
店舗お知らせ
- 鍼灸 恵比寿
- 2025/07/15
夏のむくみに鍼灸ができること【コラム】
7月の「むくみ」に悩む方へ
~鍼灸ができること~
7月は梅雨の余韻と本格的な夏の暑さが重なり、体調を崩しやすい時期です。特に「むくみ」に悩まされる方が増えるのもこの季節。朝起きたときに顔がパンパン、夕方になると足が重だるく靴がきつい…そんな経験はありませんか?
むくみは一見軽い不調のように思われがちですが、体内の水分代謝が滞っているサイン。放っておくと、疲れやすさや体重の増加、冷えや頭重感など、様々な不調の引き金となることもあります。今回は、そんな「7月のむくみ」と鍼灸との関わりについて、東洋医学的視点からご紹介します。
湿気×冷房×冷たい飲食=夏のむくみの原因
東洋医学では、7月のような多湿な時期には「湿邪(しつじゃ)」が体内に入りやすいと考えます。湿邪とは、大気中の湿気が体に悪影響を及ぼす状態のことで、これが体内に溜まると水分代謝が滞り、「むくみ」や「重だるさ」として表れます。
また、現代生活では冷房による「冷え」もむくみの原因になります。室内外の気温差によって自律神経が乱れ、血流やリンパの流れが悪化し、老廃物や余分な水分がうまく排出されなくなってしまいます。
さらに、冷たい飲み物やアイス、そうめんなど「冷」の性質を持つ食事が増えることで、胃腸の働きも弱り、体の中から「水はけ」が悪くなってしまうのです。
東洋医学における「むくみ」の正体
東洋医学では、「むくみ」は“水(すい)”の停滞と関係があります。体内の水分は「脾(ひ)・肺・腎」という三つの臓腑が連携して巡らせていますが、どこかが弱ると水が停滞し、むくみが生じます。
•脾の弱り:冷たい物の摂取や疲労で消化機能が落ちると、水分をさばく力が低下。
•肺の弱り:梅雨や湿度によって汗をかきづらくなり、水分の発散が不十分に。
•腎の弱り:冷えや加齢で腎の働きが落ちると、体内の水分調節力が低下。
これらの状態を見極めながら、個々の体質に応じたケアを行うのが東洋医学の得意とするところです。
鍼灸でむくみを解消するには?
鍼灸治療では、経絡(けいらく)の流れを整え、水分代謝を促すことが可能です。特にむくみに対しては、以下のようなアプローチを行います。
•「脾」を補うツボ:足の内くるぶし上にある【三陰交】や、すねの内側にある【陰陵泉】は、脾と水分代謝の働きを整える代表的なツボです。
•「腎」を温めるツボ:腰の辺りにある【腎兪】や、足裏の【湧泉】を使って冷えによる腎の弱りを補います。
•全身の巡りを良くする:背中やお腹の経絡に鍼を打つことで、自律神経を整え、血流やリンパの流れを改善します。
また、症状によってはお灸を併用することで内臓の働きを高め、体を内側から温めることでより効果的にむくみの改善が図れます。
自宅でできるセルフケアも併用を
鍼灸治療に加えて、日常生活でのケアも大切です。
•冷たい物を控える
胃腸が弱ると、体内に余分な水が溜まりやすくなります。温かい飲み物や汁物を意識してとりましょう。
•軽めの運動やストレッチ
足首やふくらはぎを中心とした軽いストレッチをすることで、血流が促され、むくみ解消に効果的です。
•入浴で体を温める
シャワーだけで済ませず、湯船に浸かることで全身の巡りを良くします。
最後に:むくみは体からのサイン
「ちょっと足が重いな」と思った時、それは体が出しているSOSかもしれません。無理にマッサージや利尿剤で対処するのではなく、体の声に耳を傾けて、根本から改善することが大切です。
東洋医学では、むくみを一時的な症状としてではなく、体全体のバランスの乱れと捉えます。鍼灸はそのバランスを整え、自然治癒力を引き出す方法のひとつ。7月の不快なむくみにお悩みの方は、ぜひ一度鍼灸の力を体験してみてはいかがでしょうか。
- 鍼灸 恵比寿
- 2025/06/21
6月におすすめのツボ 5選
日本では梅雨の時期で、湿気や気温の変化による体調不良が起こりやすい時期でもあります。
いくつか、この時期に特に効果が期待できるツボをご紹介します。
1. 湿気対策・消化器系を整えるツボ
足三里(あしさんり)
場所: 膝のお皿の外側の下から指4本分下がった、すねの骨の外側。
効果: 胃腸の働きを整え、消化吸収を助けます。梅雨の時期のだるさや食欲不振、胃もたれなどにも効果的です。全身の免疫力アップにも繋がります。
押し方: 親指でゆっくりと気持ちいい程度に押します。
陰陵泉(いんりょうせん)
* 場所: 膝の内側にある骨の出っ張りのすぐ下のくぼみ。
* 効果: 体内の余分な水分を排出し、むくみやだるさを軽減します。特に下半身のむくみに効果的です。
* 押し方: 親指で骨に沿って、少し押し上げるように刺激します。
2. 自律神経を整え、精神的な不調を和らげるツボ
内関(ないかん)
場所: 手首のしわから指3本分、肘側に向かった腕の内側の中央。2本の腱の間。
効果: ストレスや不安を和らげ、自律神経のバランスを整えます。乗り物酔いや吐き気にも効果があります。
押し方: 親指でゆっくりと、少し深めに押します。
労宮(ろうきゅう)
場所: 軽く手を握った時に、中指の先が当たるところ。手のひらのほぼ中央。
効果: 精神的な緊張を和らげ、心を落ち着かせます。不眠やイライラにも良いとされています。
押し方: 親指で心地よいと感じる強さで押します。
3. 肩こりや頭痛に効くツボ
合谷(ごうこく)
場所: 親指と人差し指の骨が交わる手の甲のくぼみ。
効果: 肩こり、頭痛、目の疲れなど、上半身の不調に広く効果があります。体の気血の流れを良くします。
押し方: 反対側の手の親指と人差し指で挟むようにして、少し痛気持ちいい程度に押します。
★ツボ押しのポイント
心地よい強さで: 強く押しすぎず、気持ちいいと感じる程度の強さで押しましょう。
ゆっくりと: 5秒ほどかけてゆっくり押し、ゆっくり離すのを数回繰り返します。
呼吸と合わせて: 息を吐きながら押し、息を吸いながら緩めるとより効果的です。
継続する: 毎日少しずつでも継続することが大切です。
お風呂上がりなど: 体が温まっている時の方が、ツボが刺激されやすくなります。
梅雨の時期を快適に過ごすために、ぜひこれらのツボを試してみてくださいね。もし体調が優れない場合は、専門家にご相談ください。
- 鍼灸 恵比寿
- 2025/06/07
6月コラム 梅雨時期の“なんとなく不調”、実は自律神経がカギかも?
6月、梅雨の季節がやってきました。
空模様がすっきりしない日が続くと、なんだか気持ちまでどんよりしてしまいますよね。
さらに、こんな症状、心当たりはありませんか?
なんとなく体がだるい
朝起きるのがつらい
頭が重くて集中できない
気分が落ち込みやすい
むくみや冷えが気になる
実はこれ、**「自律神経の乱れ」**が関係しているかもしれません。
☔気圧の変化と自律神経の関係
梅雨の時期は、低気圧が続いたり、気温・湿度の変化が大きくなったりと、身体が気候に振り回されやすい時期。
こうした外的な変化は、自律神経にじわじわと負担をかけます。
自律神経は、私たちが意識しなくても呼吸や体温、内臓の働きなどを調整してくれる「体の司令塔」のような存在。
そのバランスが乱れると、心も体も不安定になり、疲れや不調が出やすくなるんです。
特に、梅雨時期は**副交感神経(リラックスモード)**が優位になりがちで、「だるい・眠い・やる気が出ない」といった感覚が出てくることもあります。
????鍼灸でできるケア
そんなときにおすすめしたいのが、鍼灸による自律神経ケアです。
鍼灸では、ツボ(経穴)を通して神経や血流にやさしくアプローチ。
交感神経と副交感神経のバランスを整え、内側から“めぐり”を良くすることで、自然と身体が軽くなっていくのを感じられます。
たとえば、こんな効果が期待できます:
朝の目覚めがスッキリする
頭の重だるさが取れる
冷えやむくみの改善
気分の安定
眠りの質の向上
治療後に「呼吸がしやすくなった」「視界が明るく感じる」などのお声もよくいただきます????
☘セルフケアのポイントも!
梅雨の体調管理には、日々の小さな心がけも大切です。
鍼灸とあわせて、こんな習慣を取り入れてみましょう。
朝はカーテンを開けて光を浴びる(体内時計をリセット)
湯船にゆっくり浸かって体を温める
深呼吸やストレッチでリズムを整える
雨の日こそ、少し体を動かして巡らせる
自分をいたわる“梅雨の養生”、始めてみませんか?
????さいごに
体調のちょっとした違和感は、放っておくと大きな不調につながることも。
梅雨の時期を元気に乗り切るために、鍼灸で“心と体のバランス”を整えてあげましょう。
スタッフ一同、みなさまのご来院を心よりお待ちしています☘️
お気軽にご相談くださいね。
- 鍼灸 恵比寿
- 2025/05/28
季節の変わり目、首や肩のこりがつらいと感じるあなたへ
~東洋医学の視点から見た“春こり”のケア~
5月。暖かい日差しとさわやかな風が心地よい季節ですが、実はこの時期、体に不調を感じる方が多く来院されます。特に多いのが「首や肩のこり」。ただの疲れや姿勢のせいだと思っていませんか? 実は、東洋医学ではこの時期特有の“気”の流れが関係していると考えられています。
春は「肝」が乱れやすい季節
東洋医学では春は「肝(かん)」の働きが活発になる時期。肝は「血(けつ)」を蓄え、全身に巡らせる役割があります。しかし、春は気温や気圧の変化、生活環境の変化などから“肝の気”が滞りやすくなり、自律神経の乱れや、筋肉のこわばりを引き起こします。これが、首や肩のこりとなって現れるのです。
現代人特有の生活習慣ともリンク
リモートワークやスマホの長時間使用により、現代人は下を向いて過ごす時間が長くなっています。その結果、首~肩~背中にかけての筋肉が緊張しやすくなり、血流が滞ります。この“気・血・水”の流れの滞りが、さらにコリを深刻化させていきます。
鍼灸で気血を巡らせ、根本ケアを
鍼灸治療では、首や肩に直接アプローチするだけでなく、肝の経絡を調整しながら、自律神経のバランスを整えていきます。特に春~初夏にかけては、背中のツボや手足のツボを活用して“肝の気”をスムーズに巡らせることが大切です。血流が改善されることで、筋肉の緊張も自然とほぐれていきます。
- 鍼灸 恵比寿
- 2025/05/16
がんばる女性にこそ必要な”5月の休息”
◆ 五月病とは?
「五月病」とは正式な医学用語ではありませんが、新年度の環境変化によって心身に不調をきたす状態の総称です。特に4月に環境が大きく変化した人に多く、5月の連休明けごろから症状が出始める傾向があります。
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◆ なぜ5月に体調を崩しやすいの?
1. 自律神経の乱れ
春は寒暖差が大きく、また日照時間の変化もあるため、体がストレスを受けやすい時期です。さらに4月からの緊張感が少し緩んだタイミングで自律神経がバランスを崩し、心身にさまざまな影響を与えます。
2. 新しい生活や人間関係による精神的ストレス
新しい部署、職場、学校、引っ越し、子どもの進学など、変化の多い春。4月は「がんばろう」と気を張って乗り切れても、5月になるとその反動が出やすくなります。
3. 連休明けの“気持ちの落差”
楽しい連休が終わると日常へのモチベーションが下がりやすく、「やる気が出ない」「休み明けがつらい」と感じる方が増えます。
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◆ 五月病の主な症状
心の症状|
• 意欲の低下(仕事・家事・趣味にやる気が出ない)
• 不安感、気分の落ち込み
• 集中力の低下
体の症状|
• 慢性的な疲労感
• 不眠または過眠
• 食欲不振・胃の不調
• 頭痛、肩こり、動悸、めまい
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◆ 誰にでも起こる可能性がある不調
五月病は「甘え」や「弱さ」ではありません。
特に、真面目な人・がんばり屋さん・気を遣うタイプの人ほど、心身の限界を感じにくいため、気づいたときには大きな不調になっていることもあります。
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◆ 鍼灸のアプローチ
東洋医学では、「気・血・水」の巡りが乱れることで自律神経が不安定になると考えます。鍼灸では以下のような施術を通じてアプローチします。
• 気の巡りを整える:ストレスで滞った気の流れを改善(太衝・神門・内関 など)
• 胃腸の働きを高める:食欲不振や胃の不快感に(中脘・足三里)
• 睡眠の質を整える:不眠や浅い眠りに(百会・安眠)
• 心身の緊張を解く:肩こりや頭痛、疲れに(肩井・風池)
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◆ 自分を労わる5月に
「連休明けに調子が悪い」と感じたら、それは“怠け”ではなく、心と体からのサインかもしれません。
爽快館 恵比寿では、ひとりひとりの体質や生活背景を考慮し、その方に合った鍼灸ケアをご提案しています。
ふとした不調を放置せず、早めのケアで健やかな春を迎えましょう。