全体観とは言葉通り、人体の生理・病理の症状だけを診るのではなく、生活習慣・地域・環境・季節など、人体を取り巻くあらゆる方面からの影響を視野に入れて、人体とのつながりを観察し、分析する考え方です。
A:人体内部の全体観
人体は、臓器・組織・器官で構成されています。さらに臓器と臓器、器官と臓器、組織と臓器が、それぞれ密接な関係を持ち、互いに影響しあっています。
例えば、肝と脾、肝と腎、肝と胆、肝と目・・・は大切なパートナーであり、切り離して考えることはできません。中医学では、人体の表面に現れた症状は、臓器の病変が外に現れたものとしてとらえているのです。
B:人体と外部(自然環境)の全体観
自然界の変化は季節によりその性質も変わり、人体にも影響を与え※①、これに対して体もいろんな反応を示します。
例えば、暑さや寒さに対する発刊の調整や、体温の調整などの生理反応もその一つです。また冬の乾燥した空気は喉を痛めたり、湿度の高い時期は食欲を失わせるなど、自然環境は疾病の原因にもなります。風邪の性質も秋から冬にかけては風寒型、冬から春にかけては風熱型、春から夏は風湿型、秋から冬には風燥型・・・と季節により異なり、治療法も違ってきます。
※①自然界には、風・寒・湿・熱・暑・燥と呼ばれる六気があります。
これらが激しく変化すると人体に影響をあたえる原因(六淫)となります。