中医学では「治風先治血、血行風自滅」(中風を治すにはまず血液を治療し、血液の流れを良くすれば自然に中風が消滅する)と言われます。
つまり、脳卒中の原因である血液の流れが滞っている「瘀血」を治すことが大切ということです。
脳出血は、高血圧や脳動脈硬化、脳内の小動脈硬化によって形成された瘤によく見られます。
この瘤や動脈硬化が、血液循環障害を引き起こし、血液の流れを緩慢にします。
流体力学からみても血液の流れが速いほど血管への抵抗が減り、ゆるやかになるほど圧力大きくなります。つまり、血液がスムーズに流れていれば、血管への圧力はゆるやかで、急激な興奮や排便時のりきみなどで、たとえ一時的に血圧が高くなっても、血管破裂や出血を起こしにくくなります。
血液が濁ってネバネバした状態の場合、血液の流れは緩慢になり、血管に対する抵抗力が増加すると、小動脈瘤が形成されてもろくなっている血管部分は、血圧が急に上がった時に血管が破裂しやすく、出血が起こります。
脳出血を防ぐには、まず血圧が高くならないようにコントロールすること。
そして血液をサラサラにする「活血化瘀(かっけつかお)」が大切です。血液をきれいにし、血行をよくすることは脳出血だけでなく、高血圧による動脈硬化や脳血栓も予防することになります。
脳卒中は、成人病の中でも発病率や半身不随などの後遺症、死亡率などのリスクが高い病気ですから、何よりも予防が肝心です。
中医学では「瘀血」を予防・改善する処方として、丹参、赤芍、川芳、紅花、地竜などの活血化於作用のある生薬を組み合わせたものを用いています。
ただし、その人の体質や症状によって処方も変わりますので、詳しいことは、必ず専門の薬局・薬店で相談するようにしてください。
臨床データによると、50~60代に脳出血が多発し、60歳以上では脳血栓が増加する傾向がありますから、50歳から予防する生活を心がけましょう。
食事はなるべく塩分(1日6g以下)をひかえて、野菜や海草類を多く食べること。
また、肉類よりも魚類をとり、良質のタンパク質を摂取すること。
他に飲酒量は少なめにして、禁煙を実行すること。
そして、1日30分程度の軽い運動や散歩で新陳代謝を高め、充分な睡眠をとることが大切です。