慢性胃炎

慢性胃炎

慢性胃炎とは?

慢性胃炎

慢性胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きた状態が慢性的に続いたり、長期間繰り返すものをいいます。自覚症状としては、胃痛、胸やけ、胃のむかつき、吐き気などであり、最近では内視鏡で観察しても粘膜に異常が認められないのに慢性的な胃の不快症状を引き起こす“機能性ディスペプシア(FD)”もよく見られます。

原因と治療

様々な原因がありますが、過度の喫煙や飲酒、ピロリ菌の感染、加齢による胃の老化などにより生じるとされています。治療としては、胃酸の分泌を抑える薬や胃腸機能を調整する薬が使われます。慢性胃炎は薬の服用をやめると再発することがあります。自覚症状がなくなったからといって治ったと自己判断しないで医師や薬剤師の指示のもと、きちんと薬の服用を続けましょう。

慢性胃炎

中医学で考える慢性胃炎

慢性胃炎

中医学において、慢性胃炎は消化機能を司る“脾(ひ)”と“胃”の働きのバランスが乱れることで引き起こされます。また、“胃痛”を主な訴えとする中で、その原因や症状の違いなどから治療法を組み立てます。胃痛の出ている期間、痛みの性質や特徴、および他の症状などを確認し、総合的に判断していきます。

 

中医学タイプ別治療法

① 胃寒(いかん)タイプ
生ものや冷たいものの飲食などにより胃が冷えて痛みが出る。
随伴症状:胃の冷え、胃痛、腹痛、水っぽい大量の唾液、下痢など。
飲食の不摂生や身体を冷やすことで、しぼられるような痛みが生じます。消化機能も低下しますが、温めると一時的に良くなる傾向があります。

 

漢方

安中散、人参湯など

ツボ

中脘、胃兪など ※お灸を多用

食材

ネギ、生姜、シナモン、玉ねぎ、ニラ、鶏肉など

 

 

② 胃熱(いねつ)タイプ
辛いものや味の濃いもの、脂っこいものを食べることなどで胃に熱がこもり痛みが出る。
随伴症状:胸の灼熱感、口内炎、口の渇き、過食、口臭、便秘、多汗、のぼせなど。
もともと暑がりの体質や炎症性疾患、飲食の不摂生などにより熱が生まれ、胸やけや灼熱感などを強く感じます。

 

漢方

半夏瀉心湯、黄連湯など

ツボ

合谷、内庭など

食材

緑茶、ゴーヤ、レタス、トマト、きゅうり、セロリ、豆腐、バナナなど

 

 

③ 肝気犯胃(かんきはんい)タイプ
ストレスなどの精神刺激により悪化しやすい。
随伴症状:腹痛、食欲不振、お腹や胸の張り、イライラ、憂うつ感、ゲップが多いなど。
自律神経がストレスにより乱れると、食べものを下へ降ろす胃の働きが弱ります。張ったような痛みを感じやすく、ゲップやガスで一時的に良くなる傾向があります。

 

漢方

柴胡疎肝散、大柴胡湯など

ツボ

合谷、太白など

食材

ミント、ジャスミン、三つ葉、みかんの皮、大豆製品、きのこ類など

 

 

④ 胃陰虚(いいんきょ)タイプ
飲酒や辛いものの食べすぎなどで痛みが出る。
随伴症状:胸苦しく胃がつかえる、嘔吐、空腹感はあるがあまり食べられない、寝汗など。
胃粘液の分泌不足や粘膜の萎縮などが起き、胃の働きが弱りやすくなります。シクシクとした鈍痛があり、灼熱感を感じることがあります。

 

漢方

清暑益気湯、麦門冬湯など

ツボ

三陰交、太谿など

食材

アスパラガス、白きくらげ、牡蠣、豚肉、卵、豆腐、梨など

 

 

⑤ 脾胃気虚(ひいききょ)タイプ
もともと胃腸が弱く、わずかでも脂っこいものを食べると痛みが出る。
随伴症状:食欲不振、お腹の張り、腹痛、倦怠感、疲れやすい、むくみ、めまいなど。
過労や胃腸虚弱により、脾胃の働きが低下するため消化活動をうまく行えなくなります。シクシクしたような痛みが起き、揉んだり押さえたりすると楽になります。

 

漢方

六君子湯、補中益気湯など

ツボ

足三里、陰陵泉など

食材

豆腐や湯葉などの大豆製品、卵、いんげん豆、山芋、きのこ類など

 

 

鍼灸治療

鍼灸では、ストレスタイプなら主に自律神経を整え、胃腸の負担を和らげます。胃弱タイプであれば、ストレスの程度にもよりますが胃腸を整える治療を主とします。冷えがあったり、軟便やむくみなど余分な水分の停滞も見られる場合はお灸を加えることもあります。

慢性胃炎で使う代表的なツボ
胃の六ツ灸、中脘(ちゅうかん)、天枢(てんすう)、巨闕(こけつ)など。

暮らしのアドバイス

・寝る3時間前には食事を済ませておきましょう
・よく噛んで食べましょう
・消化のよいものをとりましょう
・喫煙やアルコールなどの刺激物を避けましょう
・ストレスをうまく発散しましょう