受精~着床までの妊娠の仕組みを教えてください

「受精、卵割、着床という妊娠までの道のりには、とても多くの関門があります。」

妊娠初期によくある症状やその対策を教えてください


生命の神秘の世界である『受精、着床、生命の誕生までの世界』は、これだけ科学が発達しても、すべてを解明することはできません。




受精とは

受精とは、卵子と精子が合体することです。しかし、受精までの道のりは卵子・精子ともに様々な困難を乗り越えて選び抜かれたエリートのみが許される出来事なのです。毎回選ばれた1個の卵子が排卵して卵管に取り込まれます。しかし、排卵する卵子すべてがこの場所に行けるとは限りません。何と30%近くの卵子は卵管内に採りこまれることなく、いなくなるのです。


そして、卵管内に取り込まれた卵子も油断ができません。優秀な精子と受精できる時間はわずか12時間しかないのです。そんなわずかな時間に、優秀な精子は卵子の周りを取り囲むベール(透明帯)を突き破る必要があります。1匹の精子では突き破ることは到底できません。最低でも数百匹の優秀な精子が必要とされています。一般的に健康な男性の一回の射精で膣内に放出される精子の数は数千万~1億匹とされています。これだけ多くの精子があるにもかかわらず、わずか数百匹しか卵子のところに届くことはできません。

不思議なことですが射精された精子には受精する能力はありません。子宮内でいろいろな刺激を受けることで活性化して初めて受精能を獲得するのです。このことをキャパシテーションと呼びます。精子の受精能は72時間程度あることが知られています。この時間内に受精を完了させるための準備が必要です。このため、精子は前もって準備を卵管内で終えておく必要があるのです。


受精だけを考えても、様々な条件を乗り越えないと達成できないことがわかります。




受精卵が着床できる胚盤胞になるまで

卵子の成長

受精時には卵子は第二減数分裂を起こして、卵子は半分の遺伝子となり精子の染色体と合体して、赤ちゃんの染色体ができます。


受精した卵子は受精卵として分割を繰り返します。2分割⇒4分割⇒8分割⇒…⇒ 桑実胚 そうじつはい 胚盤胞 はいばんほう :約100個の細胞に分割)までに成熟していきます。この分割のエネルギーを最初に与えるのは、精子の持つミトコンドリアです。元気な精子によって、卵子が活性化されることでスムーズに分割が行われます。


若い元気な卵子(30代)には、傷ついた精子の遺伝子を修復する機構が備わっています。 しかし、30代後半から徐々にその働きは低下します。このため、40代からの妊活で重要になるのは、元気な精子をつくることです。そして、受精時におこる受精波で卵子を活性化させてあげることが重要です。




着床はいつ?

着床の窓

十分に成熟した受精卵は孵化して、子宮内膜に着床・侵入していきます。着床の時期はおおよそ排卵から1週間前後の時期です。この着床の時期に、子宮内膜は着床の窓(インプランテーション・ウインドウ)と呼ばれる特別な状態へ変化します。この“着床の窓”が開く期間(排卵日から約5日~7日)に受精卵が着床します。それ以外の時期には、受精卵は着床できないと言われています。




妊娠と胎児の発育

着床

子宮内膜に受精卵が着床すると、約1週間で胎嚢と呼ばれる赤ちゃんを包むための部屋が作られます。さらに1週間後の妊娠6週~7週目ごろには超音波で心拍がカラータイマーのようにピカピカと点滅します。


やっと、この段階で生命が誕生するわけです。

これから約30週以上にわたって胎児はすくすくと大きく育っていきます。 7週目に大きさが1cm程度だったものが、12週目には6cm(頭殿長)、体重も20g前後にまで大きくなります。器官形成期と呼ばれる12週目までに人間のからだの器官がほぼ出来上がります。流産のリスクも軽減します。

一般に流産はこの12週までの早期の流産が90%を占めるといわれています。 流産の原因は様々ですが、多くは胎児側の原因(染色体異常など)は主です。




受精から着床まで気をつけること

夫婦

妊娠を望まれる方にとって、受精から着床までの過ごし方や生活で気をつけることを知りたい方も多いと思います。

妊活中の方にお勧めする生活養生を簡単にご紹介します。


1,明元素言葉を使いましょう。
前向きな言葉は現状を打破することができると言われています。
こちらのコラムをご参考下さい。


2,就寝は23時に、起床は6時にしましょう。
睡眠は非常に大切です。
なぜなら副交感神経が優位となる夜間に、卵巣・子宮や精巣へ血流が巡り、ホルモン分泌が盛んになるからです。
質のよい睡眠で、しっかり心身を休めることで、卵巣や精巣に届く血流を増やしましょう。
また睡眠時間は短くても長すぎても生殖に影響すると言われており、理想の睡眠時間は7時間です。


3,低脂肪・高タンパク質食を摂りましょう。
特に気をつけたいのが、肉や乳製品などの飽和脂肪酸の摂りすぎです。マーガリン、ショートニングといったトランス脂肪酸は排卵や妊娠の障害になると言われています。
またタンパク質の摂取量は妊孕性に影響するため、良質なタンパク質である卵、青魚、肉の赤身、大豆製品・ナッツ類を毎日摂りましょう。




ざっと、お話を進めてきましたがいかがでしたでしょうか? 妊娠までの道のりには、とても多くの関門があることに気づかされますね。 我々も、サポートする側として、元気な精子や元気な卵子、元気な子宮をつくるために日々応援しております。どのような方法があるか詳しくはこちらもご覧ください。



更新日:2023-12-02