腎臓病が気になる方の塩分計の使い方と塩分量の計算方法について

塩分摂取量の管理は、腎臓病予防や高血圧対策において重要です。特に、日常的に摂取する味噌汁やスープなどの汁物に含まれる塩分量を把握することで、適切な減塩対策が可能になります。

塩分計の使い方、測定結果から実際の塩分量を計算する方法、一日の塩分摂取目安、塩分濃度の基準について解説します。

1日の塩分量の目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日の塩分摂取目標量は以下の通りです。


  • 成人男性:7.5g未満
  • 成人女性:6.5g未満
  • 高血圧や腎臓病の方:6.0g以下を推奨

  • しかし、日本人の平均塩分摂取量は約10gとされており、ほとんどの人が目標値を超えているのが現状です。


    塩分の過剰摂取が続くとおこる症状

  • 腎臓に負担がかかり、慢性腎臓病(CKD)のリスクが上昇
  • 高血圧の原因となり、心血管疾患(脳卒中・心筋梗塞など)のリスクが増加
  • 体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなる

  • 日々の食事で塩分を適切に管理することが、健康維持につながります。


    塩分計の基本的な仕組みと使い方とは


    デジタル塩分計
    デジタル塩分計

    塩分計は、食品中のナトリウム濃度を測定し、塩分(食塩相当量)として数値化する機器です。特に、汁物や液体調味料の塩分濃度を測定するのに役立ちます。


    デジタル塩分計の基本的な使用方法

  • ① 本体の電源を入れる。
  • ② 測定したい液体(味噌汁・スープ・つゆなど)をスプーン1杯分ほど取り、測定部に入れる。
  • ③ 数秒待つと、塩分濃度(%)が表示される。
  • ④ 測定結果を確認し、塩分量を計算する。

  • ※測定前の注意点

  • 測定対象の液体は、40~50℃程度にすると正確な数値が得られやすい。
  • 塩分が均一になるように、測定前によくかき混ぜる。
  • 1回だけでなく、複数回測定し平均値をとると、より精度が向上する。

  • 測定結果から実際の塩分量を計算する方法

    塩分濃度と実際の塩分量の計算方法


    塩分計が表示する「%」は、100gあたりに含まれる塩分量(g)を示しています。


    塩分量の計算式
    液体の重量(g) × 塩分濃度(% ÷ 100)= 塩分量(g)



    具体例(味噌汁200mlの場合)

  • 塩分濃度 1.0% の味噌汁(1杯200ml)を飲んだ場合
  • 200g × 1.0% ÷ 100 = 2.0g の塩分

  • 具体例(ラーメンスープ300mlの場合)

  • 塩分濃度 1.5% のスープをすべて飲んだ場合
  • 300g × 1.5% ÷ 100 = 4.5g の塩分

  • 1日の塩分摂取目安(6g以下推奨)の約75%を1杯で摂取してしまう計算になります。

    塩分濃度の基準

    目安となる塩分濃度(汁物の場合)

    塩分濃度
    塩分濃度

    0.6~0.8% → ちょうどよい減塩レベル

    1.0% 以上 → 塩分高め!減塩を意識しよう

    1.5% 以上 → 高塩分!注意!

    一般的に、味噌汁やスープの塩分濃度は0.6~1.2% と言われています。1.0%を超えると塩分が多めになるため、できるだけ薄味を意識しましょう。


    減塩対策

    塩分の摂取量を管理するためには、塩分計の活用に加え、日常の食事で減塩を意識することが重要です。

  • 塩分の代わりに「だし」や「酢」「レモン」などの酸味を活用する。
  • 醤油や味噌は「かける」より「つける」で使用量を抑える。
  • 加工食品やインスタント食品は塩分が多いため、できるだけ控える。
  • 減塩タイプの調味料を選び、適切に活用する。

  • 最後に
    塩分計を活用することで、食事に含まれる塩分量を数値で確認し、適切な減塩対策を行うことが可能になります。特に、腎臓病や高血圧が気になる方は、1日の塩分摂取量を意識し、適切な食生活を心がけることが健康維持につながります。
    日々の食事で塩分を適切に管理し、健康的な生活を目指しましょう。


    公開日:2025-3-26
    更新日:2025-3-26