蕁麻疹

蕁麻疹

蕁麻疹とは?

蕁麻疹

大小様々な痒みをともなう、浮腫性紅斑(盛り上がった赤い発疹)が多発する皮膚病です。それぞれの発疹は発作的に生じ、数分から24時間で消えていきます。一般的な蕁麻疹(急性蕁麻疹)では、比較的短期間で解決をみますが、中には1ヶ月以上、ときには1年以上も症状が続くケースがあり、これを慢性蕁麻疹と呼んでいます。

原因と治療

蕁麻疹には、主にアレルギー性と非アレルギー性があり、原因は食物、感染、薬剤、日光、物理的な刺激、疲労、ストレスなど多岐に渡っているため、多くの場合、原因を特定するのは難しいとされています。アレルギーに関与する細胞から蕁麻疹を起こす物質(ヒスタミン)が放出されることで、皮膚の腫れや痒みを引き起こします。治療としては、原因を取り除くことと、抗ヒスタミン薬などの薬剤を使いアレルギー症状を抑えます。

蕁麻疹

中医学で考える蕁麻疹

蕁麻疹

中医学において、蕁麻疹が出るかどうかは、“衛気(えき)”と呼ばれる身体の表面のバリア機能の良し悪しによります。衛気は、“肺”、“脾”、“腎”の機能と深く関わっており、そこに季節の環境変化(寒さ・暑さ・乾燥など)やストレスが重なると、アレルギー症状である蕁麻疹が発症すると考えられています。

 


はい

呼吸、免疫、皮膚などと関係が深く、身体に栄養素や水分を巡らせる働きがあり、肺が弱るとアレルギー、咳や痰、喘息症状が出やすくなります。


消化吸収をして栄養分や水分の運搬などを担当しており、脾が弱ると気血(きけつ)などの栄養分を十分に吸収できず、粘膜が弱くなります。


じん

成長、発育、生殖、免疫などに関係しており、人体を構成する基本物質“精(せい)”を貯蔵しています。腎の機能が低下すると免疫機能に異常が出ます。

 

 

中医学タイプ別治療法

① 風熱(ふうねつ)タイプ
自然界における風と熱の邪気(人体に悪影響を与える自然環境の変化)により生じ、春~夏に出やすい傾向がある。
随伴症状:発熱、喉の痛み、鼻づまり、頭痛、関節痛など。
突然現れ突然消えるという特徴は、風の邪気によるものが多いです。特に上半身に出やすく、熱と結びつくと腫れや痒みが強くなり、皮膚は乾燥します。

 

漢方

消風散、十味敗毒湯など

ツボ

大椎、曲池など

食材

苦瓜、冬瓜、きゅうり、たけのこ、蓮根、くちなしの実など

 


② 風寒(ふうかん)タイプ
自然界における風と寒さの邪気(人体に悪影響を与える自然環境の変化)により生じ、秋~冬に出やすい傾向がある。
随伴症状:悪寒発熱、くしゃみ、無汗、咳、透明な痰、頭痛、関節痛など。
突然現れ突然消えるという特徴は、風邪(ふうじゃ)によるものが多いです。寒さの邪気と結びつくと赤みは少なく、冷たい風や冷房に当たると症状が悪化します。

 

漢方

桂枝麻黄各半湯、荊防敗毒散など

ツボ

大椎、風門など ※お灸を多用

食材

ネギ、生姜、シナモン、紫蘇、玉ねぎ、山椒など

 


③ 肺脾気虚(はいひききょ)タイプ
肺と脾のエネルギー不足により皮膚の新陳代謝が落ちる。
随伴症状:息切れ、咳、倦怠感、風邪を引きやすい、元気がない、食欲不振、むくみなど。
身体のエネルギーである気が不足すると皮膚における防御作用が低下するため、日光、寒冷や温熱の刺激、発汗などの影響を受けやすくなります。

漢方

玉屏風散、補中益気湯など

ツボ

足三里、気海など

食材

豆腐や湯葉などの大豆製品、卵、いんげん豆、山芋など

 


④ 脾虚痰湿(ひきょたんしつ)タイプ
胃腸が弱り、皮膚の免疫の働きが落ちている。
随伴症状:食欲不振、食後に眠くなる、軟便、お腹の張り、疲れやすい、むくみなど。
胃腸機能が低下すると、身体に必要な気を作ることができず、皮膚の防御作用が低下します。

漢方

六君子湯、参蘇飲など

ツボ

太白、脾兪など

食材

豆腐や湯葉などの大豆製品、卵、いんげん豆、とうもろこし、ハトムギなど

 


⑤ 腎虚(じんきょ)タイプ
身体に蓄えられるべきエネルギーが不足しており、アレルギー症状が出やすくなっている。
随伴症状:足腰がだるい、物忘れ、耳鳴り、頻尿、白髪、難聴、精力減退、むくみなど。
加齢や過労、睡眠不足などにより腎の機能が低下すると、免疫力が低下してアレルギーを引き起こしやすくなります。

 

漢方

六味地黄丸、瓊玉膏など

ツボ

腎兪、関元など

食材

黒豆、黒きくらげ、アスパラガス、山芋、牡蠣、豚肉、卵など

 

 

鍼灸治療

鍼灸治療では、肺、脾、腎の機能を高め、体表のバリアである衛気のバランスを整えることで、季節の環境変化(寒さ・暑さ・乾燥など)などの外的刺激から起きる症状の緩和をはかります。一人ひとりの体質に合わせ、根本的な原因にアプローチして改善に導きますが、慢性化している蕁麻疹は根気強く治療を継続する必要があります。
慢性蕁麻疹で使用される代表的なツボ:風池(ふうち)、血海(けっかい)、太淵(たいえん)など。

暮らしのアドバイス

動物性のたんぱく質や香辛料を避けましょう
疲れをためこまないようにしましょう
タイトな服装で皮膚を刺激しないようにしましょう
睡眠をしっかりとりましょう
自分の趣味などを持ち、適度な気分転換を心がけましょう