産後ケア
ゆっくりママになっていきましょう

出産直後のママのカラダ

授乳

妊娠している期間はかわいい赤ちゃんを抱っこする日を今か今かと待ちわびていて、産声を聞いた時には、まさに天使を迎え入れた喜びが溢れていたと思います。


しかし出産という大仕事を終えたママの身体には劇的な変化が起こっています。 産後すぐは大きくなった子宮がもとに戻ろうと急激に収縮し、これを後産あとざんと言います。中には、出産より痛みが強い方もいらっしゃいます。


大きなお腹を支える為に開ききった骨盤は、身体を支えるにはグラグラと不安定な状態に。さらに出産したとたんに、生まれた赤ちゃんの為におっぱいを作り始める。


ママの体は、ものすごい変化をすると思いませんか?


そのため、身体の至るところに今まで感じなかった痛みが起こり、ホルモンバランスの変化により心にも違和感が起こりやすく、かわいい赤ちゃんを手にしても単純に「かわいい!うれしい!楽しい!」だけの感情になれない時も出てきてしまいます。


妊娠して、どこで出産するのかはご夫婦で考えていると思いますが、出産後に母体にどんな不調が起こりやすいのかを知っておくことはとても重要です。赤ちゃんを迎え入れた時の生活をご主人と一緒に是非考えてみて下さいね。


赤ちゃん中心の生活が始まると大きく変化することの一つに睡眠のとり方があります。 慣れない育児で長時間の睡眠がとれないとおっしゃる方がとても多く、睡眠不足によるストレスと常に隣り合わせ。よくあるケースで言えば赤ちゃんが寝ている間に家事を行おうとしてしまうことで、休める時間を自ら手放している方が本当に多いのです。



相談

そういったママには、
「赤ちゃんが寝ている間にママも仮眠を取るようにしてみてはいかがですか?」
とアドバイスをします。すると、
「そんなことをしたら家事が出来なくなる!!」
というお声が。



そうですね。ですが考えてみて下さい。赤ちゃんは近くにいる大人が健康でなければ、元気に育つことが出来ないのです。

赤ちゃんが生まれ育っていく時間とご夫婦がパパとママになっていく時間は同じ。すぐに産後の生活リズムを取り戻すことが出来ないのは当然です。


まずは産後のママ自身の身体の回復を一番に考え、パパとママが元気で過ごせること。これこそが赤ちゃんの安定に繋がり、赤ちゃんを迎え入れた生活も明るく楽しいものになっていくのだと思います。



時間をうまく使う

タイムスケジュール

まずは睡眠時間の確保から考えていきましょう。わかりやすいのは赤ちゃんの生活リズムを書き出す事です。可視化することで意外と隙間時間がある事が分かります。

赤ちゃんが一番長く寝ている時間帯に食事の支度を。短い睡眠の時にはママも一緒に仮眠を取るなどが理想的です。


パパも大変だとは思いますが、帰宅してから赤ちゃんの夜間のお世話は出来る範囲で構わないので関わってあげて下さいね。


中医学において睡眠と主に関係する臓腑は 「しん」、「かん」、「」の3つです。

:精神活動に関わる
:自律神経のバランスを調整し、情緒のコントロールを行う
:消化吸収して、栄養の生成する働きをする


睡眠は「人間の3大欲求の一つ」とも言われており、我々は欲求が満たされない事でストレスが生まれます。その他、上手くいかない育児での不安、過労や慢性的な体力の消耗などからもストレスが生まれ、暴飲暴食といった食生活の不摂生にも繋がります。
この流れがまさに 「心」、「肝」、「脾」への影響に繋がっているのです。


授乳中でもお飲み頂ける漢方薬は多種あり、その時のお身体や心のお悩みに合わせて対応出来ますので、お困りの方はいつでもご相談ください。


何においてもご自身のペースで、ご自身の納得できる方法を取り入れて 「ゆっくりゆっくりママになって下さいね。」

ご家庭でできる食養生

“心”を元気にする食材

卵、豚レバー、小麦、小豆、緑豆、ユリ根、レンコン、スイカ、ニンジン、牛乳など


“肝”を元気にする食材

ウナギ、アサリ、シジミ、ニラ、ホウレン草、ヨモギ、牡蛎、たこ、いか、赤貝など


“脾”を元気にする食材

米、ハト麦、牛、鶏、羊肉、かつお、大豆、黒豆、カボチャ、ニンジン、長芋、葛、ショウガ、玉ネギ、トマト、リンゴ、レモンなど


公開日:2022-12-05 更新日:2023-07-03