漢方による不妊治療相談

自然な妊娠・出産をサポートする中医学漢方の「周期調節法」とは?

西洋医学の月経周期のメカニズムと中医学の考え方を合わせた方法です。
月経周期で変化する女性のホルモン分泌にあわせ、「月経期、卵胞期、排卵期、黄体期」と、4つの時期に分け漢方薬を飲み分けます。
『赤ちゃんが欲しいのにできない』と悩む女性が増えている昨今、その大きな要因として晩婚化や妊娠を望んだときに高齢化していることがあげられます。女性にとって最も健康で質の高い卵子ができるのが20代前半。20代後半、30代になるにつれて卵子の質も残念ながら下がる傾向に。その分、着床しにくく、流産のリスクも高くなるのです。つまり、妊娠率を上げるには卵子の質をあげ着床しやすく流産しにくい子宮環境を作ることが重要で、この確率を高めるために注目されているひとつが中医学漢方の周期調節法なのです。

中医学漢方では、月経リズムで変化する女性の身体、心に合わせた周期調節法で不妊の悩みに対応しています。

月経リズムと中国漢方周期治療 グラフ ▲タップすると拡大図が見れます。
月経リズムと中国漢方周期 ▲タップすると拡大図が見れます。

漢方薬には、身体の本来の機能を回復させていくことを目的とした生薬・煎じ薬・漢方製剤が数多くあり、周期調節法に使われる漢方薬の主な目的は以下のようになります。

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月経期には 活動薬と理気薬で排出をスムーズに

排出をスムーズに完全に

月経期(生理がはじまってから出血がなくなるまでの3日間~1週間)は、不要になった子宮内膜を剥がし、溶かして月経血として完全に体外に排出する時期です。
理気活血作用のある漢方薬で血行を良くし、無理なくスムーズに月経血を排出させ、子宮をきれいにしましょう

代表的な漢方薬

  • 逍遥散(しょうようさん)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
  • 血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)
  • 冠元顆粒(かんげんかりゅう)
  • 田七人参(でんしちにんじん)
  •  など

月経期の養生法

  • 充分な睡眠をとり、気血の消耗を防ぎましょう。
  • 激しい運動は避けましょう。
  • 薄着や冷たい飲食物などで体を冷やさないように気をつけましょう。

おすすめの食べ物

  • なつめやプルーン
  • 黒豆、黒キクラゲ、黒ゴマなどの黒い食べ物
  • 温野菜のスープ、シナモンティー、生姜湯など

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卵胞期には 自滋陰薬と補血薬で質の良い卵胞を育てよう

栄養供給量を増やして

卵胞期(月経期後の1週間~10日間)は、子宮内膜の新しい粘膜層を再生・増殖させ、卵巣内では1個の卵胞を成熟させる時期です。
滋陰薬と補血薬によって子宮と卵巣へ栄養素やホルモンを供給し、子宮内膜の回復と質の良い卵胞の成熟を助けます。

代表的な漢方薬

  • 六味地黄丸(ろくみじおうがん)
  • 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
  • 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう) 
  • 当帰養血精(とうきようけつせい)
  • 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)など

卵胞期の養生法

  • 早めに寝て、陰(卵胞)の成長を促しましょう。

おすすめの食べ物

  • 豆類、たまご、赤身の肉など、良性のたんぱく質
  • 色の濃い野菜など

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排卵期には 活血薬と理気薬で速やかに高温期へ

排卵を促し、高温期への移行を速やかに

排卵期(周期の中間部の数日間)は、卵巣内の成熟卵胞から卵子を排卵し、黄体を作り、低温期(卵胞期)から高温期(黄体期)へ移行させる時期です。排卵期には再び活血薬と理気薬を用いて、ホルモン分泌の連携を良くし、確実に、かつ速やかに排卵、黄体化へとつなげます。

代表的な漢方薬

  • 逍遥散(しょうようさん)
  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 冠元顆粒(かんげんかりゅう) など

排卵期の養生法

  • ストレッチやウォーキングなど、体を軽く動かして、気血のめぐりを良くしましょう。
  • 妊娠へのプレッシャーを深く考えすぎず、リラックスして過ごしましょう。

おすすめの食べ物

  • 三つ葉、セロリ、春菊など香りのある野菜
  • ジャスミンティー、ミントティー、菊花茶

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黄体期には 補陽薬で受精卵を着床させよう

受精卵の着床環境を整えよう

黄体期(周期後半の約2週間)は、子宮内膜に再生された分泌腺の働きにより、栄養素に富んだ分泌液(子宮ミルク)を蓄え、受精卵が着床・発育しやすい環境を整える時期です。
黄体ホルモンの作用により、子宮内膜への血液の供給が加速し、エネルギー代謝が高まるため、基礎体温が月経期・卵胞期より0.3~0.5℃高くなります。安定した高温期を維持し、受精卵の着床・発育を助けるために、温補腎陽の薬を用います。

代表的な漢方薬

  • 金匱腎気丸(きんきじんきがん)
  • 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
  • 双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)など

※イライラ・頭痛など月経前緊張症(PMS)がある場合は、逍遥散などの疏肝理気薬も使います。

黄体期の養生法

  • 妊娠の可能性がある時は、激しい運動は避けましょう。
  • 腹式呼吸でリラックスしましょう。
  • ゼラニウム、ベルガモット、ラベンダーなどのアロマオイルもおすすめです。

おすすめの食べ物

  • お酢、レモンなどの柑橘類
  • 紫蘇、三つ葉、セロリなどの香りの野菜
  • ハーブティー