2025年5月 台湾研修報告
2025/05/31
研修先:愛群病院・愛群生殖医療センター
研修期間:2025年5月15日~5月18日
参加者:呉文華 崔権 三谷長人 関根裕司 岡田美由紀


台湾研修での集合写真
このたび、2025年5月15日から18日までの4日間にわたり、台湾・愛群病院および愛群生殖医療センターのご協力のもと、海外研修を実施いたしました。現地での貴重な学びや交流を通じて、多くの知見を得ることができましたので、ご報告いたします。
中医学アドバイザー 呉文華
5月、蒸し暑い台湾の気候の中で、4日間にわたる研修に参加させていただきました。
研修先は台北民営病院の愛群病院で、台湾で初めてオーストラリア生殖医学会(RTAC)の認証を受けた病院です。免疫的な着床障害に着目し、さらに漢方医学の体質改善も取り入れた、総合的な不妊治療を行っている医療機関です。
この病院が免疫治療に力を入れている理由としては、40%長期間不妊治療を続けてもうまくいかない方、または2回以上の流産経験がある方において、免疫的な問題が妊娠を妨げる大きな要因であると、海外の研究で指摘されていることが挙げられます。
台湾における卵子提供は合法であり、愛群病院ではPGT-A検査の条件も日本より緩く、結果的に35~40歳の妊娠率は58.9%、40歳以上でも40.5%という非常に高い成功率を実現しています。これは、妊娠を希望する多くの方にとって希望の持てる数字です。
例えば、5回にわたり習慣性流産を経験されたご夫婦のケースでは、再度の胚移植の前に血液検査で免疫の問題を確認し、必要な免疫治療を受けてからの移植で、強い心拍を確認できたとのことでした。このように、感動的な治療の流れがいくつも紹介されていました。
不妊治療に行き詰まり、どうしても諦めきれない方にとって、誠心堂と連携する台北愛群病院での卵子提供は、有力な選択肢の一つになり得ると感じました。


船橋店 関根裕司
2025年5月16日・17日の2日間、台湾・愛群生殖医療センターにて、中医学と西洋医学の統合による不妊治療の実践を見学する貴重な機会をいただきました。病院内薬品庫の見学では、漢方の煎じ方や含有量の違い、生薬の抽出法・品質管理の実態など、実践的かつ専門的な知識を深めることができました。
台湾では、政府の厳格な管理と先端技術の導入により、卵子提供治療は高い安全性と妊娠成功率を実現しています。実際に妊婦や不妊治療に対する処方の配慮、免疫検査やPGT-Aといった先端技術を用いた体外受精の現場に触れ、患者一人ひとりに寄り添うオーダーメイド医療の重要性を実感しました。また、免疫治療や中医学(漢方・鍼灸)との併用により、身体の内外から着床環境を整える包括的なケアにより、高齢や難治性不妊の方にも希望の持てる治療環境が整っていると感じました。短期間の滞在でも対応可能な免疫検査や、移植前後の丁寧なサポート体制、日本語対応など、日本人患者への配慮もされており、国際医療の在り方として学ぶ点が多くありました。
これらの学びを活かし、今後はより多様な背景を持つ患者様に対しても安心と納得を届けられるよう、漢方相談の質向上と情報提供に努めてまいります。


池袋店 三谷長人
今回の台湾学術研修旅行では、不妊治療における体外受精や卵子提供、着床前診断(PGT-A/M)、免疫治療といった最先端の医療技術に触れることができ、大変貴重な経験となりました。
特に印象に残ったのは、治療成功率の高さと、日本人患者への手厚いサポート体制です。卵子提供に関しては国家の厳格な管理のもとで実施されており、安全性と倫理性の両立が図られている点に安心感を覚えました。また、西洋医学と中医学の統合医療が実践されており、漢方スチームや鍼灸が着床率向上に寄与していることも大きな学びでした。
台湾の街並みや人々の温かさ、医療体制の整備状況からは、国全体の成熟した医療文化を感じることができ、改めて素晴らしい国だと実感しました。
今回得た知見は、私の漢方相談業務にも大いに活かせると感じています。免疫性不妊や着床障害で悩む方に対して、西洋医学の視点もふまえた説明ができるようになり、より信頼性の高いカウンセリングが可能になります。今後は、台湾の臨床経験や方針も参考にしながら、患者様に寄り添った、より実践的な漢方相談を提供していきたいと考えています。


新浦安店 岡田美由紀
今回の台湾研修に参加し、愛群病院における不妊症の高度医療の現場を肌で感じる体験となり、不妊治療や中医治療に関する理解を広げる機会となりました。
不妊治療において、愛群病院での卵子提供医療は大変興味深い内容で、高い妊娠率を保っておられる実績は、高い技術力と深い知識、患者様に向けた熱意により成り立っておられるのだと窺い知ることが出来ました。
西洋医学と東洋医学の両輪で治療効果を上げ、西洋治療においては残念ながら日本ではまだ取り入れにくい治療方針もありましたが、漢方治療においてはご体質や月経周期に合わせた丁寧な治療、妊娠に至るまでの心のケア、女性の身体に寄り添うカウンセリングなどは、私共、誠心堂の相談スタイルととても似ていると感じ、特に不妊治療の講義の中の「畑を耕すように身体を整える」という考え方には大変共感いたしました。
誠心堂の実績の一つでもある流産率や低体重児出産率の減少については、諸先生方からも称賛を頂けたことは誇らしくもあり、自身の相談における今後の励みにもなりました。
また、愛群病院では漢方スチームや、干支や年回りに合わせて独自の配合の漢方茶の提供を行っており、日々の生活に漢方がとても深く寄り添っているのだと感じ、身体をいたわるケアが日ごろから丁寧に行われている印象を受けました。
実際の診察見学では、四診による体質の見極めやオーダーメイドの処方など、一人ひとりの患者様と丁寧に向き合う先生方の姿勢に感銘を受け、学びの深い研修となりました。
今回の経験を通して、女性の身体に寄り添う医療の大切さをあらためて実感し、今後もこの経験を生かし、日々患者様の心に寄り添える温かなサポートを継続していきたいと思います。
本件に関するより詳しい内容をご希望でしたら、当社ではマスコミの方の取材お申し込みを随時受け付けておりますので、是非お問い合わせください。
【取材依頼・お問い合わせ先】
会社名: 株式会社誠心堂薬局
担 当: 広報事業部 片岡 詩麻
電 話: 047-300-2293
メール: s_kataoka@seishin-do.co.jp