
店舗お知らせ
- 恵比寿
- 2026/02/26
【漢方薬剤師が解説】アトピー・湿疹を「根本」から見直す。中医学の「標治」と「本治」
こんにちは、誠心堂薬局恵比寿店の西野星彦です。
ステロイドや抗アレルギー薬を使用すると一時的に良くなるけれど、やめるとすぐにぶり返してしまう。
アレルギー体質の方で、アトピー性皮膚炎や湿疹、蕁麻疹について繰り返す悪循環に悩んでいる方が多いです。
原因の明確化や根本からの治療が難しい上記症状において中医学には、今の症状を抑える「標治(ひょうち)」と、体質そのものを立て直す「本治(ほんち)」という2つの治療アプローチで対応が出来ることが最大のメリットです。
1. 標治:まずは「火」=血熱(けつねつ)を取る治療
激しい痒み、赤み、熱を持って腫れている状態は、中医学では体に「熱」がこもった「血熱」の状態と考えます。この火がついた状態は、患者様がつらいだけでなく放置すると血液や陰分を消耗し、体質の悪化(内証)にも繋がるため、先ずは症状の緩和は重要です。
中医学での対処方法: 苦みのある生薬(苦参など)で熱を冷ましたり、熱を冷ます力が強い石膏、あるいは血にこもった熱を清める赤芍や牡丹皮などを組み合わせ、皮膚の炎症を消し止めまることが最優先となります。
この時期のポイント: 身体は、炎症やアレルギー反応が出やすい過敏な時期です。
飲酒や喫煙、動物性の脂質(バター)、揚げ物、辛いものなどの身体に湿熱や血熱が生じる飲食物は特に厳禁です。また、エビやカニなどの独特な臭気(腥性)のある食べ物も炎症を誘起することがあるので避けましょう。(発物="はつぶつ"と呼びます。)
2.本治: 中長期的な体質改善(気虚のケア=免疫の正常化、血虚のケア=丈夫な肌作り)
炎症が落ち着いてきたら、そこで終わりでなく根本原因である免疫力の正常化や、炎症で消耗した潤いや血液を補う「本治」治療が重要となります。
湿疹やアトピー、蕁麻疹は免疫力の過剰反応であるⅠ型アレルギーと関与します。中医学でアレルギーの原因を考えると先天的な胃腸虚弱体質である「脾気虚」や「肺気虚」が根本原因です。
元気の一種である衛気は外敵(刺激やアレルゲン)から身を守るバリア機能の役割があります。
バリア機能を強化するとアレルゲンや外部刺激に対して丈夫になり、「血熱(炎症)」が再燃しにくくなります。
また、胃腸から肌の材料である血液が作られるため、炎症や傷で消耗した肌の回復には、補血や補陰の漢方も重要です。
3. 治療のまとめ
繰り返すお皮膚の悩みは、単に「炎症を抑える」コントロールする治療だけでは不十分なケースがあります。
炎症の原因である血熱を外へ排出する漢方内服治療(標治)
胃腸を元気にして気血を生成し、バリア機能(気)と回復(陰血)を増やす治療(本治)
この2つのバランスを一人ひとりの体質や季節、その日の症状によってオーダーメイドで治療することが重要です。
誠心堂薬局では長年の漢方治療ノウハウの蓄積で、様々な「標治」の手法が確立されています。また、同時にあなたの体質を見極め、根本から立て直す「本治」のプランを一緒に組み立てていくことが出来ます。
皮膚のコンディションの変化は、体の中の陰と陽や気血津液のバランスが崩れているサインといえます。
慢性的な症状でお悩みの方や根本的な体質改善を目指したい方は、ぜひ一度ご相談して漢方薬煎じ薬を試してみて下さい。
ご予約はこちらまで。お電話でも承っております。03-5422-8853
- 恵比寿
- 2026/02/15
【漢方薬剤師が解説】中医学で考える不育症・習慣性流産
こんにちは、誠心堂薬局恵比寿店の西野です。
不育症や習慣性流産は、不妊治療においては重要な課題で、心身に負担がかかる事が多く対策が難しいお悩みのひとつです。
西洋医学においても検査で原因が特定できる場合もあれば、原因不明とされるケースも少なくありません。
今回は中医学における考え方を赤ちゃんを育むための「体温を維持する=腎陽気の補充」と「血液なスムーズな流れ=瘀血の解消」の2つの原因と対策についてフォーカスしてご紹介します。
1. 補腎温陽(ほじんおんよう):下焦(お腹、足腰、胞宮=子宮卵巣)の体温の安定化
中医学での「腎(じん)」は腎臓機能という意味だけでなく生命力の源とされ、生殖機能を司る場所です。ここが弱った状態(腎陽虚)は、高温期の安定化や黄体ホルモンなどのホルモン分泌不足にも関わるため補っていく治療を行います。
体調のサイン: 脈がゆっくり(1分に60回前後)、足腰の冷えやむくみ、夜間尿、顔色が青白い、低体温(低温期は36℃未満、高温期も36.7℃未満)
養生のヒント:冷たい飲食を避け、羊肉やくるみ、黒大豆、生姜や食前酒(紹興酒)など「温める力」のある食材を摂る。
2. 活血(かっけつ):栄養を届ける「水路」を整える。血栓発生の予防
子宮の栄養状況が良い状態でも、血流が滞って栄養が届かなければ赤ちゃんの成長にも影響があります。
血の巡りが滞る状態(瘀血/おけつ)は、胎盤を通じて赤ちゃんに酸素や栄養を届ける力を弱めてしまうと考えます。
体のサイン: 痛みや凝りが出やすく、肩こり、頭痛、月経痛が出やすくなります。また、アザができやすい、月経血に塊が混じるなども特徴的です。
養生のヒント: 慢性的な過労やストレスを避ける、血流改善には運動が有効です。同じ姿勢を避け、こまめにストレッチをする。
香りの良いもの(シソ、春菊、マイタケなど)で気の巡りを助け、活血食材(にんにくやニラなど)血を動かす食材も重要です。
ストレスと不育症には密接な関わりがあることもわかっており、中医学での自律神経の緊張緩和『肝鬱気滞』のケアも血流改善の観点からも重要です。特にそれに伴う血行不良=瘀血のケアは大変重要です。
不育症のケアは、妊娠中のケアや流産後のケアを含めると長い道のりになることもありますが、誠心堂薬局では患者様の体質やご要望にあわせた、ご相談を通した漢方のご提案をさせていただいております。体質によって対処方法も変わりますので、お気軽にご相談下さい。
画像出典:https://www.yakuzen-yuyu.com/yakuzen_kihon/kihon_1
- 恵比寿
- 2026/02/14
予約状況のお知らせ《2/14~2/28》
新規ご相談のご予約時間のお知らせいたします。
中国語で相談出来る中医学アドバイザーは月、火、木、金曜日の出勤となります。
(我们的中医顾问可以用中文提供咨询,周一、周二、周四、周五工作。)
当社代表の西野裕一先生(不妊治療のエキスパート)のご相談は土曜日となります。
ご予約状況は投稿時点で、下記のお時間で初回ご相談のご予約が可能ございます。
※水曜日担当の張塋先生は中国へ帰国中のため、張塋先生指名でのご予約は受け付けておりません。
※金曜日に新たに栄先生(男性)が配属となりました。不妊症や婦人科のみならず、皮膚疾患、小児疾患、特に難病治療の中医学に精通した、
ベテランの中国中医師です。
※4月16日より川﨑新店長(女性)が隔週日曜日担当しております。不妊治療、婦人科、ダイエット(ファスティング)の相談経験が豊富です。
女性ならではのご体調に関するお悩みも安心してご相談いただけます。
2/14(土)18:00(不妊治療のエキスパートの西野裕一先生担当日です。)
2/15(日)10:00 16:00
2/16(月)10:30 16:00 17:00
2/17(火)14:30 15:00
2/18(水)15:30 17:00(店長の川﨑先生担当日です。)
2/19(木)14:00 15:00 16:00 17:00
2/20(金)10:30 14:00 16:00 17:00(可以用中文咨询。栄先生)
2/21(土)13:00 15:00 16:00 17:00(不妊治療のエキスパートの西野裕一先生担当日です。)
2/22(日)10:30 14:30(店長の川﨑先生担当日です。)
2/23(月)10:00 11:00 15:00 16:00
2/24(火)10:00 11:00 14:30 16:00
2/25(水)14:00 15:00 16:00 17:00(店長の川﨑先生担当日です。)
2/26(木)満席
2/27(金)10:00 11:00 15:00(可以用中文咨询。栄先生)
2/28(土)11:30 14:00 15:00 16:00 17:00(不妊治療のエキスパートの西野裕一先生担当日です。)
※1 日本人スタッフは常勤しております。
※2 ご予約状況は、投稿時点での状況となります。予約の最新状況は下記までお電話連絡下さい。
☎03-5422-8853
※3 初回は、問診や漢方治療についてのご説明に1時間半程お時間を頂いておりますが、お時間が限られる場合はご相談下さい。
2回目以降のご相談時間は30分程となります。
- 恵比寿
- 2026/02/07
【漢方薬剤師が解説】大人ニキビの弁証論治
こんにちは、誠心堂薬局の西野です。今日はニキビの漢方治療についてご紹介します。
中医学では、皮膚のお悩みも大変得意としています。私自身も雲南省にある尋常性乾癬=銀鱗病の治療に精通した病院に見学にいき、原因不明で多岐にわたる皮膚治療を学んで参りましたので是非お肌のお悩みはご相談くださいませ。
「生理前になると決まって同じ場所にできる」「跡がなかなか消えない」「赤く腫れて痛い」……。 40代のニキビは、10代の頃のような「皮脂の過剰」だけが原因ではありません。
ニキビの現れ方から体内の「気・血・熱」の状態を読み解きます。今回は、特に多い3つのタイプを中医学の観点から解説しようと思います。
1. 【肝鬱気滞タイプ】生理前に悪化し、顎周りにできるストレスや自律神経の乱れが原因で、エネルギー(気)の巡りが滞っている状態です。
特徴: 生理前にイライラや胸の張りとともに悪化する。顎やフェイスライン(Uゾーン)にできやすい。
体のサイン: 歯の食いしばり、肩こり、PMS(月経前症候群)が強い。
漢方の視点: 気が滞ることで熱がこもり、それが皮膚に噴出します。
養生法: 香りの良い食材(シソ、ジャスミン茶、セロリ)を積極的に。深呼吸をして、顎の力を意識的に抜く時間を作ってください。肝胆系=ストレスと関わる臓腑が休まる時間帯の11~1時の時間帯は睡眠時間の確保しましょう。
2. 【瘀血(おけつ)タイプ】黒い芯があり、痛みを伴う血流が滞り、古い血が肌の深部で渋滞を起こしている状態です。
特徴: ニキビの色が暗い(紫がかった赤)、中心に硬い芯がある、触ると痛い、治った後に黒ずんだ跡になりやすい。
体のサイン: 生理痛がひどい、経血に塊が混じる、子宮内膜症や筋腫の既往がある。
漢方の視点: 「瘀血」は代謝されるべき古い血が居座っている状態です。血流を改善して「掃除」しない限り、同じ場所で繰り返します。
養生法: 入浴で体を芯から温めること。炎症がなければシナモンなどの血を温め巡らせる食材がおすすめです。熱がこもっている方は有酸素運動で皮膚の血流を改善しながら汗といっしょに老廃物を排出しましょう。
3. 【胃熱(いねつ)タイプ】赤みが強く、炎症が激しい体の中に過剰な「熱」がこもり、肌が燃えているような状態です。
特徴: 鮮やかな赤色で、膿を持ちやすい。顔全体が脂っぽく、熱感がある。脾胃が開竅する口周りに出来やすい。
原因: 辛いもの(唐辛子・スパイス)、温熱性の高い食べ物(羊肉・ニンニク)、アルコールの摂りすぎ。
漢方の視点: 胃腸に溜まった熱が上昇し、顔を赤く腫らせます。
養生法: お酒や刺激物は一時お休みを。トマト、きゅうり、ナスなど、熱を冷ます夏野菜や、ハトムギ茶で体内の熱を逃がしましょう。
ニキビ治療や皮膚の中医学治療で大切なのは背景を見極めることです。
例えば、瘀血(おけつ)タイプのニキビを放置することは、子宮の血流不足を放置することにも繋がりかねません。逆に言えば、体質に合った漢方で内側を整えれば、肌がきれいになるだけでなく、生理痛が軽くなったり、妊活に良い影響が出たりと、全身の健康が底上げされます。
「私のニキビ、どのタイプ?」と思ったら、お一人で悩まずにぜひご相談ください。鏡を見るのが楽しみになる毎日を、一緒に取り戻しましょう。
- 恵比寿
- 2026/01/25
【漢方薬剤師が解説】基礎体温のパターンと中医学的な体質、養生方法について
こんにちは、誠心堂薬局恵比寿店の西野です。
妊活を始める場合、自身の健康管理を行う上で、体質を類推するのに有効なのが『基礎体温』です。
中医学では基礎体温のパターンから、ある程度の体質を類推することが出来ます。例えばストレスによる肝鬱気滞がある方は波形の乱れがみられ、PCOSや排卵障害などのホルモンバランスの乱れを示したり、高温期が短い、全体の対応が低体温傾向の場合は黄体ホルモンの分泌が不足している黄体機能不全や腎陽虚や気血両虚などの栄養や陽気の不足と関連が示唆されます。
今回は、添付画像にある代表的な8つのパターンと、それぞれの特徴や原因、その対策について解説させていただきます。
① ダラダラ型(痰湿タイプ)
排卵期(=低温期から高温期への移行)に3日以上かかるタイプです。PCOS(多嚢胞性卵巣)や高プロラクチン血症などの排卵障害などで生じるため、老廃物の多い「痰湿(たんしつ)」体質が考えられます。(後述する腎陽虚や肝鬱気滞などのストレスや陽気の不足も関連することが多いです。)
② 凹型(腎陽虚タイプ)⑤ 高温期短期型 ⑥ 全体的低温型
高温期が10日未満、体温も36.7~37.0℃までしっかり上がらず、高温期の途中でガクンと体温が下がるタイプです。体力を維持する「気」や、温めるエネルギーが不足しており、体を温める陽気の不足した「腎陽虚(じんようきょ)」体質=黄体ホルモンの分泌や内膜を着床に向けてを育てる力が弱まっている可能性が示唆されます。
③ ギザギザ型(肝鬱気滞タイプ)
体温の変動が激しく、グラフが安定しないタイプです。過度なストレスや緊張により、食いしばりやPMSが強い方によく見られます。「肝鬱気滞・瘀血(おけつ)」体質が示唆されます。
④ 低温期長期型(血虚・陰虚タイプ)
卵胞の成長に時間がかかるタイプです。卵子を育てる「血(けつ)」が不足しやすい「血虚(けっきょ)」体質や、潤いや栄養分、女性ホルモンの分泌が不足しやすい「陰虚(いんきょ)」体質が示唆されます。
⑦ 全体的高温型(血熱・虚熱)
低温期でも体温が高いタイプ。体内に過剰な熱(炎症)がこもっている「血熱(けつねつ)」タイプや、潤い不足による「虚熱(きょねつ)」タイプが示唆されます。体質的な原因でなく、クロミッドや黄体ホルモンの補充療法中にも見られます。
⑧ 無排卵型(腎虚)
低温期と高温期の二相に分かれないタイプ。女性の7の年齢の倍数で変化するため、自然な変化で生じる場合が多いですが、生命力の源である「腎精」の不足が考えられます。後天的な原因としては水の滞り(痰湿)、ストレス(気滞)などが複雑に絡み合ってPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の可能性も示唆されます。
2. タイプ別・おすすめの養生法
「冷え」が目立つ方(②⑤⑥): 足首と腰回りを絶対に冷やさないこと。飲み物は常に常温以上、食材はカボチャや鶏肉など、お腹を温める「温性」のものを摂りましょう。
「ストレス・変動」が激しい方(①③⑧): 香りの良い食材(セロリ、シソ、ジャスミン茶)で気の巡りを改善。寝る前のスマホを控え、脳をリラックスさせる時間を意識的に作ってください。
「栄養・潤い不足」の方(④⑦): 物質的な「陰血」の材料となる食材を摂取しましょう。黒豆、なつめ、クコの実、赤身の肉を積極的に。23時までの就寝は、陰虚予防に必要不可欠です。寝汗やのぼせが気になる場合は、豆乳や蓮根などの潤い食材をよく摂りましょう。
「自分のタイプがいまいちわからない」「今のグラフに合った対策を知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
基礎体温をみるだけでなく血流測定や舌の状態、その他の体調と合わせて体質を考えたケアが重要です。





