中医学の妊活で欠かせないことは?

「生殖能力と最も深い関わりがある「腎」の働きを高めることです」

中医学の不妊治療で欠かせないことは?

西洋医学と中医学の不妊治療では考え方が根本的に違います。その中で最も特徴的なのが、中医学では生殖機能は「腎」にコトントロールされると考えていることです。


「腎」といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する腎臓を思い浮かべるでしょうが、中医学ではその機能以外に、生殖や成長・老化・ホルモンの分泌や免疫全般などをつかさどるとされています。ですから妊娠に関しても、「腎」の働きが左右すると考えるのです。


妊活にとってたいせつな「腎」を補う

中医学では生殖能力と最も深い関わりがある腎に蓄えられた「腎精」が尽きると生命も尽きると考えます。つまり「老化」は腎の状態次第ということになるのです。もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、日常生活の不摂生や加齢などの後天的なことから腎の機能が低下すると、不妊傾向になるようです。


そこで「腎」の働きが思わしくない人には「補腎」によって働きを高めることが必要になるのです。補腎は性ホルモンの分泌を高め、高度生殖治療で乱れたホルモンバランスの回復や妊娠力を保ちます。補腎の働きを充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。とくに動物性の漢方薬はホルモン分泌に関わり、性腺の働きを高めます。


妊活にとってたいせつな「腎」を補う

中医学には「補腎薬」が数多くありますから、30代はもちろん、40代以降の方でも腎年齢を実年齢よりも若く維持、再生できるため、より元気な卵子や精子が作られることが期待できます。


これは2018年7月に開催された「日本受精着床学会総会」で医学的に証明されたことが発表されました。とはいっても「補腎薬」は魔法の薬ではありません。とくに女性の卵子細胞の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から原始細胞が活発化して、約190日かかって排卵するのです。元気な卵子が育つ体内環境が整うのも、最低6か月はかかると考えてください。


株式会社誠心堂薬局 代表取締役
西野 裕一