店舗お知らせ
- 三茶
- 2022/10/26
【漢方の紹介⑦】麦門冬湯
今回は、「麦門冬湯」のお話をします。
痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息に用いられます。
「空咳」に使用されることが多く、
痰はあまりない、あっても切れにくく、喉の潤いが不足している状態に適しています。
金匱要略では「大逆上気して咽喉が利せないもの。逆と止め気を下す。」と記されています。
大気上気とは、顔を赤くしてせき込むことです。
上気は気がつきあげてくる状態で、のぼせ感やフラツキが見られることがあります。
麦門冬、人参が津液不足を補い、
半夏が濁飲を去り、肺気を補い気道を開きます。
人参、大棗、粳米は胃気を補い、肺の虚を補う助けをします。
空咳の症状に使用することが多い印象ですが、実は胃の潤いを補う力もあり
胃陰が不足して胃の機能が落ちている状態にも使用できます。
- 三茶
- 2022/10/18
【漢方の紹介⑥】補中益気湯
今回は、「補中益気湯」の紹介をします。
補中とは中を補うこと、益気は気を益すの意味で、消化器系の機能低下を回復させる目標とした名称となっています。
元気がなく胃腸のはたらきが衰えて疲れやすい方に。
また胃下垂、肛門脱出、子宮下垂などには
升提という力で上に気を持ち上げるはたらきを持ちます。
疲れて元気がでない時に、広く使われれる漢方薬です。
- 三茶
- 2022/10/13
【漢方の紹介⑤】小青竜湯
今回は、「小青竜湯」のご紹介をします。
桂枝湯から大棗を除き、水毒を取り去る麻黄、半夏、細辛、五味子を加え、生姜を乾姜に代えたものです。
【麻黄、芍薬、乾姜、甘草、桂皮、細辛、五味子、半夏】
水毒症状(胃内停水、浮腫、尿利減少、眩暈、薄い痰、水っぱな)
を持っていた人が、風邪のような外感病にかかり、
咳、ぜいぜいという喘鳴を発した時に用いられます。
痰も鼻水も水様性のサラサラと透明な状態で、
ティッシュペーパーを大量に消費してしまうような状態に。
花粉症、鼻炎、風邪症状などに広く使用されます。
- 三茶
- 2022/10/10
【漢方の紹介④】酸棗仁湯
今回は「酸棗仁湯」のご紹介をします。
神経の高ぶり・興奮を抑え、質のいい睡眠を誘います。
生薬は気持ちを静め、リラックスさせてくれる生薬で構成されています。
酸棗仁・知母・川芎・茯苓・甘草
心身が疲れ、虚弱で貧血により疲労している状態に適しています。
血が不足しているために、胸のザワザワ、悶々、不安感があり、
気持が落ち着かない方に。
肝の”血”が不足し、機能が低下している状態ですと
睡眠へスイッチが上手く切り替わりません。
酸棗仁で”肝”を補い、知母・甘草で潤い、余分な熱をさまし、
茯苓・川芎で巡り、老廃物を取り除く。
精神的に疲労し、不眠、神経衰弱、動悸、めまい、夢が多いなどの症状がみられる方に使用します。
- 三茶
- 2022/09/27
【漢方の紹介③】十全大補湯
今回は「十全大補湯」の紹介をします。
補気(元気・エネルギーを補う)の基本処方である四君子湯(人参・白朮・茯苓・甘草)と
補血(血を補う)の基本処方である四物湯(当帰・芍薬・川芎・地黄)を組み合わせた処方を
八珍湯といいます。
十全大補湯は八珍湯に陽気を通じ、冷えを散らす桂枝と気を補い、引き締める黄耆を加えたものです。
日本の処方では桂枝は桂皮で代用されています。
心身ともに、全身倦怠感があり、貧血、食欲不振、力が入らない、皮膚の乾燥など消化器、循環器の機能が低下し体力・回復力が低下している方に気血をバランスよく補います。