周期調節法ってどんな方法なの?

「月経周期に合わせて漢方薬や鍼治療の方法を変える治療法です」

周期調節法ってどんな不妊治療法なの?

初経から閉経まで毎月繰り返される月経には4つの周期があり、その周期に合った漢方薬の服用や鍼灸治療で、女性の体のリズムを整え妊娠しやすい体作りをするのが「周期調節法」です。


何故、4つの周期で漢方薬を変えるかといえば、周期によって女性ホルモンの分泌が異なり、体調も変化するからです。この周期に合わせて漢方薬を飲み分けることで、妊活に向けた細かな体質改善が可能になり、自然妊娠も望めるのです。では、その4期の周期の特徴をそれぞれ挙げてみましょう。


月経期 理気活血で排泄をスムーズに(月経が始まった日を1日目とした3〜7日間)

赤ちゃんが宿る子宮をきれいに掃除する時期。不要になった子宮内膜を剥がし、溶かして月経血として完全に体外に排出します。血行を促進する理気活血作用のある漢方薬や活血のツボを刺激して血行を良くし、無理なくスムーズに月経血を排出させ、子宮内をきれいにしましょう。

【代表的な漢方薬】
田七人参・丹参・赤芍・川芎・延胡索など
【代表的なツボ】
帰来(+灸)・血海・太衝・三陰交(+灸)など


月経周期をまとめた表

卵胞期(低温期) 滋陰補血で栄養供給量を増やす(月経期後の約7日間)

卵巣内では1個の卵胞を熟成させ、子宮内膜の新しい粘膜層を再生・増殖させる時期。質のいい卵を育てながら、子宮では卵を迎える丈夫なベッドを作ります。滋陰補血作用のある漢方薬や補血のツボの刺激によって子宮と卵巣への栄養素やホルモンを供給し、子宮内膜の回復と質の良い卵胞の成熟を助けます。

【代表的な漢方薬】
枸杞子・地黄・当帰・芍薬・女貞子・旱蓮草など
【代表的なツボ】
足三里・復溜・湧泉(灸のみ)・子宮(+灸)


排卵期 理気活血で速やかに高温期へ移行(卵胞期後の3〜7日間、または黄体期の中間まで)

卵巣内の成熟卵胞から卵子を排卵し、黄体を作り、卵胞期から黄体期へ移行させる時期。赤ちゃんの卵を迎え、子宮を温めて着床の準備をします。再び理気活血作用のある漢方薬や理気のツボを用いて、ホルモン分泌の連携をよくして、確実にかつ速やかに排卵、黄体化へつなげます。

【代表的な漢方薬】
柴胡・川芎・香附子・丹参・牛膝など
【代表的なツボ】
血海・間使・三陰交(+灸)・子宮(+灸)


黄体期(高温期) 温補腎陽で受精卵を着床させる(黄体期の約2週間)

子宮内膜に動脈が増大し、子宮内膜腺からグリコーゲンに富む分泌物が分泌されることで、受精卵が着床しやすい環境を整える時期。やわらかで温かく、栄養も豊富にあふれる、快適な子宮で赤ちゃんを育てていきます。温補腎陽作用のある漢方薬や補腎のツボで、安定した高温期を維持し、受精卵の着床・発育を助けます。

【代表的な漢方薬】
肉蓯蓉・莵絲子・鹿茸・淫羊霍・杜仲・続断など
【代表的なツボ】
太渓(+灸)・足三里・腎兪(+灸)・子宮(+灸)


自然妊娠はもちろん、体外受精の成功率、受精卵の着床率も高められる周期調節法は西洋医学の治療と併用するのもおすすめですが、それには基礎体温のパターンが正常であることです。まずはあなたの基礎体温のタイプを見つけましょう。その上で中医学の専門家に相談して、正常型の基礎体温になる適切な対処を施すことが大切です。



更新日:2023-12-02