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鍼灸 恵比寿
2025/08/10

心とからだを整える、妊活のためのツボ「百会(ひゃくえ)」

「妊活」とひとことで言っても、その背景や状況は人それぞれ。

病院での治療と並行して取り組む方、自然なかたちで授かりたいと願う方、不安と希望が入り混じる気持ちのなかで日々を過ごしている方。

そんな中、東洋医学ができることの一つが、「心身のバランスを整えること」です。妊娠力は、身体の機能だけでなく、心の状態や自律神経、気血の巡りと深く関係していると、東洋医学では考えます。

 

その調整に役立つのが、頭頂にあるツボ「百会(ひゃくえ)」です。

 

百会は“全身を統合する”ツボ

百会は、頭のてっぺん、ちょうど両耳の上端を結んだラインと顔の真ん中のラインが交わる点にあります。ここは「督脈(とくみゃく)」という経絡の上にあり、陽気の流れを全身に巡らせる総司令部のような役割を担っています。

 

「百会」とは「百(多くの)経絡が会う場所」を意味し、気の流れを頭から全身へと導く、非常に重要なツボです。

 

このツボが整うことで、身体の不調だけでなく、情緒やメンタルの安定、ホルモンバランスの調整に働きかけるとされます。

 

妊活と心のつながり

妊活中は、日々の期待と不安、時には焦りやストレスなど、心の波が大きくなることもあります。ホルモン治療やタイミング法の結果に一喜一憂して、気持ちが追いつかないと感じる方も少なくありません。

東洋医学では、こうした「心の揺れ」も妊娠力に影響を与えると捉えます。特に、ストレスは「気の巡り」を滞らせ、結果として「血の巡り」や「ホルモンの調和」までも乱す原因に。

 

百会はそんな心のアンバランスを整える、まさに“心の安定スイッチ”とも言えるツボなのです。

 

睡眠・自律神経・ホルモンバランスに

妊活を支える三本柱として大切なのが、「良質な睡眠」「整った自律神経」「ホルモンバランスの安定」です。

百会へのアプローチは、これらすべてに関与します。

  •睡眠の質の向上:

夜になると眠れない、眠りが浅い……そんな悩みに対し、百会を刺激することでリラックス神経(副交感神経)が優位になり、自然な眠りへと導いてくれます。

  •ホルモン分泌のサポート:

脳の中枢(視床下部や下垂体)に近い場所にある百会。ここを整えることは、間接的にホルモン分泌の安定にもつながると考えられています。

  •イライラや不安へのケア:

妊活中にありがちな心の揺れも、百会で落ち着きを取り戻しやすくなります。

 

ご自宅でできる「百会ケア」

百会は、特別な技術がなくても、自分の手でケアできるツボです。日常に少しだけ取り入れてみましょう。

● 指でゆっくり指圧

  •中指や人差し指で百会をゆっくり5秒ほど押して、3秒休む。これを5〜10回程度繰り返します。

•深呼吸とともに行うと、より心身がリラックスします。

 

● 夜寝る前の「百会マッサージ」

  •頭皮用のブラシや指の腹を使って、百会周辺を円を描くように優しくマッサージ。

•緊張がほぐれ、寝つきも良くなります。

 

● お灸や温灸器もおすすめ

•百会への温かい刺激は、交感神経の興奮を抑えてくれます。就寝前に短時間でOK。

 

鍼灸治療

当院の妊活鍼灸でも、百会は頻繁に活用されます。三陰交や関元などの婦人科系ツボと組み合わせることで、体質改善と心身の安定の両面からサポートが可能です。

施術後に「頭がすっきりした」「気持ちが楽になった」というお声をいただくことも多く、それはまさに百会の力が働いた証拠です。

 

妊活は、「体づくり」と同時に「心づくり」の時間でもあります。

不安や緊張をゆるめて、心地よく赤ちゃんを迎える準備を進めていきましょう。

 

そのお手伝いを、百会という小さなツボが、静かに、でも確かにしてくれます。

鍼灸 恵比寿
2025/08/06

妊活と猛暑 〜冷房冷えが子宮を冷やす?〜

 

2025年の夏、日本列島は記録的な猛暑に見舞われています。気象庁によると、昨年続いていたエルニーニョ現象が終息し、ラニーニャに向かう可能性があるとのこと。その影響で、今年の夏は例年以上に気温が高く、都市部では連日35度超えの“危険な暑さ”が続いています。

 

この極端な暑さに伴って、冷房の使用時間も長くなり、室内外の温度差が10度以上になる日も珍しくありません。東洋医学の視点から見ると、この急激な寒暖差が自律神経と「腎」の働きを乱し、特に妊活中の方の体調に大きな影響を及ぼすことがあります。

 

 

■東洋医学で見る“夏の冷え”とは?

 

夏場の冷えは、冷房によって引き起こされる「内冷え」が特徴です。外は暑くても、内臓や子宮などの深部が冷えてしまうと、「気・血・水」の巡りが滞り、妊娠に必要なエネルギー(=「腎気」)が不足します。

 

特に「腎」は、東洋医学で生殖機能やホルモンの調整をつかさどる重要な臓腑。冷えにより腎が弱ると、卵子の質や排卵機能、月経周期にも影響が出やすくなります。

 

また、急激な温度差は自律神経にも負担をかけ、交感神経が優位な状態が続くと、体が緊張しっぱなしになり、子宮や卵巣への血流も低下します。現代の働く女性に多い「緊張型冷え」は、単に冷たいものを避けるだけでは対処しきれません。

 

 

■2025年夏を乗り切る妊活養生ポイント

 

1)「冷えをとる」から「腎を守る」へ発想を転換

 

お腹や腰回りを温めるだけでなく、腎を補う「補腎」養生が大切です。黒豆・山芋・くるみなどの黒い食材は、東洋医学で“腎を養う食材”とされています。朝食に黒ごまきな粉豆乳を取り入れるのもおすすめです。

 

2)エアコン冷え対策は“足元”から

 

冷えは足元から忍び寄ります。サンダルや素足ではなく、足首を守るレッグウォーマーや靴下で「三陰交」を温めましょう。このツボは子宮や卵巣と深い関係があり、妊活中の冷えケアには欠かせません。

 

3)「夏こそ鍼灸」で自律神経を整える

 

自律神経の乱れや腎虚(じんきょ:腎のエネルギー不足)が疑われる場合、鍼灸でツボを刺激し、体の巡りを整えることが有効です。特に、百会・関元・足三里・三陰交といったツボは、自律神経・消化機能・婦人科系に広くアプローチできます。

 

 

妊娠は、体のコンディションが整ったときに自然と訪れる“生命のタイミング”。2025年の異常な気候変動を乗り越えるには、単なる対症療法ではなく、体質の根本にアプローチする東洋医学的なサポートが有効です。

 

この夏を「妊娠力アップのための養生期間」と捉えて、自分の体と丁寧に向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

鍼灸 恵比寿
2025/07/15

夏のむくみに鍼灸ができること【コラム】

7月の「むくみ」に悩む方へ

 

~鍼灸ができること~

 

7月は梅雨の余韻と本格的な夏の暑さが重なり、体調を崩しやすい時期です。特に「むくみ」に悩まされる方が増えるのもこの季節。朝起きたときに顔がパンパン、夕方になると足が重だるく靴がきついそんな経験はありませんか?

 

むくみは一見軽い不調のように思われがちですが、体内の水分代謝が滞っているサイン。放っておくと、疲れやすさや体重の増加、冷えや頭重感など、様々な不調の引き金となることもあります。今回は、そんな「7月のむくみ」と鍼灸との関わりについて、東洋医学的視点からご紹介します。

 

湿気×冷房×冷たい飲食=夏のむくみの原因

 

東洋医学では、7月のような多湿な時期には「湿邪(しつじゃ)」が体内に入りやすいと考えます。湿邪とは、大気中の湿気が体に悪影響を及ぼす状態のことで、これが体内に溜まると水分代謝が滞り、「むくみ」や「重だるさ」として表れます。

 

また、現代生活では冷房による「冷え」もむくみの原因になります。室内外の気温差によって自律神経が乱れ、血流やリンパの流れが悪化し、老廃物や余分な水分がうまく排出されなくなってしまいます。

 

さらに、冷たい飲み物やアイス、そうめんなど「冷」の性質を持つ食事が増えることで、胃腸の働きも弱り、体の中から「水はけ」が悪くなってしまうのです。

 

東洋医学における「むくみ」の正体

 

東洋医学では、「むくみ」は“水(すい)”の停滞と関係があります。体内の水分は「脾(ひ)・肺・腎」という三つの臓腑が連携して巡らせていますが、どこかが弱ると水が停滞し、むくみが生じます。

脾の弱り:冷たい物の摂取や疲労で消化機能が落ちると、水分をさばく力が低下。

肺の弱り:梅雨や湿度によって汗をかきづらくなり、水分の発散が不十分に。

腎の弱り:冷えや加齢で腎の働きが落ちると、体内の水分調節力が低下。

 

これらの状態を見極めながら、個々の体質に応じたケアを行うのが東洋医学の得意とするところです。

 

鍼灸でむくみを解消するには?

 

鍼灸治療では、経絡(けいらく)の流れを整え、水分代謝を促すことが可能です。特にむくみに対しては、以下のようなアプローチを行います。

「脾」を補うツボ:足の内くるぶし上にある【三陰交】や、すねの内側にある【陰陵泉】は、脾と水分代謝の働きを整える代表的なツボです。

「腎」を温めるツボ:腰の辺りにある【腎兪】や、足裏の【湧泉】を使って冷えによる腎の弱りを補います。

全身の巡りを良くする:背中やお腹の経絡に鍼を打つことで、自律神経を整え、血流やリンパの流れを改善します。

 

また、症状によってはお灸を併用することで内臓の働きを高め、体を内側から温めることでより効果的にむくみの改善が図れます。

 

自宅でできるセルフケアも併用を

鍼灸治療に加えて、日常生活でのケアも大切です。

冷たい物を控える

 胃腸が弱ると、体内に余分な水が溜まりやすくなります。温かい飲み物や汁物を意識してとりましょう。

軽めの運動やストレッチ

 足首やふくらはぎを中心とした軽いストレッチをすることで、血流が促され、むくみ解消に効果的です。

入浴で体を温める

 シャワーだけで済ませず、湯船に浸かることで全身の巡りを良くします。

 

最後に:むくみは体からのサイン

 

「ちょっと足が重いな」と思った時、それは体が出しているSOSかもしれません。無理にマッサージや利尿剤で対処するのではなく、体の声に耳を傾けて、根本から改善することが大切です。

 

東洋医学では、むくみを一時的な症状としてではなく、体全体のバランスの乱れと捉えます。鍼灸はそのバランスを整え、自然治癒力を引き出す方法のひとつ。7月の不快なむくみにお悩みの方は、ぜひ一度鍼灸の力を体験してみてはいかがでしょうか。

鍼灸 恵比寿
2025/06/21

6月におすすめのツボ 5選

日本では梅雨の時期で、湿気や気温の変化による体調不良が起こりやすい時期でもあります。

いくつか、この時期に特に効果が期待できるツボをご紹介します。

 

1. 湿気対策・消化器系を整えるツボ

 足三里(あしさんり)

    場所: 膝のお皿の外側の下から指4本分下がった、すねの骨の外側。

    効果: 胃腸の働きを整え、消化吸収を助けます。梅雨の時期のだるさや食欲不振、胃もたれなどにも効果的です。全身の免疫力アップにも繋がります。

    押し方: 親指でゆっくりと気持ちいい程度に押します。

 

  陰陵泉(いんりょうせん)

   * 場所: 膝の内側にある骨の出っ張りのすぐ下のくぼみ。

   * 効果: 体内の余分な水分を排出し、むくみやだるさを軽減します。特に下半身のむくみに効果的です。

   * 押し方: 親指で骨に沿って、少し押し上げるように刺激します。

 

2. 自律神経を整え、精神的な不調を和らげるツボ

  内関(ないかん)

    場所: 手首のしわから指3本分、肘側に向かった腕の内側の中央。2本の腱の間。

    効果: ストレスや不安を和らげ、自律神経のバランスを整えます。乗り物酔いや吐き気にも効果があります。

    押し方: 親指でゆっくりと、少し深めに押します。

  労宮(ろうきゅう)

    場所: 軽く手を握った時に、中指の先が当たるところ。手のひらのほぼ中央。

    効果: 精神的な緊張を和らげ、心を落ち着かせます。不眠やイライラにも良いとされています。

    押し方: 親指で心地よいと感じる強さで押します。

 

3. 肩こりや頭痛に効くツボ

  合谷(ごうこく)

    場所: 親指と人差し指の骨が交わる手の甲のくぼみ。

    効果: 肩こり、頭痛、目の疲れなど、上半身の不調に広く効果があります。体の気血の流れを良くします。

    押し方: 反対側の手の親指と人差し指で挟むようにして、少し痛気持ちいい程度に押します。

 

ツボ押しのポイント

  心地よい強さで: 強く押しすぎず、気持ちいいと感じる程度の強さで押しましょう。

  ゆっくりと: 5秒ほどかけてゆっくり押し、ゆっくり離すのを数回繰り返します。

  呼吸と合わせて: 息を吐きながら押し、息を吸いながら緩めるとより効果的です。

  継続する: 毎日少しずつでも継続することが大切です。

  お風呂上がりなど: 体が温まっている時の方が、ツボが刺激されやすくなります。

 

梅雨の時期を快適に過ごすために、ぜひこれらのツボを試してみてくださいね。もし体調が優れない場合は、専門家にご相談ください。

鍼灸 恵比寿
2025/06/07

6月コラム 梅雨時期の“なんとなく不調”、実は自律神経がカギかも?

 

6月、梅雨の季節がやってきました。

空模様がすっきりしない日が続くと、なんだか気持ちまでどんよりしてしまいますよね。

さらに、こんな症状、心当たりはありませんか?

 

なんとなく体がだるい

朝起きるのがつらい

頭が重くて集中できない

気分が落ち込みやすい

むくみや冷えが気になる

実はこれ、**「自律神経の乱れ」**が関係しているかもしれません。

 

☔気圧の変化と自律神経の関係

梅雨の時期は、低気圧が続いたり、気温・湿度の変化が大きくなったりと、身体が気候に振り回されやすい時期。

こうした外的な変化は、自律神経にじわじわと負担をかけます。

 

自律神経は、私たちが意識しなくても呼吸や体温、内臓の働きなどを調整してくれる「体の司令塔」のような存在。

そのバランスが乱れると、心も体も不安定になり、疲れや不調が出やすくなるんです。

 

特に、梅雨時期は**副交感神経(リラックスモード)**が優位になりがちで、「だるい・眠い・やる気が出ない」といった感覚が出てくることもあります。

 

????鍼灸でできるケア

そんなときにおすすめしたいのが、鍼灸による自律神経ケアです。

 

鍼灸では、ツボ(経穴)を通して神経や血流にやさしくアプローチ。

交感神経と副交感神経のバランスを整え、内側から“めぐり”を良くすることで、自然と身体が軽くなっていくのを感じられます。

 

たとえば、こんな効果が期待できます:

 

朝の目覚めがスッキリする

頭の重だるさが取れる

冷えやむくみの改善

気分の安定

眠りの質の向上

治療後に「呼吸がしやすくなった」「視界が明るく感じる」などのお声もよくいただきます????

 

☘セルフケアのポイントも!

梅雨の体調管理には、日々の小さな心がけも大切です。

鍼灸とあわせて、こんな習慣を取り入れてみましょう。

 

朝はカーテンを開けて光を浴びる(体内時計をリセット)

湯船にゆっくり浸かって体を温める

深呼吸やストレッチでリズムを整える

雨の日こそ、少し体を動かして巡らせる

自分をいたわる“梅雨の養生”、始めてみませんか?

 

????さいごに

体調のちょっとした違和感は、放っておくと大きな不調につながることも。

梅雨の時期を元気に乗り切るために、鍼灸で“心と体のバランス”を整えてあげましょう。

 

スタッフ一同、みなさまのご来院を心よりお待ちしています☘️

お気軽にご相談くださいね。