妊娠初期によくある症状やその対策を教えてください
「4週目に胚が子宮内膜に侵入し、5週目には胎嚢ができます。つわりや不正出血がみられることがあります。」
妊娠に気がつくのは、通常4~5週目の時期ですね。 妊娠週数は最終月経日を0週0日と考えて、280日が経過した40週0日までが標準的な妊娠期間だと考えます。妊娠期間は初期・中期・後期に分けられます。妊娠初期は「1~4ヶ月(0~15週)」、妊娠中期は「5~7ヶ月(16~27週)」、妊娠後期は「8~10ヶ月(28~39週)」を指します。
妊娠初期は、受精卵の着床からはじまり、胎嚢や胎児の器官形成、胎盤形成のほか、つわりや不正出血といった症状が出るなど母子ともに変化の大きな時期と言えます。妊娠週数は、最終月経初日を週数0日としてカウントを始めるため、1週目終わりごろに排卵が起こり受精し、2週目の終わりごろに子宮に胚が着床すると考えるのです。3週目終わりから4週目で胚が子宮内膜に侵入し、この頃が妊娠超初期といえるでしょう。5週目には胎嚢ができます。さらに6週目には心拍が確認できるようになります。
7週目には赤ちゃんのサイズ(CRL:胎児頭殿長…赤ちゃんの頭の先からお尻までの距離)は約10mm、8週で15mm、9週で20mmまで成長していきます。また、この段階で9週の壁とも言われる心拍の最大化ができるか否か…という器官形成期の完了を迎えます。ほんの20mm(約2cm)程のサイズなのに人間の形が出来上がっているわけです。12週までに細かな部位である口や手足の指などの形成が完了して、器官形成期の完了となります。つわりがある人も、多くはこの時期で落ち着いてきます。
妊娠初期によくある症状としては、つわりと不正出血があります。
つわりは、一般的にいう「食べづわり(悪阻)」「
不正出血はこの時期、頻度の多い症状と言えます。出血量が多くて流産することもありますが、多くは少量の出血を起こす場合が多いと思います。出血をして婦人科で診察を受けて「切迫流産」と言われて動揺される方もいらっしゃると思います。「流産」という言葉だけが頭に残ってしまう、帰宅後不安な日々を過ごされる方も少なくありません。原因は様々ですがその1つに
流産については、別な機会に詳しくご説明しますが、妊娠初期の12週未満までを早期の流産と言います。多くの原因は胎児側の原因である場合が多いです。また12週から22週未満までを後期流産と呼びます。原因は母体側の場合が多いです。
妊娠初期によくある症状について自宅でできる対策をご紹介します。
① つわり(悪阻)の時に自宅でできる対策
悪阻は発生頻度も多く、相談を受けることも少なくありません。家庭にあるもので簡単にできるアドバイスです。
1. 生姜湯を活用する
擦りおろし生姜を小匙1、はちみつ大匙1をマグカップに入れてお湯割りまたは、少量のお湯に溶かした後、冷水を入れてもよいです。生姜には吐き気を抑える働きがあるのでお勧めします。
2. ツボ押し「
内関
」「
足三里
」
乗り物酔いにも有効な「内関」は手首の内側から指3本下にあるツボです。気持ち悪くなったら、5秒抑えて3秒離すを繰り返し3~5回行うと楽になることがあります。合わせて、「足三里」を膝から足首に向かって摩る(5回)とよいです。
② 不正出血に対して自宅でできる対策
1. 基本は安静にすること
2.
隠白
にお灸をする
足の親指の爪の内側にある「隠白穴」は、不正出血によく使われるツボです。家庭用のお灸を使いやすい場所にあるので、出血が長引く時には利用してみてください。ただし、出血が多い時や発熱や腹痛があるときには使用しないでください。あくまで、予防やおりもの程度の出血があるときなどにお勧めします。使用する場合には、担当の婦人科医に確認をしてからにしてください。
妊娠初期によくある症状について漢方薬や鍼灸で対策を希望される場合は、大切な時期ですから、専門家に相談ください。
更新日:2023-12-02