漢方薬の八味地黄丸は、女性の妊活にもいいのですか?

「八味地黄丸は高温期が低めの方や短めの方に向いています」

八味地黄丸って妊活にいいの?


日本で老化の漢方薬というと、一番有名なのが「 八味地黄丸 はちみじおうがん 」ではないでしょうか?

それはお医者様から支持されたことが大きいと思います。


八味地黄丸は今から約2000年前に書かれた医学書である「 金匱要略 きんきようりゃく 」で紹介された漢方薬です。老人の夜間尿や腰痛に効果があり、内科や泌尿器科の先生を中心に広く処方されるようになりました。



妊活においての八味地黄丸は?

では、妊活においてはどうかというと、「 腎陽虚 じんようきょ 」と呼ばれる状態に有効です。
「腎陽虚」の状態は、体を温める働きが低下するため、冷え症や低体温になります。
さらに「 じん 」という臓腑は、内分泌と深くかかわっているため、女性ホルモン(特に黄体ホルモン)や男性ホルモンの分泌をサポートしていますから、妊活とは非常に大きなかかわりがあります。


男性の妊活で、病院から八味地黄丸と補中益気湯が処方されますが、男性だけでなく女性にも優れた漢方薬です。
特に女性では、基礎体温で高温期が低めの方や短めの方に向いています。高温期が低めになったり高温期の期間が短くなったりするということは、女性ホルモンである黄体ホルモンが上手く作用していないことを示唆します。八味地黄丸は体を温める働きや女性ホルモンを助けますので、高温期をサポートしてくれます。
一方、男性では精子の運動率が悪い方におすすめの漢方薬でもあります。


妊活中の女性

「腎」をたいせつに

中医学では「腰は腎の府」と呼ばれ、「腎」が弱ってくると腰痛が出やすくなります。
慢性の腰痛や出産後の腰痛が気になる方にもお勧めできます。八味地黄丸にはいろいろ加減された漢方処方が多くあります。

  • 六味地黄丸 ろくみじおうがん
  • 杞菊地黄丸 こぎくじおうがん
  • 知柏地黄丸 ちばくじおうがん
  • 牛車腎気丸 ごしゃじんきがん

  • など。

    体質によっておすすめする漢方処方は違いますので、ご自身にあった「腎」をサポートするための腎気丸の処方を受けるようにしてください。なかには漢方専門店しか扱っていない腎気丸もありますので、気になる方は一度漢方薬の専門店でご相談されることをお勧めします。



    更新日:2023-12-02