めまいと漢方薬~体質・症状などについて解説します

はじめに

ふわふわ、ぐるぐる、くらっ、などの“めまい”は日常生活を送るうえで負担となり、生活の質に影響する症状です。

めまいにお悩みで漢方相談にいらっしゃる方の多くが、インターネットやSNSなどで紹介されているめまいに良いとされる漢方薬を求めてご来店されます。

確かに漢方薬はめまいに良いものがありますが、決まった一つのものがあるのではなく、めまいの症状や中医学的な原因に合わせて選択することが大切です。

ここでは、漢方薬の理論である中医学の古典から“めまい”の原因を紐解き、体質別の代表的なめまいの漢方薬につい、ご紹介したいと思います。




中国古典から考える“めまい”とは

中国の古典では、めまいの症状についてどのような病態だと考えられているでしょうか。
書かれている内容をご紹介しながら解説したいと思います。




  諸風悼眩皆肝 しょうふうちょうげんするはみなかん  に ぞく

ふう 」とは体の中に吹く かぜ のことで、めまいやふらつきの原因となり、これはみんな「 かん 」という臓腑によって起こるとされています。
中医学において「肝」は自律神経をコントロールしているところですから、自律神経が乱れると「風」が生まれ、これがめまいを起こさせるということです。


体質をチェック!

ストレスを感じることが多い
イライラしやすい
天気や季節の変化に弱い
ドライアイや眼精疲労がある
当てはまる数が多いほど
ふう 」によるめまいが起きやすくなります。



  たん   ければ  げん  を さず

げん 」とはめまいのことで、体の中に「 たん 」がなければめまいが起きないという意味です。中医学では、「痰」はネバネバとした老廃物であり、この「痰」が頭に溜まったり、体のどこかで詰まったりして気血の巡りを滞らせてしまうと、めまいが起きやすくなります。



体質をチェック!

脂っこい物や冷たい物をよく食べる
台風や雨が降りそうなときに体調が悪くなる
むくみやすい
舌の苔が白くべったりとしている
当てはまる数が多いほど
たん 」によるめまいが起きやすくなります。



  きょ  なければ  げん  を すあたわず

体に本来必要な「 (エネルギー)」や「 けつ 」や「 せい (:人の生命活動を支える人体の基本物質)」などの栄養物質が不足している状態を「 きょ 」と呼び、この「 きょ 」があると頭部に栄養分が巡らなくなるため、めまいが起きやすくなります。



体質をチェック!

疲れやすい
胃腸が弱い
睡眠不足になりがち
老化症状が増えてきたと感じる

当てはまる数が多いほど
たん 」によるめまいが起きやすくなります。



めまいに使う漢方薬

フワフワとした浮動性のめまい

ふう 」が絡んでいることが多いです。ストレスを感じたり怒ったりと、感情が変化するときにめまいが起きやすくなります。また、日常生活や気候変化など、“変わり目”に敏感な人も要注意です。肝は目との関わりも深く、眼精疲労なども影響しやすくなります。

代表的な漢方薬と随伴症状

イライラ・憂うつ感があるとき 

・ 加味逍遥散 かみしょうようさん

 

耳鳴り・目の充血・顔色が赤いなど熱症状が強いとき

・ 竜胆瀉肝湯 りゅうたんしゃかんとう

 

寝汗・口の渇き・のぼせ・高血圧があるとき

・ 釣藤散 ちょうとうさん

 

眼精疲労・ドライアイ・貧血をともなう場合

・ 杞菊地黄丸 こぎくじおうがん

 


ぐるぐる回る回転性のめまい

たん 」が絡んでいることが多いです。暴飲暴食をしたり、台風や雨が降るなど気圧が変化したりするときに、めまいが出やすくなります。

代表的な漢方薬と随伴症状

頭を動かすとめまいが起きやすく、みぞおちが詰まったように感じ、動悸・のぼせが起きるとき

・ 苓桂朮甘湯 りょうけいじゅつかんとう

 

体全体にむくみがあり口の渇き・尿量減少があるとき

・ 五苓散 ごれいさん

 

胃が弱くて冷えがある場合

・ 半夏白朮天麻湯 はんげびゃくじゅつてんまとう

 

 


突然クラっとしたり、目の前が暗くなったりするめまい

「虚」が絡んでいることが多いです。栄養不足、寝不足、疲労、加齢などでめまいが起きやすくなります。

代表的な漢方薬と随伴症状

疲れやすい・体がだるい・立ちくらみ・貧血などがあり体に必要な「気血」が不足しているとき

・ 十全大補湯 じゅうぜんだいほとう

 

加齢や虚弱体質により耳鳴り・物忘れなどが起き、「精」が不足して脳を栄養できない場合

・ 六味地黄丸 ろくみじおうがん

・ 八味地黄丸 はちみじおうがん

・ 亀鹿二仙膠 きろくにせんきょう



更新日:2023-11-25

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