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恵比寿
2026/01/09

【漢方薬剤師が解説】冬の不調は「腎(じん)」からのSOS

こんばんは、誠心堂薬局 恵比寿店の西野です。今回は冬に消耗しやすい腎と女性のケアについてご消化致します。

1. 冬の不調は「腎」からのSOS

漢方(中医学)では、冬は五臓の「腎」が最も影響を受ける季節と考えます。「腎」は、私たちの生命力や生殖能力、若々しさを司る重要な場所。7の年齢の倍数で変化するといわれ、40代は、42歳、49歳と節目が2回も訪れるため「腎」のエネルギー(腎気)が緩やかに減少を始める時期でもあります。

冷えが辛い、下半身が重だるい

肌のハリがなくなる、目の下にクマができる

生理周期が乱れる、経血量が減る

これらの症状は、寒さによって「腎」のエネルギーが消耗し、体を温める力(腎陽)や、栄養を届ける力(血)が不足しているサインです。

 

2. お肌を栄養するのは「血(けつ)」

冬の皮膚トラブル(乾燥、痒み、くすみ)に対し、外側からの保湿だけでは追いつかないのが40代のリアルです。

漢方望診では、お肌の色=血流の状態を示し、淡ければ不足し、暗ければ血行不良を示します。乾燥してる場合は肌を潤すのは、実は「血液」そのものなので、血が十分にあり、全身を巡っていれば、肌は内側からしっとりと潤います。

逆に血が不足(血虚)していると、体は生きるために大切な「内臓」へ優先的に血を送り、肌や爪、そして子宮への供給を後回しにしてしまいます。冬の乾燥肌は、実は「子宮や卵巣の栄養不足」を知らせるアラートでもあるのです。

 

3. 40代妊活の鍵は「補腎陽(ほじんよう)」

妊活中の方にとって、冬は「子宮をふかふかのベッドにする」ための大切な準備期間です。

寒さで体が冷えると、血管が収縮し、卵巣や子宮への血流が滞ります。この時期に意識したいのが「補腎陽」。つまり、下焦(下半身)にある胞宮=子宮卵巣を内側から温める力を補うことです。

注意したいのは、最近流行している「お腹の脂肪を落とす漢方(防風通聖散など)」の自己判断による服用です。これらは「出す力」が強く、体質によっては大切な熱や血まで流してしまい、子宮を冷やしてしまうことがあります。冬は「出す」ことよりも「補う(蓄える)」ことを優先しましょう。

 

4. 今日からできる「冬の食養生」

「腎」を補い、血を増やすために、毎日の食事に以下の食材を取り入れてみてください。

黒い食材(腎を養う): 黒豆、黒ごま、黒きくらげ、ひじき

赤い食材(血を補う): なつめ、クコの実、赤身の肉、レバー

温める食材(陽気を補う): 生姜、シナモン、羊肉、ニラ、エビ

特に、夜寝る前に温かい黒豆茶やなつめ茶を飲む習慣は、心身をリラックスさせ、血が作られる「深い眠り」をサポートしてくれます。

 

5. 最後に:冬の過ごし方が「春」を決める

冬にしっかりエネルギーを貯金(補腎・補血)できた方は、春になっても自律神経が乱れにくく、肌荒れや生理不順に悩まされることが少なくなります。妊活中の方も、冬に土台を作っておくことで、春の卵胞発育に良い影響が期待できます。

「私の今の体質には、どの漢方が合っているの?」 「具体的な飲み合わせを知りたい」

そんな不安がある時は、一人で悩まずにぜひご相談ください。漢方薬局は、あなたの体が本来持っている「健やかになろうとする力」を一緒に引き出す場所です。

この冬、あなただけの「温めと潤い」のレシピを一緒に見つけていきましょう。

 

 

【漢方相談のご案内】 当薬局では、40代女性のお悩みに特化したカウンセリングを行っております、是非お気軽にご相談ください♪

 

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恵比寿
2025/10/25

【漢方薬剤師が解説】月経不順のタイプと原因、中医学・漢方薬ケアについて

こんにちは、誠心堂薬局恵比寿店薬剤師の西野星彦です。

本日は、月経不順について中医学での区別と漢方ケアと養生のポイントについてご紹介しようと思います。

① 周期が短いタイプ(頻発月経)

中医学上の区分では、血熱タイプ気虚タイプが挙げられます。

月経不順の中でも、排卵が早くなる=全体の周期が短くなる方は稀発月経とよばれます。

気血が消耗している場合と、血熱により代謝が早まっている場合とで全く原因と中医学での対処は異なります。

血熱タイプ

体に熱がこもりやすく、代謝や血流が促進されることで月経が早まるタイプです。

症状は、顔が赤い、のぼせいらいら経血量が多いなどの特徴で、脈は早くなる(90回/分)事が多いとされます。

バセドウ病などの基礎疾患が原因となる事もあります。

漢方薬でのサポート:基本的に身体の熱を冷まして、滋養するタイプの漢方薬をご提案することが多いです。

(清営顆粒などに含まれる牡丹皮や赤芍などは身体の熱を冷まして血流を改善します。)

熱のタイプによって、(ストレスや痰湿などの老廃物、瘀血などの血行不良など)

養生の要点

刺激物・辛いものを控える点(血熱を鎮める)

・後述する気虚タイプ同様に、理由は異なりますが睡眠時間の確保(10時~2時までがストレスケアと成長ホルモンの分泌のゴールデンタイム)が重要です。(潤いや血液を充実させて余分な熱を生じないようにするため)

 

気虚タイプ

気の力が弱く、未成熟卵が早く排卵されてしまうタイプです。

疲れやすい、顔色が白い、出血がだらだら続く(脾不統血)などの症状が特徴です。血熱タイプとの区別では、脈が緩脈(60回/1分)と遅くなる点が大きな違いです。

甲状腺機能の観点から、甲状腺機能の低下などの代謝が落ちている状態と関連することも示唆されるのも対照的といえます。

漢方薬でのサポートとしては、補気養血(帰脾湯、十全大補湯などの元気や血液を補う漢方分類)を活用されることが多いです。

養生の要点

・11時代~7時間半以上の適切な時間帯で睡眠をしっかりとる点。

 ・過労を避ける点。(気の消耗防止)

・食事量の確保(1日1,950kcal 朝ご飯を抜かない点)

 

② 周期が長いタイプ(稀発月経)

卵胞や子宮内膜は血液や栄養によって滋養されて、適切な月経周期を形成しています。

それらが、(血や栄養=陰分)不足した際に卵胞の成長に時間がかかり、周期が長くなることが示唆されます。

中医学上の区分では、血虚腎陰虚が原因として挙げらます。

 血虚タイプ

血が不足し、子宮や卵巣へ栄養が満たされていないタイプです。

症状は、顔色が淡い、色艶が乏しい、白髪抜け毛などの髪のトラブル、爪がもろく割れやすいなどの爪のトラブルが特徴です。

月経関連では、周期が長いだけでなく経血量が少ないことが多く、出血自体も淡い、水っぽい、場合によって上述の気虚が強い場合は、ダラダラと生理が一旦収まったと思っても出血が続くなどのお悩みやご相談をいただくことも多いです。

 漢方薬のサポートとしては、養血調経(四物湯、当帰芍薬散など)子宮卵巣の栄養である血液を主に補うことが基本となりますが、気血を吸収、全身へ運搬する脾胃=胃腸の運化=消化吸収機能を高めることも重要となります。

養生方法も、気虚タイプの方とほぼ同じですが、血液を補う食べ物には赤い物が良いとされます。また、良質な脂質やタンパク質の摂取も血液や物質的なものを作るのに重要です。レバーやクコの実、牛肉などの胃腸の状態に合った無理のない程度に適切な血肉になるものをしっかり摂りましょう。プロテインなどの活用も重要です。1日に体重換算1kg=1g~2g(50kgなら50g~100g)になるように意識しましょう。

腎陰虚タイプ

腎陰(=イメージや概念的ですが卵子自体のタンパク質や卵胞液、女性ホルモンエストロゲンの分泌やその機能)が不足している状態で、卵胞の発育が通常よりも遅れてしまうタイプです。

腎陰が不足する原因は、先天的な腎虚(もって生まれた体質で月経不順や月経が始まるのが遅い方など)と後天的な腎虚(胃腸虚弱や若年期の過度なダイエットなどの栄養失調)が挙げられます。

腎陰虚の具体的な症状は、腰痛や潤い不足による肌や目の乾燥、痩せ型でほてり、のぼせ、口の乾き、寝汗が出やすいなどの症状が複数でることもあります。(進行度によります。)

漢方ケアとしては、胃腸に留意しながらの補腎陰(六味地黄丸、知柏地黄丸など)が重要です。

生活養生としては、上記の睡眠や食事習慣に加えて、黒い食べものが腎陰を補うといわれるので、黒豆、黒きくらげ、烏骨鶏などの黒い食材の摂取が有効です。

 

その他のタイプについても次回のコラムで解説します。

体質に合わせた漢方ケアと養生で月経不順を改善することで、妊活治療をサポートすることが可能です。

恵比寿
2025/09/15

【漢方薬剤師が解説】不妊症とPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)について

こんにちは、誠心堂薬局恵比寿店薬剤師の西野星彦です。

本日はご相談を多くいただくPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と不妊症との関係や漢方の考え方についてご紹介致します。

①PCOSとは?

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、卵巣の中にたくさんの未成熟な卵胞ができてしまい、排卵がうまく起こらないことで月経不順や不妊につながる婦人科疾患です。生殖年齢女性の6〜10%にみられるともいわれ、決して珍しいものではありません。

諸外国ではにきびや多毛、体重増加など、肥満型のPCOSが多くみられますが、日本ではストレスや過度な栄養制限によるホルモンバランスの乱れに伴う痩せ型の気血両虚タイプの方が多いといわれています。

高プロラクチン血症インスリン抵抗性を合併することもあり、妊娠だけでなく将来の健康管理の上でも注意が必要です。

 

②中医学からみたPCOS

 

中医学では、体のバランスが乱れることで排卵やホルモンに影響が出ると考えます。

PCOSには次のようなタイプが複合的に関わっているとされます。

 

肝鬱気滞(かんうつきたい)

ストレスや緊張で「気」の流れが滞り、ホルモン分泌のリズムが乱れる。(男性ホルモンの亢進)

瘀血(おけつ)

肝鬱気滞が原因となり血液の巡りが悪くなると、卵巣や子宮に必要な血流が届きにくくなります。

腎虚(じんきょ)

生殖機能の土台となる「腎」の力が弱まり、卵胞の育ちが不十分になります。卵子の質や受精卵のグレードにも関連します。

痰湿(たんしつ)

余分な水分や代謝物が体にたまり、卵巣に未成熟な卵胞が増えやすい。(肥満型の方に多い。)

気血両虚(きけつりょうきょ)

体のエネルギーや血が不足し、卵胞の成長や着床に必要な栄養が不足する。また、筋力の低下や血糖上昇を担うグルカゴンの相対的上昇もPCOSに関連するといわれます。

 

漢方薬によるアプローチ

 

中医学では、それぞれの体質や症状に合わせて漢方薬を選びます。

肝鬱気滞タイプ:柴胡疎肝湯、逍遙散、香附子、三稜や莪朮などで気の流れを整える。

瘀血タイプ:芎帰調血飲、桂枝茯苓丸、桃紅四物湯、丹参などで血の巡りを改善します。

腎虚タイプ:亀板、鹿角膠、六味地黄丸や右帰丸などで腎を補う。

痰湿タイプ:五苓散、半夏瀉心湯、二陳湯や苓桂朮甘湯などで余分な水分を取り除く。

気血両虚タイプ:十全大補湯や人参養栄湯などで体力と血を補う

 

養生(生活習慣)の工夫

漢方薬に加えて、日常のケアもとても大切です。

PCOSは生活習慣病の一種といえるほど、ストレスや睡眠の習慣の改善が大変重要となります。

ストレスをためないようリラックス時間をつりましょう。軽い運動で血流と代謝をよくすることも、

筋力上昇、ストレス発散に大変効果的です。

胃腸のケアや痰湿の予防には冷たい飲食や甘いもの・油っこいものを控える事が重要です。

 

まとめ

PCOSは「排卵障害」という共通点はあるものの、その背景にある原因は人によってさまざまです。

中医学では一人ひとりの体質を見極め、漢方薬と生活養生を組み合わせてサポートしていきます。

妊娠を希望されている方だけでなく、将来の健康や生活の質を整えるためにも、早めのケアが大切です。

恵比寿
2025/08/07

【漢方薬剤師が解説】体質から考える自律神経失調症~多汗症・うつ病・睡眠障害・過食の症状が改善~

本日は最近多くの方からご相談がある自律神経失調症についてのお話をさせていただきます。

 

【自律神経のバランスが乱れる原因】

自律神経は活動時の交感神経とリラックス時の副交感神経がバランスを保ちながら生命活動を維持しています。

仕事や家庭、人間関係などのストレス、ホルモンバランスの乱れ、季節の変わり目など…自律神経を乱す原因は様々です。

 

【自律神経失調症の症状】

交感神経副交感神経のバランスが崩れることで心身ともに様々な症状があらわれます。

身体的症状:動悸、息切れ、耳鳴り、疲労倦怠感、頭痛、ほてり、便秘、多汗、手足のしびれ、頻尿、冷え、過食、吐き気

精神的症状:イライラ、不安感、抑うつ、不眠、気分の落ち込み、無気力、感情のコントロールができない

 

【中医学で考える自律神経失調症の体質と養生法】

・肝気鬱結(かんきうっけつ)

体の気血を巡らせる”肝”の働きが低下している状態です。

交感神経の緊張が強く、イライラ、お腹の張り、手足の冷え、頭痛、のぼせ、過食などの症状があらわれます。

柑橘類やミント、セロリ、春菊、ジャスミンなど香りの良い食材が肝の働きをサポートしてくれます。

 

・心脾両虚(しんぴりょうきょ)

ストレスや考え過ぎで気血が消耗することで、精神活動を司る”心”と胃腸の働きを司る”脾”の働きが低下している状態です。

不眠、夢をよく見る、貧血、めまい、物忘れ、疲労感、食欲不振などの症状があらわれます。

人参、ほうれん草、卵、なつめ、黒ごまなど気血を補い、胃腸を整える食材がおすすめです。

 

・心腎不交(しんじんふこう)

加齢や心労、過労により、身体の体液が不足し、余分な熱がこもっている状態です。

動悸、不眠、手足のほてり、寝汗、足腰のだるさ、耳鳴りなどの症状があらわれます。

潤いを補う牡蠣、豚肉、きゅうり、トマト、牛乳などが体の熱を冷ましてくれます。

 

【症例のご紹介】

当薬局で漢方をご服用いただいているお客様からお喜びの声をいただきましたのでご紹介させていただきます。

 

 S様 24歳 女性

 お悩みの症状:多汗症、うつ病、睡眠障害、過食

 漢方薬の剤形:エキス剤

 身体の変化を感じるまでの期間:1週間~2週間くらい

 「悩みに対してとても親身になって話をきいてくれて、私の現在の症状に合った漢方を処方して下さいました。

 おかげで少しずつ不調が良くなり、元気になっていくのを実感できてとても嬉しいです。漢方に対するイメージも変わりました。

 これからも続けたいと思います。ありがとうございました。」

 

ご体質に合った漢方薬や養生方法で、ストレス社会を生き抜く皆様のお力になれればと思います。

漢方薬誠心堂では、不妊治療、婦人科、皮膚疾患、自律神経のお悩みなど幅広い女性のお悩みを漢方相談とライフスタイルに合った治療提案を行っております。お悩みの症状がありましたらお気軽にご相談ください。

ネットでのご予約はこちらから。お電話でもお気軽にお問い合わせください。 

 

誠心堂薬局恵比寿店

店長 川﨑千尋

恵比寿
2025/07/21

【漢方薬剤師が解説】顔に現れる五臓の不調 ~にきびと内臓の深い関係~

今日は、ニキビの出現部位と、原因となる臓腑の関係についてご紹介します。

ニキビは基本的にストレスや緊張による自律神経の乱れ『肝鬱気滞』や、ストレスによる熱症状である『肝火』によって発生します。

肝胆の経絡は、顔だけでなく、体の側面部を通っているため、肝鬱や肝火などのストレスニキビは、こめかみや頭皮、生え際や耳の周りなどの側頭部に出やすい特徴があります。

温熱性の飲食物(辛いものや飲酒)食生活の乱れにより胃腸に熱や老廃物(湿熱)がこもったケースでは、口周りや顎やクビに生じやすくなります。

また、額やTゾーンに出やすい方は、風熱犯肺(長期間の日焼けや風熱の感染症)やもともと蓄膿症などの肺熱の症状がある方に出やすい特徴があります。

背中や胸のニキビについては、女性ホルモンの乱れや肝腎不足=慢性的な過労やストレスによる肝血の消耗、年齢による腎陰虚の進行などによって生じる事が多いです。

 

また、それぞれおが複合的に絡み合ってしまうケースが多いため、同じニキビや肌荒れといっても、原因と対処をしっかり確認した上での治療が望しいです。

 

漢方薬誠心堂では、不妊治療、婦人科、皮膚疾患、自律神経のお悩みなど幅広い女性のお悩みを漢方相談とライフスタイルに合った治療提案を行っております。お悩みの症状がありましたらお気軽にご相談ください。

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