狭心症

狭心症

狭心症とは?

狭心症

狭心症は、心筋梗塞とともに虚血性心疾患と呼ばれ、日本人の三大死因の一つとなっています。心臓に酸素を送っている冠状動脈の内側にコレステロールが沈着して血流を妨げるため、充分な栄養を心筋に供給できない“虚血”の状態であり、胸の痛みが主な症状です。狭心症の初期は心電図が正常であることが多く、これは冠状動脈が狭くなっていても50%以下の詰まりでは心電図に現れず、50~75%まで詰まった状態になってから初めて発見されるためです。

原因と治療

狭心症は、階段を上がったり、運動など身体を動かしたりすることによって起こる“労作(ろうさ)性狭心症”と、寝ているときや静かにしているときに起こる“安静時狭心症”に分けられます。原因のほとんどが動脈硬化によるもので、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、偏食、ストレス(特に完璧主義、せっかち、怒りっぽいなどの性格)や加齢にともない発症しやすくなります。

 

治療は、発作が起きたときに口の中で溶かして服用するニトログリセリンをはじめ、日頃から血流状態の改善を促す抗血栓薬、硝酸薬、抗カルシウム薬、βブロッカー薬などが用いられます。

狭心症

中医学で考える狭心症

狭心症

中医学において、狭心症は“胸痹(きょうひ)”と呼ばれており、胸が詰まって痛むことをいいます。血液ポンプとしての役割を担っているのは、中医学でいう五臓のうちの“心(しん)”であり、過労などによりその働きが弱ったり、ストレスで心臓に負荷がかかると血液がうまく運ばれなくなり、“瘀血(おけつ)”という血行不良の状態を生じさせます。


中医学タイプ別治療法

① 心腎陽虚(しんじんようきょ)タイプ
身体を温めるためのエネルギーが不足するため、冷えが強く血流が滞りやすい。
随伴症状:息切れ、動悸、寒がり、手足の冷え、むくみ、尿量減少など。
過労や肉体疲労により内臓が冷えることで血の巡りが滞り、循環器障害が起こりやすくなります。

 

漢方

真武湯合四逆湯、桂枝加人参湯など

ツボ

心兪、腎兪など ※お灸を多用

食材

ニラ、くるみ、もち米、羊肉、鶏肉、エビ、栗など

 

 

② 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)タイプ
ホルモンの働きが低下して身体中を巡るのに必要な陰血(体液や血)が不足するため、血行不良となる。
随伴症状:動悸、めまい、足腰がだるい、倦怠感、筋肉のつり、便秘、ほてり、イライラなど。
加齢や疲労にともない体液や血(けつ)が消耗すると、血管が硬くなったり、血が不足してしまうため、血液循環が十分に行われなくなります。

 

漢方

杞菊地黄丸、二至丸合六味丸など

ツボ

太谿、三陰交など

食材

黒豆、黒きくらげ、アスパラガス、山芋、卵、人参、ほうれん草など

 

 

③ 寒凝脈阻(かんぎょうみゃくそ)タイプ
外部からの冷えにより血液の流れが滞っている。
随伴症状:寒がり、手足の冷え、関節痛など。
寒い季節や冷房など冷えた空気によって刺激を受けたり、生ものや冷たいものの過食により身体を冷やして血行不良となります。
痛み方は発作的で激痛であり、温めると一時的に楽になる特徴があります。

 

漢方

附子人参湯など

ツボ

大椎、合谷など ※お灸を多用

食材

ネギ、生姜、シナモン、紫蘇、玉ねぎ、山椒など

 

 

④ 痰湿内阻(たんしつないそ)タイプ
身体にドロドロした老廃物がたまり、血流が滞りやすい。
随伴症状:胸の圧迫感、体が重だるい、頭重、痰が多い、食欲不振、下痢など。
多くは飲食の不摂生や思い悩むことにより、胃腸の働きが衰えて水分代謝が悪くなり、老廃物が滞り胸部に詰まりやすくなっています。

 

漢方

二陳湯、温胆湯など

ツボ

陰陵泉、豊隆など

食材

緑豆などの豆類、冬瓜、とうもろこし、ハトムギ、もやしなど

 

 

鍼灸治療

鍼灸治療では、体質に対処するツボを適切に選定しアプローチしていくことで不快な症状の軽減、緩和を目的としていきます。ツボを刺激することで臓腑の働きを調整するとともに、血流や水分代謝の改善を促します。

狭心症で使う代表的なツボ
巨闕(こけつ)、膻中(だんちゅう)、内関(ないかん)、郄門(げきもん)など。

暮らしのアドバイス

・肉類を減らし、魚と野菜中心の生活にしましょう
・アルコールの飲みすぎに気をつけましょう
・喫煙は控えましょう
・ストレスを上手に発散しましょう
・1日15分以上の有酸素運動を行いましょう