店舗お知らせ

鍼灸 船橋
2025/10/21

PMSと鍼灸について

PMSとは

 

「生理前になると気分が不安定になる」

「むくみや頭痛がひどい」

「眠りが浅くて疲れが取れない」

 

こうしたお悩みは、月経前症候群(PMS)と呼ばれるものです。日本でも成人女性の78割が何らかの症状を感じているといわれています。

 

月経痛は皆さんご自身の状況を理解していますが、PMSは排卵期以降ずっと調子が悪い方から来経直前に不調が出る方など様々。

ずっとメンタルや首肩コリなど体調が良くないと来院されて月経周期と確認しながら不調の様子を伺うと

「私の症状はPMSだったのか」

「性格のせいだと思っていた」

と初めて気が付く方も実は多くてメンタルの不調で来院されて月経周期の治療をするかたもわりと多いんですよ。

 

PMSは決して“気持ちの問題”ではなく、体内のホルモンと神経の変化によって起こる自然な現象だということを、まず安心して知っていただきたいと思います。

 

知ることで心のもやもやが一つ晴れて対処法が明確になってきます。

 

 

 

 

②西洋医学のPMS治療

 

西洋医学の治療は、主に症状を軽減させることを目的に行われます。

 

ホルモン療法:低用量ピルや排卵抑制剤を用いてホルモン変動を安定させる。

 

薬物療法:抑うつが強ければ抗うつ薬(SSRIなど)、不安には抗不安薬、痛みには鎮痛薬や漢方薬が処方されることもあります。

 

生活指導:運動や食事の改善、カフェイン・アルコール制限、睡眠衛生の指導。

 

こうした治療はエビデンスがあり効果も期待できますが、副作用や長期的な服薬に抵抗を感じる方もいます。また「根本的に体調そのものを整えたい」「薬に頼らず自然に過ごしたい」という方には、鍼灸がそのお手伝いができます。

 

 

 

 

③鍼灸でできるPMS治療

 

中医学では、PMSは「肝・脾・腎」のバランスの乱れを整えるケースが多いです。

 

【肝の失調】

肝は「気血の巡り」と「情志(感情)」をつかさどります。ホルモン変動により肝気が滞ると、イライラ・怒りっぽさ・頭痛・肩こりが出やすくなります。

 

【脾の弱り】

脾は「気血を生み出す」臓腑です。胃腸の働きですね。脾が弱ると元気不足となり、倦怠感や食欲不振、むくみなどが生じます。

 

【腎の不足】

腎は「生命力や性腺軸」のコントロールをしています。腎の元気が不足するとホルモンや自律神経のバランスが乱れやすく、月経周期全体に影響します。

 

 

鍼灸治療では、

「太衝(たいしょう)」気の巡りを整える

「三陰交(さんいんこう)」血流を整える

「関元(かんげん)」ホルモンバランスを整える

「足三里(あしさんり)」元気を作りだす

 

などを中心に、気血の巡りを整え、緊張をゆるめ、自律神経を安定させていきます。これによりホルモン変動に振り回されにくい身体を作っていきます。

 

 

実際に爽快館に通われた方の中には、「生理前の頭痛や腰の重さが楽になった」「イライラが無くなり家族にあたらなくなった」「むくみや冷えが改善して体調そのものが整った」という声もいただいています。

 

特にイライラして家族にあたってしまうケースはあたってしまった自分自身を責めるなど悪循環に落ちっている方を多く見ます。

あなたのせいではありません。

全部ホルモンのせいです!!

 

 

鍼灸の大きな特徴は、“その人の体質に合わせて全身を調整できる”という点です。薬のように症状を抑えるだけでなく、体の根本にある巡りを整えていくため、PMS以外の冷えや疲労、不眠なども同時に改善しやすいのです。

 

 

 

 

④まとめ

 

PMSは毎月訪れるため、「仕方がない」と我慢してしまう方が多いですが、その影響は日常生活や人間関係にまで及びます。けれども、ホルモン変動や自律神経の乱れが背景にあると理解できれば、自分を責める必要が無くなり対処法が明確になります。

 

西洋医学的な治療に加え、鍼灸のような東洋医学的アプローチを取り入れることで、より自然に、より安心して症状を整えることができます。鍼灸は副作用が少なく、体質そのものを改善するため、PMSに悩む女性にとって心強い味方だと思います。

 

もし「毎月生理前がつらい」「気分の波で自分らしく過ごせない」と感じている方は、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。

爽快館船橋店では、あなたの体質や生活リズムに合わせた施術で、毎日を心地よく過ごすお手伝いをしています。

鍼灸 船橋
2025/10/14

冷えと鍼灸治療「冷えは万病のもと」

急に気温下がりましたね。

冬に向けてしっかり対応していきましょう。

 

冷えは万病のもと

 

「手足が冷たくて寝つきにくい」

「体が冷えてトイレが近い」

「冬だけでなく一年中冷えてつらい」

そんなお悩みを抱えていませんか?


冷えは、冷えそれ自体も辛いですが体調不良の大きな原因となります。

昔から「冷えは万病のもと」と言われてきましたが、それは冷えが血流や内臓の働き、自律神経のバランスまで深く影響するからです。

肩こり・頭痛・不眠・胃腸の不調・生理痛など、一見すると冷えと関係なさそうな症状の背景にも、実は「体の冷え」が潜んでいることが多いのです。

特に現代人は、エアコンの普及や薄着の習慣、ストレスや食生活の乱れによって、体を冷やしやすい環境にさらされています。冷えを放っておくと慢性的な疲れやだるさにつながり、「なんとなく元気が出ない」という状態に陥りやすくなります。

特に今年は夏が長かったためエアコンによる冷えや、屋外と室内との温度差で自律神経が乱され体温調節がうまくいかずに冷えが出ている方もいらっしゃいます。

 

 

 


冷えは熱を作りだせていないのか、それとも熱を巡らせられていないのか

 

冷えには大きく分けて2つのタイプがあると考えます。

ひとつは「熱をつくる力が弱いタイプ」。

胃腸が弱く食べてもエネルギーになりにくい、疲れやすい、風邪をひきやすいといった方に多い冷えです。体を温める力そのものが不足しているため、手足だけでなく体全体が冷えやすいのが特徴です。

 

もうひとつは「熱を巡らせる力が弱いタイプ」。

エネルギーは作れているのに、それを手足の末端まで届けられないために冷えが起こります。肩こり・むくみ・月経不順などを伴いやすく、ストレスで悪化することも少なくありません。

ご自身の冷えが「作れない」のか「巡らない」のかを知ることは、正しいケアの第一歩です。

 

 

 

 

 

冬に向けて冷えない体づくりを

 

「夏の病は冬に治す。冬の病は夏に治す」

という言葉があります。

寒さが厳しくなる前に、今から冷えに負けない体を準備しておくことが大切なのです。

そのためには、日常生活の中でできる工夫も欠かせません。

首・手首・足首を冷やさない 温かい食べ物や飲み物を心がける 適度に体を動かし、筋力をつけ熱を生み出す 深呼吸や入浴でリラックスし、自律神経を整える

こうした小さな積み重ねが、冷えにくい体をつくる土台になります。

ただし、生活改善だけではなかなか改善しきれない冷えもあります。そんなときに有効なのが、鍼灸によるケアです。

 

 

 

 

 

鍼灸でできる冷え治療

鍼灸治療では、体の状態に合わせて「熱をつくる力」を高めたり、「熱を巡らせる力」を助けたりするアプローチを行います。ツボに刺激を与えることで血流や自律神経が整い、体の内側から温まっていく感覚を得られる方も多いです。

実際の治療ではこんなツボを使っています。ご家庭でもツボセルフケアにも良いですよ。

 

三陰交(さんいんこう):足首の内側にあり、冷え性や婦人科系の不調によく用いられるツボ。血流を改善し体を温めます。 足三里(あしさんり):ひざ下にある代表的なツボ。胃腸を整え、エネルギーをつくる力をサポートします。 関元(かんげん):おへその下にあるツボ。体の中心を温め、冷えによるだるさや疲れに効果的です。 太渓(たいけい):足首の内側、くるぶしとアキレス腱の間。腎の働きを補い、体の芯から温めます。  

実際の施術では、鍼だけでなくお灸を併用することで、ポカポカとした温かさを体の奥に届けることができます。施術後、「足先まで血が通った感じがする」「夜ぐっすり眠れた」といった声をいただくことも多いです。

 

 

 

 

 

まとめ

冷えは誰にでも起こり得る身近な不調ですが、放置してしまうと体のあちこちに不快な症状を招きます。「冷えは万病のもと」という言葉は、現代にも当てはまる大切な教えです。

日常生活の工夫で体を温めることも大事ですが、根本的に「冷えにくい体質」へ導くには、鍼灸による体質改善も力になります。自然治癒力を引き出し体を整え冷えを改善していきます。

そして初めての方でも安心して受けていただけるよう、当院では丁寧にカウンセリングし、その方に合った施術をご提案しています。

もし「冷えで毎年つらい思いをしている」「薬やサプリだけでは改善しない」と感じているなら、ぜひ一度鍼灸を試してみてください。冷えから解放され、冬でも快適に過ごせる体づくりを、私たち鍼灸院爽快館船橋店が全力でサポートいたします。

鍼灸 船橋
2025/10/08

10月薬膳レシピ ふんわり卵ときのこの薬膳親子丼とさつま芋の豆乳ポタージュ

薬膳レシピ

 

朝晩に冷え込むようになり、日中との寒暖差が大きくなる10月。食欲が落ちたり、なんとなく疲れやすく感じる方も多いのではないでしょうか。

この季節は、消化吸収を司る「脾(ひ)」が弱りやすくなり、エネルギー不足となることで、疲れやだるさにつながります。「脾」は食べた物を吸収し栄養に変える大切な臓腑です。冷たいもの、生もの、甘すぎるものを控え、温かい食事で「脾」を優しく養うことが薬膳のポイントです。

 

 

【脾を養うおすすめ食薬の五気】

温性
もち米/むかご/納豆/かぼちゃ/なつめ/ライチ/栗/鶏肉/アジ/イワシ/ブリ/生姜

微温性
まいたけ/エリンギ

平性
うるち米/玄米/さつまいも/じゃがいも/山芋/黒豆/大豆/しめじ/ひよこ豆/枝豆/オクラ/落花生/白ごま/黒ごま/豆乳

涼性
ハトムギ/小松菜/チンゲン菜

微寒性
えのきだけ

寒性
ハモ/馬肉

 

食薬には「五気」と呼ばれる、体を温めたり冷やしたりする性質があります。
温める:熱性 > 温性 > 平性 > 涼性 > 寒性:冷やす

 

 

 

【レシピ①】 ふんわり卵ときのこの薬膳親子丼

鶏肉は気を補って元気を回復させ、きのこは脾胃を整えます。

 

材料(2人分)
鶏もも肉…1枚(約250g)→一口大に切り、塩2つまみをまぶす
卵…3個 →かつおぶし(2g)、塩(ひとつまみ)、砂糖(少々)を加えて溶く
玉ねぎ…1/4個 →薄切り
きのこ(しめじ・しいたけ・まいたけなど)…100g →石づきをとり食べやすく切る
塩…少々
黒こしょう…少々
サラダ油…大さじ1(半量ずつ使用)
ごはん…2膳分
ネギ…適量

 

作り方

フライパンにサラダ油大さじ1/2を熱し、鶏肉を皮目から焼く。空いたところで玉ねぎときのこを加えて軽く炒める。

鶏肉の半分ほどまで火が通ったら裏返し、玉ねぎ・きのこに塩少々をふって混ぜる。余分な油や水分はペーパーでふき取る。鶏肉に火が通ったら、具材をいったん取り出す。

フライパンを軽くふき、残りのサラダ油大さじ1/2を加えて温め、卵液を流し入れる。大きく混ぜてふんわり半熟に仕上げる。器にご飯を盛り、卵を半量ずつのせる。

その上に②の具材を半量ずつのせ、ネギを散らし、黒こしょうをふって仕上げる。

 

 

 

【レシピ②】 さつま芋の豆乳ポタージュ

さつま芋は脾を補い便通を整えます。豆乳は乾燥を潤し、肌や喉を守ります。

 

材料(2人分)
さつま芋…200g(皮をむき1cm厚のいちょう切り)
水…大さじ4+200ml
玉ねぎ…1/4個(薄切り)
無調整豆乳…200ml
バター…10g
塩…2つまみ

(トッピング用)
さつま芋…適量(薄くスライスし千切り)
サラダ油…適量
すりごま…適量

 

作り方

鍋にさつま芋・玉ねぎ・水大さじ4を入れ、蓋をして中火で4分蒸し煮にする。

水200mlを加え、沸騰したら蓋をしてさらに弱火で10分煮る。

火を止め、豆乳の半量を加えてミキサーまたはハンドブレンダーでなめらかにする。

残りの豆乳とバターを加えて再び温め、塩で味を調える。

フライパンにサラダ油を熱し、スライスしたさつま芋を揚げ焼きにしてチップスを作る。

スープを器に盛り、チップスを飾り、すりごまをふる。

鍼灸 船橋
2025/10/07

秋を乗り切る養生

10月になりました。

朝晩は涼しくなりましたね。

スーパーには秋の果物や食材も増え季節が変わってきたのを感じます。

 

 

秋は乾燥の季節

 

長い夏の暑さが落ち着き、心地よい風が吹く秋。

しかし同時に、空気が一気に乾燥してくる季節でもあります。

「のどがイガイガする」

「肌がカサつく」

「便が硬くなって出にくい」

といった不調を感じやすいのもこの時期の特徴です。
中医学では、秋は乾燥である「燥邪(そうじゃ)」が体に入りやすい季節と考えます。乾燥は肺に影響を与えやすく、咳やのどの不快感、さらにはお通じの乱れまで引き起こします。秋はしっかりと潤いを補い、体を内側から守ることが大切です。

 

 

 

 

秋の食養生

 

乾燥対策の基本は「潤いを与える食材」を意識することです。

例えば、れんこん・大根・白きくらげ・梨・はちみつなどは、肺やのどを潤し、咳や乾燥を和らげてくれます。

旬の果物である柿やぶどうもおすすめですが、冷やしすぎると胃腸に負担がかかるため、食べ過ぎには注意が必要です。
また、乾燥が進むと便秘になりやすいため、ごま・くるみ・オリーブオイルなどの油分を適度に取り入れると、お通じのスムーズさを助けてくれます。

温かいスープやお粥にこれらの食材を取り入れると、体も心もほっと和みます。

 

 

 

 

秋の生活養生

 

秋は夏の疲れがどっと出やすい時期でもあります。朝晩の冷え込みが強くなるので、薄着で過ごすと体が冷えて免疫力が下がってしまいます。

首・足首・お腹は特に冷やさないように心がけましょう。
また、乾燥対策としては「加湿」も大切です。寝室に濡れタオルをかけたり、湯気の立つ料理を増やしたりと、生活の中でできる工夫を取り入れてみましょう。入浴の際に湯船にゆっくり浸かることも、体の潤いを補う大切なケアになります。

 

 

 

 

秋のメンタルケア

 

中医学では、秋は「肺」とつながりが深く、肺は「悲しみ」の感情と関係しています。

そのため、秋になるとなんとなく気分が沈んだり、寂しさを感じたりと物悲しい気持ちになりますよね。

秋になり日照時間が減少することでセロトニンの分泌が減ったり、季節の変わり目による自律神経の乱れなど様々な要因で気持ちにも影響が出ます。これは自然なことですが、放っておくと心身の不調につながることもあります。


おすすめは、日中日に当たること、深呼吸を習慣にすること。肺にしっかりと新鮮な空気を取り込み、ゆっくり吐き出すことで、自律神経が整い気持ちが落ち着きます。また、秋の澄んだ空の下で軽い散歩をすると、心もリフレッシュされます。

 

 

 

 

家庭でできるツボのケア

 

鍼灸院での施術はもちろん効果的ですが、日常生活でも手軽にできるツボ押しがあります。

尺沢(しゃくたく):ひじの内側、親指側にあるツボ。咳やのどの不調に。 列缺(れっけつ):手首の親指側から少し上、骨の際にあるツボ。乾燥による咳や鼻の不快感に。 太淵(たいえん):手首のしわの親指側にあるツボ。呼吸を整え、気持ちも落ち着きます。
これらのツボを、気持ちよいと感じる程度にゆっくり押してみてください。お風呂上がりやリラックスしている時に行うのが効果的です。

 

今回ご紹介したのはすべて肺(乾燥に弱く秋に働きが乱れる)のツボです。

 

秋は心身ともに「乾燥」に影響を受けやすい季節です。

食事・生活・心のケア、そして手軽なツボ押しを組み合わせることで、日々の不調を予防しやすくなります。小さな工夫を積み重ねて、心地よい秋を元気に過ごしていきましょう。

鍼灸院爽快館船橋店では、こうした季節の体調変化に合わせたケアも大切にしています。お困りのことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

鍼灸 船橋
2025/09/30

胃内停水とは?未病先防!!

胃がチャポチャポする?——それ、「胃内停水」かもしれません。

 

「横になるとお腹がチャポチャポ音を立てる」

「動くと胃の中で水が動く音がする」

「心窩部のあたりを握りこぶしで軽くたたくとチャポチャポ水の音がする」

そんな症状に心当たりはありませんか?それは、東洋医学で「胃内停水(いないていすい)」と呼ばれる状態かもしれません。

 

 

 

1.胃内停水とは?

胃の中に本来なら消化吸収されるはずの水分が長く停滞し、まるで「水がたまった袋」のようになってしまうのが胃内停水です。自覚がなくても、体の不調の根本にこの停滞が隠れていることもあります。

 

私たち鍼灸院爽快館では、「病気とまではいかないけれど、なんとなくつらい」という未病(みびょう)のサインにこそ丁寧に向き合っています。今回は、この「胃内停水」について、原因や体への影響、そして鍼灸による改善法についてお話しします。

 

 

 

2.胃内停水の原因とは?

 

胃内停水は、いわば「胃に余分な水が溜まってしまった状態」。その原因には、いくつかの生活習慣や体質的な傾向が関係しています。

 

まず大きな原因は「脾胃(ひい)の虚弱」です。東洋医学では、胃や消化吸収をつかさどる脾の働きが弱まると、水分をうまくさばくことができず、胃の中に水がたまってしまうと考えられています。

 

次に、冷たい飲食物のとりすぎも大きな要因です。冷たいものは脾胃の働きを低下させ、消化が滞ります。特に冷たい飲み物を一気に飲む、氷入りのジュースを頻繁にとる習慣がある方は注意が必要です。

 

また、暴飲暴食や早食い、ストレスによる自律神経の乱れ、慢性的な睡眠不足も、胃の動きを弱め、停滞を引き起こす原因になります。

 

さらに体質的に「水分代謝が苦手」な方、つまりむくみやすい、冷えやすい方も、胃内停水を起こしやすい傾向があります。

 

 

 

3.胃内停水はどんな悪さをするの?

 

胃内に水分が停滞すると、消化・吸収の機能がうまく働かなくなり、さまざまな不調の引き金になります。代表的な症状としては以下のようなものがあります。

 

食後の胃もたれや吐き気

みぞおちの不快感や圧迫感

横になるとお腹が音を立てる(振水音)

食欲不振や疲労感

吐くほどではないが、常に気持ち悪い

口の中のねばつき、白い舌苔

体が重だるく感じる、むくみやすい

 

これらの症状は、胃だけでなく全身に影響を及ぼします。食事をおいしく感じられない、朝からだるくて起きられない、日中もなんとなく力が入らない……。そんな状態が続くと、気持ちも落ち込みやすくなり、悪循環に陥ってしまいます。

 

「胃内停水」そのものは胃に水がたまりチャポチャポ音がするだけなのですが、その裏には胃腸の消化吸収の低下や冷え、余分な水分がたまる「水湿」状態が進行していくので、その先に色々な体調不良が起こる可能性があります。

 

また、「胃内停水」をそもそも起こしている脾胃虚弱や胃の冷え、暴飲暴食やストレスなどは他の不調を起こす可能性もあります。

 

なので、色々な不調が起こる前に「胃内停水」と引き起こしている原因を解決することが大切なのです。

つまり『未病先防』(病気が発症する前に、体質を見ながら予防していく考え方)です!!

 

 

 

4.鍼灸による胃内停水のアプローチ

鍼灸では、胃内停水を「脾胃虚弱」や「胃の冷え」、「水湿の停滞」としてとらえ、まずは胃腸の働きを助けること、次に水分代謝を促すことを目指します。

 

体質に応じて施術内容は異なりますが、代表的な鍼灸のツボをご紹介します。

 

・胃腸の働きを高めるツボ

中脘(ちゅうかん):胃の中心にあたるツボ。消化機能を高め、胃の不快感をやわらげます。

鍼にお灸をプラスすることで胃にたまった水をさばきます。

 

・足三里(あしさんり):胃腸全体の働きを活性化させ、元気を補う重要なツボ。食欲不振や胃もたれにも有効です。

 

・脾兪(ひゆ)/胃兪(いゆ):背中側にある、脾と胃のエネルギーを整えるツボ。消化吸収の力を高めます。

 

・陰陵泉(いんりょうせん):膝の内側にあるツボで、体内の余分な水分をさばく働きがあります。むくみやだるさにも効果的です。

 

鍼やお灸を通じてこれらのツボにやさしく刺激を与えることで、体が本来持っている水分の調整力や胃腸の働きが引き出され、自然と「チャポチャポ感」がなくなっていく方も多くいらっしゃいます。

 

 

 

胃内停水は病院で診断されるようなものではありませんが体からの大切なサインです。

 

鍼灸は、体質を見極め、あなたの不調にやさしく働きかける伝統的な療法です。胃の不快感や重だるさを少しでも軽くしつつ、その先にある体調の悪化を事前に防ぐ。

そうすることで未来の自分の健康を手に入れることができます。毎日をもっと元気で軽やかに過ごしていただきたいと願っています。

 

まずは、あなたの体の声に耳を傾けてみませんか?

私たちがしっかりとサポートいたします。