漢方薬 誠心堂
お問い合せフォーム
トップページへ戻る

 

◆「日本中医学会」の公式HP→(http://www.jtcma.org/index.html)
◆「日本中医学会」にて弊社代表西野のインタビュー→ (http://www.jtcma.org/news/zenkoku.html)
◆過去の中医学術総会の発表→ 第2回  第3回
 

~第4回日本中医学会 学術総会~

2014年9月13日・14日



第4回日本中医学会学術総会は、「なにわの中医学」をテーマに2014年9月13日・14日、東京のタワーホール船堀にて開催されました。
その中で、弊社の中医学アドバイザーである楊 琰・楊 晶の2名が症例を発表いたしました。

膝周囲の変遷



漢方と鍼灸併用治療による関節水腫治療の症例報告

- 鄭冬梅 西野星彦 清水真美 -


【緒言】

膝関節水腫とは、膝関節内にある関節液(滑液)が異常に増えてたまってしまう疾患で、いわゆる"膝に水がたまる"状態のことをいう。

病院治療では
「水がたまる原因となっている炎症を抑える」
「膝に注射針を刺して関節液を抜く関節穿刺にて治療」
を行うのが一般的である。

また、根本的な炎症が治療出来ないと症状を繰り返しやすいので継続して関節穿刺を繰り返し行っていく必要になる。

中医学では膝関節水腫を痺証(ひしょう)と呼ぶ。
そのうち、風邪が主因の行痺(こうひ)、寒邪が主因の痛痺(つうひ)、湿邪が主因の着痺(ちゃくひ)、熱邪が主因の熱痺(ねつひ)4タイプに分類する。
本日は漢方と鍼灸併用による膝関節水腫治療の症例を報告する。
 

【病歴】

67歳の女性。
2013年2月から右側の膝の痛みが発症。3月から膝に水が溜まるようになった。
レントゲン検査では骨と軟骨の異常がなく、病院でヒアロン酸を注射してもらったが、7月から右膝の水溜まりが増えはじめ、階段の昇降(特に降りる時の痛み)が辛くなってきた。
病院から鎮痛剤をもらい、週に2、3回。1度に20㏄ほどの関節液を抜く治療を繰り返して行っていたが、水の溜まりは改善されなかった。

【初回相談時の所見】

2013年8月8日 初回相談
右膝のシワが見えなくなるほどの腫れが観られ、重だるい感じがあった。
歩くとつらい、サポーターを使うと楽になる。
痛み(+)夜にはひどくなる、赤み(-)、熱感(-)。
膝周囲(膝蓋骨上縁)は右が41.0cm、左が34.5cm。全身状況良好、消化、睡眠、便通とも問題ない。
舌質淡紅、苔薄微黄。脈滑。

【漢方治療

弁証根拠】

 1.寒い冬に発症。
 2.膝の水ぶくれが目立ち、赤みと熱感が伴わない。
 3.雨天または寒い日に痛みが悪化。膝が特に重たく感じる。
 4.舌淡紅、脈滑。

【弁証】 寒湿型の痺証(着痺) 
【治則】 袪風散寒、除湿通絡、活血止痛
【処方】 薏苡仁湯(明・皇甫中『明医指掌

           薏苡仁8g 麻黄4g 当帰4g 白朮4g 桂皮3g 芍薬3g 甘草3g

【経過】

漢方服用5日後(8月13日)、右膝の水の溜まりが減るようになり、膝周囲が41cm→38cmに縮小。関節穿刺が不要になった。
痛みもかなり軽減し、鎮痛剤を使用しなくても済むようになった。
9月12日、右膝の痛みはほぼ無くなり、腫れも更に引いた。
膝周囲が37cm、少し曲がるようになった。
病院での関節穿刺治療は漢方始めてからすでに中止している。
胃もたれが出たため、薏苡仁湯に香砂養胃湯を加えた。


鍼灸治療】

【目的】
約3週間の薏苡仁湯の投与で膝の腫れと痛みは顕著に改善した。
しかし、歩行障害はまだ残っている。
膝関節局所の散寒除湿および活血止痛を強化するため、8月26日より漢方の内服治療と共に鍼灸治療を併用することにした。

【選穴】
 1:祛風散寒:刺鍼前に血海・梁丘・内外膝眼・鶴頂・犢鼻に施灸
 2:健脾祛湿:中脘・足三里・陰陵泉・豊隆
 3:通絡止痛:右膝の血海・梁丘・内膝眼・外膝眼・風市

2と3の穴位にパルス(5HZ×1 20分)施鍼を行った。

【考察】毎回の鍼灸治療毎に膝の痛みと重だるい感じは軽減、歩く距離も長くなった。
11月5日、右膝の痛みと腫れはほとんど消失、シワもたくさん見えるようになった。
膝周囲36cm。歩行障害は顕著に改善され、階段も自由に昇降できるようになった。
たまに胃もたれが出るため、疎経活血湯に変更し、漢方服用を継続する。
今年1月になって、右膝の痛みと腫れは完全に消失した。
膝周囲が35cmに縮小。歩行障害も無くなった。

変形性膝関節症の漢方治療 (首藤孝夫先生)

膝関節水腫の時‥防已黄耆湯
膝関節痛や関節水腫の改善が思わしくない場合‥防已黄耆湯+薏苡仁湯+ブシ末
局所に熱感や腫脹がある場合‥防已黄耆湯+越婢加朮湯
局所が冷えて改善しない場合‥防已黄耆湯+桂枝加朮附湯や麻黄附子細辛湯や五積散
瘀血が絡んでいる場合‥防已黄耆湯+桂枝茯苓丸や疎経活血湯

<<金匱要略・水気病脈証並治第十四>>
“風水、脈浮身重、汗出悪風者、防已黄耆湯主之、腹痛者加芍薬。” 
防已黄耆湯が適する証-‐-‐‐色白で水太り、汗をかきやすく、気虚証。

薏苡仁湯を選んだ理由】
汗出がない。脈滑で有力など表虚と気虚の所見がないので、麻黄と桂枝など解表作用が強い薏苡仁湯を選択。

“不通則痛”--鍼治療の効果が顕著。
“不栄則痛”--漢方治療の補気、利水、養血兼行気化瘀など。
高齢者の膝痛は温散寒気、消解瘀阻、疎通経絡
鍼灸は服薬による食欲不振やもたれなど胃の負担を軽減。

【最後に】
臨床では痺証が多く見られるが、難治性で繰り返しやすいのが特徴である。
また、高齢化社会が進み、膝関節などの整形疾患はこれからますます多くなると推測される。
本症例は高齢者の関節痛ではもっとも多く見られる着痺の範囲に属して、漢方と鍼とお灸をうまく併用するにより理想な改善が見られた。
患者のQOLを高める上で漢方と鍼灸併用治療は新たな道筋となりえると考えられる。





 




妊娠・出産アンケートより抜粋


Q1:誠心堂にいらっしゃるまでの病院の検査結果などはいかがでしたか?
A1:一度自然妊娠したのですが、子宮外妊娠で、卵巣のう腫を悪っていました。
不妊専門クリニックなどで排卵の状態を見てもらったりはしていましたが、妊娠は難しいと言われていました。

Q2:妊娠がわかった時はいかがでしたか?
A2:信じられませんでした。
自分が妊娠できるのは思いませんでした。
子宮外妊娠でないようにと願い、病院にいくまでが怖かったです。


左卵管切除および右卵巣を摘出後に自然妊娠した症例

- 楊 晶 松島 達也-

【緒言】
女性の社会においての活躍の場が広がり、仕事の忙しさにより不妊治療専門病院に通う時間を確保できず、漠然とした不安を抱えながら妊娠を望む女性が増えてきている。
不妊治療について気軽に相談できる場所として漢方専門薬局が注目されている。
本症例の女性は、子宮外妊娠により左側卵管切除、卵巣膿腫により右卵巣摘出という器質的な問題があり、体外受精などの高度生殖医療が必要と思われる状況であったが、仕事が忙しく病院に通うことができず、また体に負担をかけたくないとの本人の希望により当薬局に来店された。
来局されてから漢方薬を約3カ月間服用することにより、自然妊娠をした症例である。

【方法】
この症例では、右側卵巣膿腫により摘出手術をしたことによって、生殖を司る臓腑である腎が弱まり、結果的に30歳という年齢にも関わらず「腎虚」が進んでしまっていた。
そのため、先天の腎と後天の脾の両方を補う必要があり「補腎」と「健脾」を重点的に行った。
骨盤内の血の巡りを良くする目的で「理気活血」の微調整を行い、約3カ月間漢方薬を服用した。

【弁証論治】
弁証論治は以下の通りである。
弁証:気滞血瘀、脾腎陽虚
治則:健脾補腎、理気活血化瘀
処方:【基本処方】
参苓白術散、牛車腎気丸、加味逍遥散、当帰芍薬散。
 
【結果】
漢方薬の服用により、自覚症状として下腹部が温かくなり、便通も改善し、排卵期には帯下の量が増えた。
また、月経前緊張症による頭痛、イライラ、胸の張りなどの諸症状も改善した。
BBTの変化としては、低かった体温や短い高温期が改善し、高温期を維持できるようになった。
そして、漢方薬を服用してから約3カ月目に自然妊娠した。
妊娠中も漢方薬を継続し、無事に男児を出産した。
出産後は、回復も早く母乳も良く出ており、体調も安定していた。

【考察】
漢方薬で「補腎、健脾」を行うことで、女性ホルモンの分泌が促されたことが考えられる。
基礎体温から少なくとも高温期を維持できるようになった事を踏まえると、プロゲステロンの分泌が改善されたことは、容易に推測ができる。
また、左卵管切除、右卵巣摘出していたことを考慮すると、理気活血薬を併用することで骨盤内の血流が改善され、右側の卵管及び卵管采が伸び、左側の卵巣で排卵した卵子をピックアップすることができたのではないかと考えられる。
漢方不妊治療において、補腎と健脾を同時に行うことは、「先天の精」と「後天の精」を同時に補うことであり、臓腑の「気血精」を充実させることにつながる。
臓腑の「気血精」が充実することによって、弱まった生殖器の潜在能力を高めることができ、さらに理気活血薬を併用することで骨盤内の血流が改善され、卵管及び卵管采の動きが良くなり、また卵巣の働きも良くなったことが推察される。
本症例は漢方薬の新たな可能性を垣間見ることができた症例だった。



 


漢方薬をはじめるには?漢方成分配合商品漢方体験談今月のプレゼントキャンペーントップに戻る



漢方