注意する食品とは?!

腎機能を高める食事

腎機能を高める食事

腎機能が低下している方に気を付けて頂きたい食品があります。

それは、ハム、ベーコン、ソーセージなどの加工食品、インスタント食品、スナック菓子です。

なぜかというと、塩分が多く、食品添加物のリン酸塩を加えられている場合が多いからです。

食品添加物のリンは天然のリンよりも吸収されやすく、過剰に摂取しやすくなります。
肉・魚などタンパク質が多い食材に含まれる天然のリンの吸収率が20%~60%であるのに対して食品添加物のリンの吸収率は90%以上となります。
本来であれば、腎臓は過剰なリンをろ過し排出しますが、腎機能が低下すると十分に排出されにくくなります。
その結果「高リン血症」となり骨がもろくなったり、脳卒中や心筋梗塞を招いたりして、腎臓の石灰化をまねき腎機能が更に低下してしまう可能性があります。

添加物のリンは、ハムなどの他に、魚肉ソーセージなどの食肉・魚肉加工品、プロセスチーズなどにも、多く含まれています。
プロセスチーズの表示でリン酸塩を「乳化剤」と記載されることがあります。
魚肉加工品では原材料の「魚肉」(すり身)の製造にリン酸塩を使用していても「加工助剤」とみなされるため、完成した製品には表示義務がありません。
このように、リンの添加に気が付かないこともあります。

リンはカルシウムと共に骨をつくるほか、神経や筋肉の働きを調整するなど、健康や生命を維持するために重要なミネラルです。
しかし、食品添加物としてリン酸塩が多用されていたり、現代ではリンの欠乏よりも過剰摂取が問題となっています。


腎機能を高める食事

腎臓の負担を減らすためにできること!

腎臓の負担を減らすためにできること!

リンの元素記号


腎臓の負担を減らすためにできること!

リンの元素記号

●食品の原材料表示を確認する

  • →菓子パン【イーストフード(リン酸塩)】
  • →インスタント麺【かんすい(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム)】
  • →菓子類【膨張剤(リン酸カルシウム)】
  • →ハム、ソーセージ、冷凍食品、練り物【結着剤(リン酸塩、ポリリン酸カリウム)、品質改良剤(ポリリン酸ナトリウム)】

●「リン酸塩を含む加工食品」はなるべく摂らない

  • →「リン」「リン〇〇」と書かれていなくても、「ph調整剤」「かんすい」「結着剤」「酸味料」「香料」「膨張剤」の表示があるものは避けましょう。
  • リン〇〇

    リン酸塩の表示


    リン〇〇

    リン酸塩の表示


●加工品を利用する際は下ゆでをする

  • →ちくわやかまぼこなどの練り物は下ゆでしてから使用する。
  • →ソーセージやハムなどを炒めものにする際も、一度湯通ししたものを使用する。

●インスタントラーメンや中華麺をゆでこぼす

  • →麺を一度ゆで、ゆで汁を捨ててから新しい湯でスープをつくる。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日のリンの目安量を18歳以上の男性で1,000mg、女性800mgとしています。
耐容上限量は18歳以上男女ともに3,000mgと設定されています。
リンの摂取制限が必要とされるのは、慢性腎臓病のステージG5で高リン血症の患者さんや、人工透析を導入した患者さんです。
しかし、G1~G4の人も早くからリンの過剰摂取には注意していきましょう。



公開日:2024-04-03
更新日:2024-04-03