すぐ妊娠できる体質とは?

「妊娠しやすい体質とは、生命エネルギーのバランスが整っている状態です。」

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妊娠できる身体とは

中医学では、妊娠しやすい体質というのは、ただ単に身体の健康状態だけでなく、全体的な生命エネルギー、すなわち「気」「血」や「五臓(肝・腎など)」のバランスが整っている状態を指します。
ここでは、中医学で考えられる「妊娠しやすい体質」について、具体的に解説していきましょう。

Point1
「気」のバランスが整っている

中医学では、体内の「気」の流れがスムーズであることが重要です。「気」の滞りは体の不調を引き起こし、妊娠にも影響を与えます。「気」が適切に流れている状態では、身体機能が正常に働き、妊娠に必要な条件が整います。
「気」には「温煦(おんく)」作用と言って、身体を温める働きがあります。一般的に、冷え性の女性は生理不順や生理痛、排卵障害、黄体機能不全になりやすいといわれています。
「気」を整えることで、妊娠しやすい体質へと改善していきましょう。

Point2
「血」の巡りが良い

「血」の質や流れが良好であることも、妊娠しやすい体質の重要な要素です。
「血」の質とは、女性ホルモンや肌のうるおいとも密接な関係があります。
子宮内膜が薄い、経血の色が薄い、経血量が少ない、おりものが少ない、母乳の出が悪い、肌が乾燥しやすい、髪の毛艶がない、爪が割れる、生理前の緊張症が出るなど女性の健康や美容面に大きくかかわっています。
また、良い質の「血」が全身に運ばれると、栄養素や酸素が体全体に行き渡り、生殖器官の健康も保たれます。
このような血流は自律神経のバランスで調整されています。中医学では「肝」(かん)という臓腑がコントロールしていると考えられています。
妊娠しやすい体質をつくる上で「血」やそれをコントロールしている「肝」の調整をすることが大切ですね。

Point3
「腎」のエネルギーが充実している

中医学では、「腎」のエネルギーが生殖機能と深く関わっています。「腎」のエネルギーが充実していると、生殖機能も強く、妊娠しやすい体質となります。
先ほど出てきた「肝」も「腎」も中医学で考える五臓の一つです。
妊娠しやすい体質に大きくかかわるのが「腎」と「肝」なのですが、生殖機能や老化現象といった妊娠に直結する問題は「腎」が深くかかわっています。
女性だけではなく男性においても重要な働きがあります。
男性では精子数や運動率、奇形率などの劣化の他、ED(勃起障害)などとも深くかかわっています。
女性には「卵胞刺激ホルモン(FSH)」「黄体刺激ホルモン(LH)」の2つのホルモンが頭の下垂体から分泌されています。この2つのホルモンによって「低温期」(卵胞が育ち子宮内膜が厚くなる)と「黄体期」(卵胞が排卵して黄体ホルモンが作られる)が作られます。
また、これらのホルモンは周期性があって約2週間ごとに交互にバランスをとりながら毎月生理が起きます。
妊娠するためにもこの2つのホルモンがバランスよく分泌される必要があります。そのコントロールをしているのが「腎」です。
若い時には元気に働く「腎」ですが、お肌の曲がり角「25~28歳」より徐々にホルモン分泌の力が低下し始めます。多くは「35歳」から「腎」の機能が低下してきて妊娠しにくい体質へと変化してきます。

明元素
明元素
Point4
ストレスが少ない

心身のストレスは「気」の流れを乱し、ホルモンバランスに悪影響を及ぼします。心が穏やかでストレスが少ない状態を保つことは、妊娠しやすい体質を作る上で非常に重要です。
血流をコントロールしている「肝」が自律神経や情緒のコントロールをしています。
子供のころの生活習慣で早寝、早起きすると「肝」が鍛えられるといわれています。
「肝」は特に思春期に盛んになります。この時期の生活習慣はとても重要ですね。
成人してから「肝」を鍛えることもできます。ポイントは就寝時間を早くすることです。理想は21時ですが現実的ではないので22時から23時までには就寝しましょう。

明元素
明元素
Point5
適度な運動と栄養バランスの良い食生活

適度な運動は「気」と「血」の流れを良くし、栄養バランスの取れた食事は身体を内側から健康に保ちます。これらは妊娠しやすい体質づくりに不可欠です。

対処法

  • ①気功や太極拳などで「気」の流れを整える
    気功や太極拳は「気」の流れを整え、心身のバランスを保つのに役立ちます。

  • ②鍼やマッサージで「血」の巡りを促進する
    鍼治療やマッサージは「血」の巡りを良くし、体の不調を整えるのにお勧めです。

  • ③ストレスを軽減する生活習慣を取り入れる
    瞑想、ヨガ、十分な休息などを通じて、心身のストレスを軽減しましょう。
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    • 私が一番お勧めしているのは「ストレッチポール」を活用することです。
      帰宅後すぐに5分間ストレッチポールに乗るようにしてください。
      肩甲骨をゆっくり動かしながら深い呼吸をしてみてください。
      あたまを使わずゆっくり深呼吸を繰り返すことで、頭に充血していた血液が内臓へと戻ってくるはずです。手足が暖かくなれば効果大です。

      YouTubeで基本動作を公開しております。
      以下のサイトをご参考ください。


  • ④「腎」を強化する食材を積極的に摂る
    黒豆、くるみ、海藻類など「腎」を強化するとされる食材を日常的に取り入れます。
    中医学で考える妊娠しやすい体質は、単に身体の一部の機能だけでなく、全体的なバランスと調和に焦点を当てています。
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    • このようなアプローチを生活に取り入れることで、自然と妊娠に適した体質に近づけるかもしれません。
      黒豆茶の作り方は以下のYouTubeをご参考に

様々な情報から判断する中医学

不妊症の相談を受けることを37年間続けていると、不思議と「この方はすぐに妊娠できそうだな。」と、その方から醸し出される雰囲気やオーラなどから感じることがあります。

これは、年齢が若いから、検査データが良いからというだけではなく、「望診(顔色や動作など)」という中医学の弁証方法にもつながります。