DOHad 
低出生体重への取り組み

dohad

赤ちゃんの出生時の体重が、将来の健康や特定の病気へのかかりやすさに影響していると言われ、これを提唱しているのが「DOHaD仮説」です。
DOHaD とはDevelopmental Origins of Health and Diseaseの略であり、「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という概念です。
誠心堂薬局は、DOHaD学会の賛助会員として、赤ちゃんの将来の健康に寄与するために精進してまいります。

誠心堂薬局では、妊活だけでなく、妊娠中の母体および胎児の健康管理に貢献するために、様々な活動に力を入れています。その中で出産後の方へのアンケート集計より、誠心堂薬局で妊娠・出産された方の低出生体重児の割合は3.1%と、全国平均の9.6%と比較して、喜ばしい結果を得られています(2019年)。
日本は、国際的にみて低出生体重児の割合が高いことが課題となっています。高い医療技術の側面がある一方で、日本における母体のやせ志向も指摘されており、妊産婦への栄養管理の重要性が言われ注目されています。

  • 一般社団法人 日本DOHaD学会
  • 昭和大学DOHaD班
  • dohad

    赤ちゃんの出生時の体重が、将来の健康や特定の病気へのかかりやすさに影響していると言われています。
    赤ちゃんの出生時の体重は、2500g以上が正常とされ、2500g未満を「低出生体重児」と呼び、さらにその中で1500g未満を「極低出生体重児」、1000g未満を「超低出生体重児」と呼びます。日本は2500g未満の低出生体重児の割合が9.6%(2019年)と、国際的にみても高い割合を占めています。背景として、高い医療技術の側面がある一方、日本における母体のやせ志向や喫煙歴などの関係が指摘されており、日本における妊産婦への栄養管理の重要性が再認識されています。


  • 参考資料:男女共同参画白書平成30年度版

  • このような傾向をもつ国は非常に珍しく、世界的には出生体重の平均値はその国の経済状況を反映している場合が多いと言われます。すなわち、出生体重は発展途上国では小さい傾向があり、経済的に安定した先進国では大きい傾向があるのです。日本のように栄養環境が恵まれた国で低出生体重児が増え続けてきたという事実は世界的に見れば特異な傾向と言えます。
    日本の低出生体重児の変化として、最近の5年~10年くらいに焦点をあてれば、平均の出生体重の低下には歯止めがかかっていますが、低出生体重児の割合としては高止まりしている現状であり、今後も日本における平均出生体重の推移、低出生体重児の割合の推移は注目されています。

    1980年代から1990年代初頭にかけて「低出生体重児は成人期に糖尿病や高血圧、高脂血症など、いわゆるメタボリックシンドロームを発症するリスクが高い」という疫学調査の結果が相次いで報告されました。その報告と検証を受け提唱されたのが、「DOHaD仮説」です。DOHaD とはDevelopmental Origins of Health and Diseaseの略であり、「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という概念です。 DOHaD仮説では、「発達過程(胎児期や生後早期)における様々な環境によりその後の環境を予測した適応反応(predictive adaptive response)が起こり、そのおりの環境とその後の環境との適合の程度が将来の疾病リスクに関与する」と考えられています。DOHaD仮説で生じるとされる体質変化が起こるメカニズムも、最近の研究から徐々に解明されてきており、食物や薬物、ストレスなど後天的な要因によって発現されているとも言われています。

     胎児期や生後早期のいわゆる発達過程は、将来の病気のリスクを決定する大切な時期です。この時期からのよりよい食育や成育環境を通して将来の疾病リスクを減ずること、さらに個々の遺伝的背景をもとに疾病リスクに対して早期から介入していく、いわゆる「先制医療」の概念が注目されています。これは、中医学の得意とする病気になる前の治療「未病先防」の考えと言えるでしょう。出生前の母体のお腹の中にいるときから母体を通じて養生し、健康な胎児の発育のお手伝いをする考えが中医学にはあります。中医学の長年の知恵と経験が皆様のお役に立てることを願っています。