血尿の原因と腎臓の関係を解説|考えられる要因と対策
第1章:血尿とは?知っておきたい基本
第2章:血尿が出る仕組みと原因の大きな分け方
第3章:腎臓が関わる血尿の原因
第4章:腎臓以外が関わる血尿の原因
第5章:血尿が出たときのチェックポイントと生活ケア
まとめ
第1章 血尿とは?知っておきたい基本

1.1 血尿の意味と種類
血尿とは、尿に血液が混ざっている状態のことをいいます。普段の尿は淡い黄色ですが、血液が混ざると色が変わり、薄いピンク色から赤褐色までさまざまな色合いになります。尿の色が普段と違うだけで不安になる人も多いでしょう。
血尿には大きく分けて二つの種類があります。
● 目で確認できる血尿:尿が赤く見えるため、すぐに気づけるタイプです。排尿時に驚いてしまうこともあります。
● 検査でしかわからない血尿:見た目は普段通りでも、尿検査を行うと血液の成分が混ざっていることが分かります。自覚症状が少ないため、健康診断で初めて指摘される人もいます。
血尿は一度出ただけでも体からのサインと考えることが大切です。体調が良いときでも起こることがあるため、「たまたまだから大丈夫」と見過ごさないようにしましょう。尿の色や状態は、腎臓や尿路の健康を映し出す鏡のような存在です。
気をつけたいのは、どちらのタイプでも腎臓や尿路に異常が隠れている可能性があるという点です。尿の色が普通でも安心できるとは限らないのです。血尿は、見えても見えなくても体からの大切なサインと受け止めることが大事です。
第2章 血尿が出る仕組みと原因の大きな分け方

2.1 腎臓からの出血
腎臓は血液をろ過して尿をつくる臓器です。この腎臓に異常があると、本来ろ過されるはずの血液の成分が尿に混じり、血尿として現れることがあります。
腎臓が原因で血尿が出る場合は、尿の色の変化に加えて、むくみやだるさといった全身の不調を伴うこともあります。特に注意したいのは、痛みがあまり出ないことが多いという点です。尿路結石のように激しい痛みを伴わないため、気づいたときには症状が進んでいることもあります。
腎臓からの出血が考えられるときに注目すべきポイントは次のとおりです。
- ● 尿が濃い赤や茶色に見える
- ● むくみや疲労感が続いている
- ● 健康診断で腎機能の数値を指摘された
腎臓の異常による血尿は、見た目だけで判断するのが難しいため、体の小さな変化にも気づくことが大切です。
2.2 膀胱や尿の通り道からの出血
尿は体の中でつくられたあと、管を通って膀胱にたまり、さらに尿道を経て外に排出されます。この通り道のどこかに炎症や傷があると、血が混じりやすくなります。膀胱や尿道が関係している場合は、排尿時の痛みや違和感が出やすいのが特徴です。膀胱炎ではトイレの回数が増えたり、排尿後もすっきりしない感じが残ったりします。尿路結石の場合は、腰や脇腹に鋭い痛みが走ることもあります。
主なサインとしては次のようなものがあります。
- ● トイレのときに痛みや残尿感がある
- ● 急に強い腰や脇腹の痛みが出る
「痛みを伴う血尿」は、尿の通り道にトラブルがある可能性を示す重要なサインです。 体の声を見逃さないようにしましょう。
第3章 腎臓が関わる血尿の原因

3.1 腎臓の炎症によるもの
尿をつくる器官で炎症が起きると、本来は混ざらないはずの血液が尿に含まれることがあります。炎症の原因はさまざまで、風邪やのどの感染後に免疫が強く反応して起こる場合もあれば、細菌が直接入り込んで炎症を起こす場合もあります。
炎症が関係するときの特徴は、尿の色の変化に加えて、発熱や全身のだるさを伴いやすいことです。腰や背中に重みを感じたり、夜になると熱が出ることもあります。こうした全身症状が同時に現れるのは、膀胱炎や尿路結石とは違うポイントです。
また、朝起きたときに顔がむくんでいたり、階段を上っただけで強い疲れを感じるといった小さな変化も炎症のサインになることがあります。普段の生活の中で「最近疲れやすい」「体力が落ちている」と感じるときに、血尿が出ていれば注意が必要です。
血尿に加えて体全体の不調が見られる場合、腎臓の炎症を疑うことが大切です。体の声をしっかり聞き取ることが、早めの対応につながります。
3.2 慢性的に続く腎臓の病気
一時的な炎症とは異なり、長期間にわたって臓器の働きが弱まることで血尿が出ることもあります。初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないまま進行することが多いのが特徴です。
こうした慢性の病気では、血尿が毎回出るわけではなく、調子の悪いときにだけ現れることもあります。特に注意したいのは、血尿だけでなく尿の泡立ちやむくみ、疲労感などを伴うケースです。これらは体の老廃物をうまく排出できなくなっているサインでもあります。
慢性的な腎の不調に関連するチェックポイントは次のとおりです。
- ● 尿が泡立ちやすく、時間がたっても消えない
- ● 足や顔にむくみが出やすい
- ● 疲れが取れず、朝から体が重い
このような症状は加齢や生活習慣とも関わっており、日常生活の中で少しずつ進行する点が一番の注意点です。普段から小さな変化に敏感になり、早めに相談する姿勢が大切です。
3.3 その他の腎臓トラブル
炎症や慢性的な病気以外にも、さまざまなトラブルが血尿につながることがあります。たとえば、高血圧や糖尿病の影響で腎臓の血管が硬くなり、働きが弱まる場合があります。血管がもろくなると、わずかな刺激でも血液が尿に混じりやすくなるのです。
また、加齢によって臓器の機能が少しずつ低下することも無視できません。若いころには問題なかった生活習慣でも、年齢を重ねることで影響が大きくなり、血尿が出やすくなることがあります。
さらに、薬の副作用が背景にあるケースもあります。特に長期間薬を使用している場合は、知らず知らずのうちに腎臓に負担をかけてしまうことがあるのです。
生活習慣や年齢、服薬の影響など、多くの要因が重なって血尿を引き起こすことがあると知っておくことが大切です。小さな変化も放置せず、体の声に耳を傾けましょう。
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第4章 腎臓以外が関わる血尿の原因
4.1 膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症
尿の通り道に細菌が入り込むと、炎症が起こり血尿が出ることがあります。膀胱炎はその代表で、特に女性に多いといわれています。排尿のときにしみるような痛みがあったり、何度もトイレに行きたくなるのが特徴です。
炎症が膀胱を越えて広がると、腎盂腎炎と呼ばれる状態になることがあります。この場合は、高熱や腰の強い痛みを伴うことが多いため、日常生活に支障をきたします。感染症が原因の血尿は、見た目の色だけでなく、排尿のたびに感じる違和感や発熱といった全身の症状を伴う点が特徴です。
感染症に関連する血尿では、次のようなサインが目安になります。
- ● トイレの回数が増えている
- ● 排尿時に強い痛みを感じる
- ● 発熱や悪寒がある
- ● 脇腹から腰にかけて突然の強い痛みが出る
- ● 尿の色が急に赤や茶色に変わる
「痛みや熱を伴う血尿」は感染症の可能性が高く、早めの対応が重要です。
4.2 尿路結石による血尿
尿の通り道に結石ができると、粘膜がこすれて出血し、血尿として現れます。結石は腎臓や尿管、膀胱などにできることがあり、大きさや形によって症状の強さが異なります。
結石による血尿の特徴は、激しい痛みを伴うことが多い点です。脇腹や腰に突然強い痛みが走り、じっとしていられないほどの苦痛を感じることがあります。この痛みは「疝痛発作」と呼ばれ、血尿とあわせて結石の代表的なサインとされています。
また、小さな結石であっても繰り返し動くことで出血を引き起こすことがあり、尿に赤い色が混じることがあります。
結石に伴うサインとしては次のようなものが挙げられます。
強い痛みと血尿が同時に出たときは、結石を疑うことが重要です。
4.3 腫瘍やがんによる血尿
膀胱や尿路に腫瘍ができると、血液が尿に混じることがあります。初期の段階では排尿時の痛みや違和感がほとんどなく、尿の色の変化だけがサインとなるのが特徴です。
特に注意したいのは、「痛みがないのに血尿が続く」場合です。感染症や結石による血尿は痛みを伴うことが多いのに対し、腫瘍によるものは静かに進行するため、気づくのが遅れる傾向があります。
普段の生活の中でトイレに行ったとき、赤みのある尿が何度も続くようであれば、体が発している重要な信号として受け止めることが大切です。色の変化が一度で終わらない場合は特に注意しましょう。
痛みがなくても繰り返し血尿が出るときは、放置せず慎重に向き合うことが大切です。
4.4 外傷や前立腺のトラブル
血尿の原因には、外からの衝撃や前立腺の不調が関わることもあります。スポーツや転倒で腰やお腹に強い衝撃を受けたとき、尿の通り道が傷ついて出血することがあります。この場合は受傷後すぐに尿の色が変わるため、自分でも気づきやすいのが特徴です。
一方、男性特有の臓器である前立腺に問題がある場合も血尿が出ることがあります。年齢を重ねることで前立腺が大きくなったり、炎症を起こしたりすると、排尿時の違和感や出にくさとともに血液が混ざることがあるのです。
外傷も前立腺のトラブルも、血尿の出方や伴う症状が異なるため、普段との違いに気づくことが大切です。「突然の色の変化」や「排尿のしづらさと血尿が同時に出る」場合は、体の異常を知らせる信号として受け止めることが重要です。
第5章 血尿が出たときのチェックポイントと生活ケア
5.1 尿の色や状態を観察する
血尿に気づくきっかけは、尿の色や状態の変化です。普段は淡い黄色の尿が、赤みを帯びたり茶色っぽくなると、血液が混ざっている可能性があります。ときには濃いワインのような色に見えることもあり、排尿時に驚く人も少なくありません。ただし、食べ物や薬の影響で一時的に色が変わることもあります。たとえば赤い色素を多く含む食品を食べたあとや、特定の薬を服用したときに尿が赤く見える場合があります。このような場合は一度きりで終わることが多いのですが、数日続くときは血尿を疑うべきサインと考えましょう。
また、尿の濁りや泡立ちも観察ポイントのひとつです。色だけでなく状態の変化にも目を向けることで、体調の小さな異変に気づきやすくなります。
「いつもと違う色や状態が続く尿」は、体が不調を知らせている可能性がある大切な信号です。
5.2 むくみや疲れなど体の変化を見る
血尿は尿の色だけでなく、体全体の変化と一緒に現れることもあります。特に注意したいのが、むくみや慢性的な疲労感です。朝起きたときに顔が腫れぼったい、靴下の跡が長く残るといった症状は、体に余分な水分がたまっているサインかもしれません。また、十分に休んでも疲れが抜けない、階段の上り下りで息切れしやすいといった状態も、体の機能が弱っている合図として考えられます。こうした変化は一見すると血尿とは関係がなさそうに見えますが、体の中で起きている異常を知らせるヒントになることが多いのです。
「尿の色の変化」と「体の小さな異変」を合わせて意識することで、早めに異常に気づきやすくなります。普段の体調を軽くメモに残しておくと、自分では気づきにくいパターンも把握しやすくなるでしょう。
5.3 誠心堂薬局で相談できること

血尿が続いて不安なとき、病院での治療以外にどんな選択肢があるのか知りたい方も多いのではないでしょうか。そんなときに心強いのが、誠心堂薬局の漢方相談です。
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相談の始め方はシンプルです。フォームやLINEから問い合わせをすると、スタッフが相談日時を調整してくれます。その後は電話、Zoom、LINEビデオ通話のいずれかを選んで専門家と直接話すことができます。全国どこからでも参加できるため、移動が難しい方でも利用しやすい仕組みです。
また、血尿だけでなく「むくみが取れない」「夜中にトイレに起きる」「疲れが抜けない」といった日常の悩みも相談の対象です。病気の治療という枠を超え、生活全体を見直すきっかけを与えてくれるのが誠心堂薬局の強みです。
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5.4 日常生活で取り入れたい予防やケア
血尿が一度でも出たら、そのまま放置せず、毎日の生活を見直すことが大切です。すぐに大きな病気につながらない場合もありますが、普段の習慣を整えることで体への負担を減らしやすくなります。
まず基本となるのは水分補給です。水分が不足すると尿が濃くなり、通り道に負担がかかってしまいます。喉が渇いてから一度に飲むのではなく、朝起きてすぐに一杯、日中も数回に分けて少しずつ飲むと体にやさしく吸収されます。
食生活も重要です。塩分を控えるだけでなく、加工食品や脂っこい料理を減らし、野菜や果物、魚などをバランスよく取り入れることが大切です。食事の工夫は腎臓だけでなく血圧や血糖の管理にも役立ちます。
加えて、十分な休養をとることも欠かせません。睡眠不足が続くと体の回復力が落ち、むくみや疲労感が強くなります。夜更かしを避けて、質の良い睡眠を確保することが、血尿の再発を防ぐシンプルな方法のひとつです。
さらに、軽い運動を日常に取り入れると、血流が良くなり、体の回復力が高まります。散歩やストレッチ程度でも継続すれば、体質改善に大きくつながります。
このように水分、食事、睡眠、運動をバランスよく整えることで、体は本来の力を取り戻しやすくなります。日常生活の小さな工夫が、将来の健康を守る大きな一歩になるのです。
まとめと次の一歩
血尿は、見た目で気づく場合もあれば、検査で初めて分かる場合もあります。一時的に収まることもありますが、そのまま放置すると症状が進んでしまう可能性もあります。尿の色の変化や体の小さなサインを見逃さず、早めに対応することが大切です。
日常生活では、水分補給や食生活の工夫、十分な休養などの基本的なケアが予防につながります。それでも不安が続くときや、健康診断で腎機能に関する指摘を受けたときは、専門家に相談することをおすすめします。
誠心堂薬局では、薬剤師や中医師(中国の漢方医)がチームとなり、血尿や腎機能低下に関する不安に寄り添って相談を受けています。自宅からオンラインで相談できる仕組みも整っているため、忙しい方や遠方の方でも安心して利用できます。
血尿は体が発する大切な信号です。小さな異変をきっかけに、生活を見直し、必要に応じて専門家へ相談することが健康を守る第一歩になります。
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