です。

 

 

 

2.原因は?

 ストレス、不安、抑うつ、恐怖などの心理的要因や自律神経の失調によりおこるとされています。

 

 

3.症状は?

・急な便意

・激しい下痢

・一日に何度もトイレに行く

・水様便・粘液性の便・腹痛

・腹部膨満感

・便秘

・便秘と下痢を繰り返す

・ガスが多い

・ストレスにより症状が出る

 などの便の不調と変化が起こることが特徴です。

 

 

 

4.病院での治療は?

 生活習慣の改善が大切で、食事療法や薬物療法を中心とし、必要に応じて心理療法などを行います。

お薬は整腸剤(プロバイオティクス)、お腹の痛みを抑える薬、下痢止め薬などのほか、抗不安薬、自律神経調整薬、漢方薬が処方されることがあります。

 

 

 

5.鍼灸ができる事

過敏性腸症候群に対して鍼灸がどのようにアプローチするかを虚証タイプと実証タイプの二つの面からご説明します。

  

①虚証タイプへの鍼灸アプローチ

 

【虚証タイプの症状の特徴】

・体力がなく、冷え性

・食後に腹が張る、軟便または便秘

・疲れやすい、顔色が悪い

・精神的に不安定、眠りが浅い

疲れや疲労で悪化しやすい特徴があります。

 

【鍼灸の治療方針】

補法(元気を補う施術)を中心に行う。

脾兪(ひゆ)・胃兪(いゆ)・中脘(ちゅうかん)・関元(かんげん)・足三里(あしさんり)・内関(ないかん)天枢(てんすう)などの経穴で脾胃の機能を高め気血を作り出し大腸の機能を調節する。

日々の疲れや冷えで弱った腸を優しく補強し便通の安定を図ります。

 

 

②実証タイプへの鍼灸アプローチ

 

【実証タイプの症状の特徴】

・急な腹痛や下痢を繰り返す

・ストレスや怒りで症状が悪化

・お腹が張って苦しい、げっぷ・おならが多い

・イライラや焦燥感、不眠

強い症状や変化が大きい、張り感などの特徴があります。

 

【鍼灸の治療方針】

瀉法(過剰なエネルギーを抑える施術)を中心に行う。

合谷(ごうこく)、天枢(てんすう)、太衝(たいしょう)などで気の滞りを解消し、陰陵泉(いんりょうせん)で湿を除いて腸の異常な動きを落ち着かせ、肝兪(かんゆ)、太衝などを使い、ストレスからくる腸の過剰反応を抑制していきます。

強いストレスなどで腸の働きが過剰になった腸の暴走を鎮めて本来の働きを取り戻していきます。

 

 

 

鍼灸では、その人の証(体質や状態)を見極めて個別に治療を組み立てることができます。

薬だけでは難しい心と身体が複雑に絡み合った症状に対しては鍼灸のような全体調整の治療法が向いているのです。

 

お腹の不調に振り回される毎日はつらいと思います。

目に見えにくいからこそ、わかってもらえない苦しさもあると思います。

鍼灸は、自律神経や腸の働きを整えることで、少しずつ心と体を軽くしていくお手伝いができます。

鍼灸 船橋
2025/09/02

自律神経失調症と鍼灸治療

現代はストレス社会。

多かれ少なかれ自律神経の乱れからくる症状に悩まれている方は多いように思います。

 

 

①自律神経失調症は気のせい?

自律神経の乱れにより様々な症状が起こります。それは決して気のせいではありません

 

・慢性的な疲労

・動悸

・不眠

・微熱

・便秘と下痢、またそれを繰り返す

・ほてり

・肩こり

・発汗

・月経不順

PMS

・めまい

・耳鳴り

・頭痛

・不安感

・イライラ

・落ち込み

・抑うつ

・気力低下

このように様々な症状が起こりますが、逆に言えばどんな症状が起きてもおかしくはないのです。

 

めまいや肩こり、頭痛、手足のしびれ、動悸や不眠などの不調があるにもかかわらず、病院の検査では異常が見つからない――そんなとき疑われるのが「自律神経失調症」です。

これは決して“気のせい”ではなく、ストレスなど目に見えない原因によって自律神経のバランスが崩れて起こるれっきとした病気です。周囲の理解が得られにくいことも症状を悪化させる要因となるため、正しい理解とケアが大切です。

 

 

 

②自律神経失調はなぜおこるの?

 自律神経は、体の状態を自動的に調整し、最適に保つ働きをしています。

交感神経と副交感神経のバランスにより、体温調節や心拍、消化、排尿など多くの機能をコントロールしています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れが続くとこのバランスが崩れ、「自律神経失調症」と呼ばれる不調が現れます。

症状は人によって異なり、頭痛や動悸、胃腸の不調、冷えやほてりなどさまざまです。原因は目に見えにくく、検査では異常が見つからないことも多いため、理解されにくい病気ですが、誰もが抱えるストレス社会では特に注意が必要です。

 

 

 

③自律神経失調症は治る病気です

自律神経失調症はストレスや生活習慣の乱れに対して体が発するサインなので体の異常ではなく正常な反応ともいえます。だからこそ検査では原因が見つからないことも多いとも言えます。

症状は長引くことがありますが、ストレスを上手にコントロールし、生活を整えることで改善が可能です。

 

「焦らないこと」これが大切です。

 

 

 

④自律神経失調症に対して鍼灸ができる事

 自律神経失調症に対する鍼灸治療は、中医学の診断である「虚証(きょしょう)」と「実証(じっしょう)」の見立てをもとに、それぞれ異なるアプローチを行います。症状の現れ方や体質に応じて、的確な対応をすることができるのが鍼灸の強みです。

 

① 虚証タイプへのアプローチ

── 体のエネルギーが不足しているタイプ── 

 

虚証とは、「気(エネルギー)・血(栄養))」などが足りない状態で、体力が乏しく、回復力も弱い傾向にあります。自律神経をしっかりと働かせることが出来ないタイプです。

 

・倦怠感が強い

・疲れやすく寝ても回復しない

・ふわふわしためまいや動悸、不安感

・食欲不振や胃腸虚弱

・手足の冷え

・低血圧

 

などの症状が起こりやすく、このような方には、補う(補気・補血・補腎など)方向の治療を行います。

例えば「気海」「関元」「足三里」などのツボを使って体力や気血の回復をはかり、自律神経が安定しやすい土台を整えるアプローチをします。

 

 

② 実証タイプへのアプローチ

── 気や血が滞って過剰になっているタイプ── 

 

実証とは、エネルギーは十分にあるが、その流れが滞っていたり、一部に偏って過剰になっている状態です。自律神経失調症で実証の方は、次のような傾向があります:

 

・イライラしやすい

・頭痛や肩こりが強い

・のぼせや顔のほてり

・悪夢など嫌な夢をよくみる

・胃の痞えや張り感

 

このようなケースでは、「瀉(しゃ)」す治療、つまり滞りを解消し、過剰なものを抜いてバランスをとる方向の治療を行います。「太衝」「内関」「百会」などのツボを使って気血の巡りをよくし、緊張を和らげるアプローチをします。

 

その人に合った調整ができるのが鍼灸

自律神経失調症は、「疲れて動けないタイプ(虚証)」もいれば、「過剰な緊張やストレスにより不調が出るタイプ(実証)」もいます。鍼灸は、このような個々の体質を見極めたうえで、足りないものは補い、滞っているものは流すという柔軟な治療が可能です。

 

その結果、自律神経のバランスを自然なかたちで整え、症状の緩和だけでなく、再発しにくい身体づくりにもつながっていきます。

 

院長より

実際自律神経の乱れから様々な症状で来院される方に対しては鍼灸で自律神経の調整を行うとともに、生活の乱れやストレスに感じていることなど自律神経が乱れる原因についても少しずつお話させていただいています。

原因が取り除かれなければ結局繰り返してしまうため、根本的な解決が難しくても気持ちの切り替えや考え方、ストレスの発散方法などいろいろと一緒に考えていけたらと思います。誰かに話をするだけでも気持ちは楽になりますよ。